アル・ゴアに刺激されて！

４話：桜の花見、兜町界隈の散策

　アメリカでもハイテク、インターネット関連株が急上昇した。そのため株価が異常な所まで上げたので、利益確定の売りが、いつ出てもおかしくないと話した。しかし、下げすぎた所が、絶好の買い場という事も言えると話した。この意見に全員が、同感した。いつ大きな下げが来るか、また、底値で、欲しい株を買おうと言う連中も多いと語り、その後も経済と投資の話で盛り上がり、２２時近くなり、店を出た。

　その時、さりげなく彼女の手が触れたと思うとメモ用紙を浩一に渡した。そのメモを浩一は、すぐにポケットに入れた。そして、重森さんが彼女を送って帰るので失礼しますと言い、タクシーを止めて、帰っていった。清水親子は、世数に吹かれて、歩いて１５分の家に帰った。家に帰り、自分の机に座り、メモを見ると、彼女のＰＨＳの電話番号が書いてあった。そして、お付き合いしましょうと書いてあるのを見て、浩一は、興奮した。

　あー良かったと思い麗子さんの顔を思い出した。そして、１９９９年１２月２８日、夕方、清水浩一のＰＨＳ電話に、証券会社の担当者から電話が入った。その頃、２０００年の大統領選でアル・ゴア氏が大統領選挙で勝った。　その後、アル・ゴアは、環境問題と温室効果ガスの削減運動に積極的にかかわり、世界の指導的役割を担い始めた。そしてアマゾンやアジアの森林破壊の問題を厳しく糾弾。

　２０００年２月２２日、早朝、証券の担当者からソニー株の気配値が、３３２５０円で売りと助言を受けた。それに同意しソニー株、全株・７００株を成り行き売り注文を出した。その日の昼に確認すると、売れて、税引き後利益が、１８７８万円で、投資残金が１８９２万円になり、１０８万円送金し残金を２０００万円にした。２０００年も暖かくなった４月７日金曜の夜、浩一は、麗子さんに電話を入れた。

　そして来週の土曜４月１５日、デートしないかと言い、東京駅の銀の鈴で１１時半に待ち合わせた。１１時半に行くと既に彼女が来ていた。彼女はピンクのドレスが似合って、とても、かわいい感じで、浩一の顔が緩んだ。素敵なドレスだねと言うと顔を赤らめ、ありがとうと言った。そして、駅近くのレストランで昼食をとり、目黒川沿いの桜を見に出かけた。地下鉄と東横線を乗り継ぎ中目黒に到着した。

　徒歩１２分で目黒川につくと、既に、大勢の人たちで、混雑していたが、通りを歩いてまわった。そして何枚もの桜の写真を撮って２０分位で、その混雑ぶりに負けて、近くの喫茶店に入り一休みした。その後、どこ行くと聞くと、私、日本橋が好きなので、行きませんかと言われ、地下鉄に乗って三越前に向かった。降りてからちょっと歩きませんかと言われ、寄り添って日本橋の麒麟の像の前で、写真を撮った。

　私、ここが好きなのと言い、しばらく休んだ。次に日本銀行に行き博物館を見学し兜町の東京証券取引の前に一回りした。私って、ちょっと変わっていて、この東京証券取引所のレンガ作り建物を見ると興奮するのと言った。だから証券会社に就職したのよと打ち明けた。大勢の男の人が、目をギラギラさせて緊張感を持ち興奮状態で動き回っている姿って、本当に素敵だと思ったので大学出て、すぐに証券会社に就職したってわけと言い笑いだした。

　全く変じゃないよ、その気持ちよくわかると、清水浩一が言うと、本当に分かってくれるのと言い、うれしいわと言い抱き着いた。恥ずかしいから、やめろよ、と言うと、意外と、うぶなのねと、いたずらっぽく笑った。まーそんな所が好きになったのだけれどねと、つぶやいた。次に、日本橋三越に行かないと言うと付き合ってあげると答えた。浩一は、彼女の軽く肩を抱いて歩いて行った。

　そして、三越に入り、ここに入ると不思議に、お金持ちになった気分になれるから好きなのと笑った。そして、思い出したように、おいしい喫茶店があるから行こうと言い、５分程行くと、ミカド・コーヒー店があり、この店、同じ珈琲でも立ち飲みと上のテーブル席とでは値段が違うのよと語った。

　珈琲を注文して飲んでみると実にうまい。思わず、浩一が、こん美味い珈琲、初めてと声を上げた。この兜町、日本橋って、美味しいレストラン、食堂、うどん屋、海苔店がいっぱいあるのよと話した。