顔だけがいい私が転生してしまった。

朱雨

文字の大きさ
6 / 8
1章

嫌いかも……

しおりを挟む
今回長めです。
_______・_________

「分かった。1万歩譲って私が瀕死であんたが神だったとして、神のあんたは瀕死の私に何のような訳?」


『聞きたいかのぉ??』

ニヤッと口角を上げ、偉そうにするので断った。


『気が向いたから教えてやる。』

少し焦りながらそう言う姿は、神の威厳など全然なく、ただの少しウザイじぃさんだった。


『あいつが可哀想でのぉ。ちょっと意識戻すから別れて来い。』


え?はぁ?
あいつ?

じぃさんが、下を指さすと白かった床が消え、病室が移された(病室の一角を上から覗いた感じ。)


私が病室のベットで寝ててその隣に優斗と涼太が座って話してる。
え…私、ガチで死ぬの…?


『あやつ、背が高い方がのぉ可哀想で可哀想でならん。』

え、そうなの?
やっぱ、告白の返事しないで逝くから?


「てか、神って人の生き方に鑑賞するんだ。」

じぃさんは、少し不思議そうな顔になるも、直ぐに納得したような顔になった。


『神の信仰を怠る者の生き方には鑑賞せんのだがな、あやつの先祖がワシが引くくらいの信者での。
そやつには何もやってやれんかったからの、子孫であるあやつに恩返しをしてやろうと思ったのじゃ。』


『ワシ、神っぽくね?』

少し間をあけてそう言った。
その言葉がなかったらめちゃくちゃ神っぽかった。

お前、ほんとに神?嘘だろせいぜい仙人にしとけ。


「で、私生き返らせるの?その場合ってルール的に大丈夫なの?」

『ワシが良いと思えば良いのじゃ。』

うわ、適当だなぁ。
それほんとに大丈夫??

まぁ(自称)神様が良いって言ってるんだし大丈夫だよねー。


『じゃ、直ぐに迎えに行くからの。早めに済ますんじゃぞ。』

はーい。
頷いた途端、私の体は変な風にグニャリと歪み、何かに吸い込まれるように消えていった。

痛みは不思議と感じなかった。



目が覚めるとベットの上だった。
だけど今度は違う。

天井がある。


「花咲……?」

あ、優斗。おはよう。
先程まで居たはずの涼太が居ないのは何故?

「涼太は?」

「帰ったよ……。」

それより!と大声で叫んでナースコールを押そうとする。

え、不味いよね?
直ぐに迎えに来るって言ってたし先に話しておかないとやばいよね。

素早く起き上がると、私は優斗の手を取りぎこちない笑顔を顔に貼り付ける。


「ナースコールは後でね???」

そう強く言うと分かったと承知してくれた。
ホットしたのもつかの間、優斗は私を抱きしめた。


「あーぁ、馬鹿。風呂で溺れるとか馬鹿。ジジイかよ。」


こいつ…
怒りが湧きあげてきたが、私は抑えた。
こいつはこいつなりに私のことを心配してくれたのだ。


「ごめん…。」

素直にそう謝ると抱きしめていた手が更に強く私を抱きしめた。


「ほんとだよ、マジふざけんな。まだ答え聞いてねぇよ。逃げてばっかで…」

ごめんね。
今度は口に出さずに言った。

ごめんね、優斗とはこれでお終いだ。
優斗に心配めちゃ掛けて終わる。

ごめんね。



「優斗、好きだよ。」


私を抱きしめていた手が離れ、優斗は私の顔を見る。


「でも、付き合わないから。」

「はぁ!?なんで!!?」

「だって_」

私が訳を話そうとした時、優斗は瞳に涙を浮かべ泣き出した。

「やだぁぁー!付き合うぅ!!俺と花咲結婚するんだぁー!やあだぁぁ!!!」


いや、何歳児?あんたそれでも男?


「うるさい。」

ピタリと泣き声は止んで、こちらをじっと見た。
犬みたいだな……。


「優斗は自由に生きるんだよ。分かった?」

首を横に振り、優斗は分かんないと呟き言った。

「自由って、花咲も一緒に?」


「無理かなぁー。だって死ぬもん。」


さっきよりも長く、大きな声で優斗は泣きだした。


「あぁぁ。やだぁぁぁあ!花咲と一緒がいいぃぃ!!やぁあだぁぁあー!!」


最初は我慢していたものの、どんどんと激しくなる泣き声に私はイラつき始めた。
こいつ、イラつく…。嫌いかもしれんな。


「あのさ、優斗が好きだからこう言ってる訳でしょ?
言うこと聞けよ私が好きなら。」

「…花咲と一緒がいい。」


うわぁぁ、黙れ!うるさい!もう、めんどい。


「男なら喚くな!さっきから、なんなの?マジでうるさい。」

もう、最後の最後でこれって…もう!


「大好きだから生きてほしいし、自由になってほしい。

今までありがとう。

ほんと、返事遅くなってごめんね。」


優斗の顔を見ながら私は背中を倒した。

さようなら。
ありがとうね、優斗。



「さようなら。」

そう最後に微笑むと、優斗は、私の手を握り涙を流しながらも笑顔で答えてくれたた。

「ばい、ばい。」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。

灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。 曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。 婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。 前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

ねえ、今どんな気持ち?

かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた 彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。 でも、あなたは真実を知らないみたいね ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・

ざまぁされるための努力とかしたくない

こうやさい
ファンタジー
 ある日あたしは自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生している事に気付いた。  けどなんか環境違いすぎるんだけど?  例のごとく深く考えないで下さい。ゲーム転生系で前世の記憶が戻った理由自体が強制力とかってあんまなくね? って思いつきから書いただけなので。けど知らないだけであるんだろうな。  作中で「身近な物で代用できますよってその身近がすでにないじゃん的な~」とありますが『俺の知識チートが始まらない』の方が書いたのは後です。これから連想して書きました。  ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。  恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。  中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。  ……ちなみにパソの調子ですが……なんか無意識に「もう嫌だ」とエンドレスでつぶやいてたらしいくらいの速度です。これだって10動くっていわれてるの買ってハードディスクとか取り替えてもらったりしたんだけどなぁ。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

処理中です...