話下手男の優しさ

ハリマオ65

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19話:高科昭二と高科孝明の約束

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 その帰りの途、池田町に立ち寄り、ワインセラーを見学して、数本のワインを買ってきて、浦幌町から海沿いの道を抜けて、白糠町を経由して、根室本線沿いに走り、釧路に帰ってきた。

 そして、最終日の全日、多くのお土産を宅急便で自宅に送って、翌日の便で釧路空港から羽田に飛び、家に帰った。2005年も秋になり、足早に過ぎて、師走になり、2006年を迎えた。

 久しぶりに、高科昭二が、高科孝明の家に電話してきて相談したいことがあると言われ、3日後の1月16日に国道16号線沿いの喫茶店に10時過ぎにやってきた。昭二が久しぶりと言い株投資では、世話になったと言い、お礼を言われた。

 まー、珈琲でも飲みながら話そうと言われ、その後の昭二が、マンションに引っ越して、独身で、地元の小さなスーパーで、16時から22時まで夜勤の仕事を続けていると聞かされた。

 そして、株で金ができて女友達も数人できた。しかし、俺がいい加減な性格であり頼りないこともあるせいか、どの女も結婚しようとは言わない。女達は、何か勝手とか、金をせびったりして少しずつ持ち金も減ってきた。

 また、年金も少ないことがわかり、ショックを受けたと話した。そして60歳を過ぎて、独身で、少しずつ、体にガタが来て、膝や腰が痛くなったり、定期検診で血圧が高い、血糖値が高いと言われた。

 そのため、4種類の薬と飲み、体重も10kg落とせと言われている。そこで、お願いが2つある。1つは、金が少し心許なくなってきたので、また投資のアドバイスしてくれ、もちろん、ただとは言わん以前通り1割の手数料と払うと言った。

 もう一つは、これが肝心なことなんだが、俺が、もし、死んだ場合、俺の兄弟、伯父、叔母、親戚に世話をかけたくない。だから、その時には、お前に世話になろうと、思ったのだと言った。

 もし、俺の命が、危なくなったら、俺の財産を任せて葬式や、その他の手続きを、お前に頼みたい。もちろん、残った金は、全部、お前のものにして良いと語った。それを聞いて、思わず笑った。

 しかし、もし老人病院とか施設に入る時にも甥のお前に世話になりたいと真面目な顔で話した。それに対して仕方ない、乗りかかった船だ、わかったよと答えると、悪いな、頼むよと言い、目が潤んでいた。

 それを見て、彼の真剣さが、良くわかった。要件は、その2つかと聞くと、そうだと言った。その後、高科昭二が、自動車事故に遭いそうになった事や女にだまされた話もした。

 また、スーパーの万引き犯を捕まえたが、逆に殴られて、怪我をしたことなど、たわいのないことを話し続けた。それを聞きながら、昭二さんが、1人ぼっちで、寂しいことが手に取るようにわかった。

 愚痴ばかりで悪いなと言い昼食をおごるから食べてけと言われ、ご馳走になり元気でと声をかけまた何かあったら気軽に電話してきて下さいと伝えた。さらに、投資の事も了解しましたので、必要な時に電話しますから答えた、

 本当に、お前は、優しい奴だと、涙を流して、ありがとうよと言ってくれた。そしてレストランを後にした。2007年は、高科孝明は、夫婦で春に山梨に桜と、桃の花、見物に行き、温泉に1泊してきた。

 2007年5月7日に、長男の博和夫妻に待望の第2子、淑子、高科淑子が誕生した。目がぱっちりと大きい、可愛い笑顔の女の子だった。その後、八王子の高科家に、近くの親戚の人たちが大勢訪ねて来てくれ、さかんに写真を撮られ、驚いた様に、泣き出した。

 5月24日、早朝、証券会社の担当者から日本ビルファンドの気配値が200万円で、売りと言われ、同意し、成り行き売りを指示。すると9時過ぎ、売れ、税引き後利益、5000万円となり残金が、12460万円となった。

 2007年8月に、パリバショックが起きた時に、長男の博和から電話で、持株を売った方が良いかなと聞かれ、父の孝明は、高い所で売っておいた方が安全だとアドバイスした。そして、大きな事件もなく2007年が過ぎた。

 その後、夏は、暑くて外に出る気がしないで、家で、涼しくしていた。11月の土日に息子と娘が帰ってきて4人で、箱根の温泉と始まったばかりの紅葉を見物して、温泉に泊まって帰って来た。
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