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魔法少女のファンな俺⑩
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いつもの公園で俺はいつも通りモンストルを作り出すと、それを倒している魔法少女を見守っていた。ただし、いつもと違う点が一点。
「おい、マジでやんのか?前代未聞だぞ。」
「歴史上初ってことですね。心躍るじゃないですか。」
「ポジティブサイコ野郎が。」
いつものように大きな木の裏という魔法少女たちを見守れるベストポジションを陣取る俺だったが、今日は隣に先輩がいた。先日先輩が空間属性の魔法が使えると知った俺は先輩に勝負を挑み勝利。そのご褒美に魔法少女の対人戦を観戦できるチケットを手に入れたのだった。そして今日、義理深い先輩はバックれることなく俺の隣で魔法少女の前に立ちはだかるタイミングを伺っている。
「先輩、そろそろ行きましょう。モンストルも無事倒し終わったし、今なら一般人いませんし。」
「周りに迷惑かけない配慮は出来るサイコ野郎が。」
先輩は俺に毒を吐きつつ魔法少女の前にザンッと立ち塞がった。俺は魔法少女の前に人間の敵が現れたこの瞬間からテンションが爆上がり、先輩の吐き捨てた毒は完全に無毒化されていた。
「!?君誰だい!?」
「よぉ、クリムゾンフレイム。」
「...君がさっきのモンストルを作った、わけではなさそうだね。」
先輩が魔法少女との対人戦は前代未聞と言った通り、魔法少女は自分たちの目の前に人間が立ちふさがることは想定していないようだった。とにかく驚いているけれど瞬時に警戒態勢に入る6人。と言うか、この状況を一瞬で見抜いて相手に詰め寄るクリムゾンフレイム格好良すぎるんだが。
「まぁな。ちょっと事情があってよ、こっちだって仕事なんでね。とりあえず、黙って俺に倒されてくんねぇか、な!」
先輩はそう言うと空間魔法で作り出した球体を魔法少女に向かって投げつけた。上から下へ投げられたそれは大して早くもないスピードで地面に落ちる。当然魔法少女たちは軽々と避けてしまったが、球体の当たった地面はまるで地面の一部を削り取られたかのように抉れていた。
「本気の攻撃意思を感じた。なんでお前オレたちを直接狙うんだよ。」
「事情があるんだよ。さっきも言っただろ?こっちも仕事なんだ。ほら、お口を動かす前に体動かした方がいいぜ?」
先輩は余裕の表情で空間魔法の球体を投げ続ける。多分だけど、あれホントは当てようと思ったら当てられるんじゃないかな。当たった地面抉れてるし結構な威力だから、魔法少女が避けてくれるようにわざと当たらないくらいゆっくり投げてんじゃないかな。先輩のくせに格好いいことしやがる。
「くっ...!貴方たちの目的は人間の負の感情を集めることですよね!?私たちを直接狙ったって負の感情は集められませんよ!」
「なんだぁ?正論かましてくる真面目ちゃんが。世の中にはな、正論でまかり通らねぇこともあるんだよ、覚えときな。」
「キャッ!」「グッ!」
先輩はそう言うと空間転移の魔法でピーコックナトゥラとコバルトアクアの位置を転移させ2人の体をぶつけた。鈍い音を立ててぶつかった2人は衝撃に動きを止めた。くっ、戦い方が上手い。2人がぶつかってダメージ入ってるその感じも、その様子を見て動揺した仲間の回避がおろそかになるところも、先輩を敵として睨みつけているところも、最高にエモい。
「君っ!ボクたちは無駄な争いはしたくないんだ!ボクたちが直接やり合ったって何も生まれないし意味もないだろう!?」
「知らねぇよ。命令なんだ、俺はただ命令に従ってるだけだ。お前の正義を俺に押し付けるな。」
そもそも魔法少女は人間相手を傷つけるわけにもいかず先輩の攻撃を避けるだけで全く攻撃をしていない。人間相手に攻撃していいのか、でも相手は自分たちに容赦なく攻撃してくる敵。その葛藤が伝わってきて俺史上最高に盛り上がってる。
「私は...人相手に戦いたくない。話し合いしようよ、それで...」
「ビオニーウィンド、お前さ、戦いたくねぇ...違うな、傷つけたくねぇだけだろ?お前は誰かを傷つけて、そんで、自分も傷つくことが怖ぇだけだろ。人を殴れば殴った自分の手も痛い、それが嫌なだけだ。いつもお前戦闘は好まない省エネスタイルでいるけどよ、要は自分が傷つきたくねぇからその役目全部仲間に押し付けてるだけだろ。やりたくねぇことはやらねぇってだけだ。」
「...っ!」
先輩は魔法少女たちを物理的に攻撃するだけじゃなく、内面までも攻撃し始めた。魔法少女のファンとして彼女たちが傷ついたりいわれのないことを言われるのは不快だが、それでも先輩の言うことは正直正しくて魔法少女のこれからの成長の糧になりそうな言葉だ。なんて先輩だ、ファンのジレンマ的崇拝のいいところを突きやがって。
「そこまでにしてもらえませんか?ウィンドは結構メンタル弱いので。あ、あと、みんなは葛藤しているみたいですけど、私は人相手でも...攻撃できますよ?♡」
「っと!危ねぇな。大鎌は人間相手に振りかざすものじゃねぇぞ、マゼンタフローラ。」
「あら、人間の魂刈り取る死神が使うのも大鎌ですよ?♡」
「その理論じゃお前は死神ってことになるな。」
「仲間を傷つける相手を制裁するためなら死神にだってなってあげますよ。」
仲間たちが躊躇していた人間への攻撃を本気で仕掛けるマゼンタフローラ。ビオニーウィンドの悪口を言っていた先輩に怒りを覚えたのか実際に人間に当たれば一瞬で命刈り取りそうな大鎌を容赦なく先輩の首めがけて振る。先輩は割りと軽々避けているように見えたけど、俺は見逃さなかった、先輩首の後ろめっちゃ汗かいてる。いや先輩のことなんてどうでもよくて、仲間のために本気で怒って本気で攻撃を仕掛けるマゼンタ健気すぎて泣く。普段の小悪魔キャラも壊れるくらい本気で怒ってるの、涙腺崩壊する。
「じゃあ死神さんはこうされたらどうするんだ?」
「っ!...ウッ!」
「ウィンド!フローラ!」
先輩はマゼンタフローラの言葉に笑いながら言い返すと、自分の首めがけて大鎌が振り下ろされるのを見ながらビオニーウィンドと自分の位置を瞬間移動させた。マゼンタは自分の振り下ろす先にウィンドの首が現れた瞬間、何とか回避するために体をよじると、勢いそのままにウィンドとマゼンタは激しくぶつかった。ぶつかった勢いで2人は完全に倒れこんでしまった。2人の体を心配したフレイムがすぐに2人の元に駆けつける。
「はぁ...こんなもんか。」
「待って、フィクサーさん。」
「あぁ?」
そろそろ頃合いか、と言わんばかりに雰囲気醸し出して帰ろうとした先輩の行く手を阻んだのはレモントネールだった。彼女は攻撃意思を一切見せず、今攻撃すれば防御すらしないであろう顔でただ目の前に立つ。
「何だよ。」
「何でレモンたちを本気で倒そうとしないんですか?」
「...あぁ?」
先輩はいつものガラの悪い素の先輩の声で聴き返す。
「貴方はレモンたちに本気で攻撃するつもり、なかったですよね?空間魔法、当てようと思えば当てれたし他にも攻撃しようと思えば手札はあったんじゃないですか?私たちをつぶすくらい造作もないような。」
「...お前何が言いてぇんだよ。」
「上からの命令に従ってたけど、本当はこんなことしたくなかったんじゃないですか?」
「...。」
先輩は黙る。レモンの言ってることはあってはないけど間違ってもない。上からの命令じゃなくて、後輩のお願いなだけで、本当はこんなことしたくなかったって言うのは合ってる。でもここで肯定すると魔法少女と敵対している組織のメンツは潰れるし、否定するのもなんか違う。それ故の沈黙だったんだろうけど、先輩、ここでの沈黙はほぼ肯定の意味であって、それやると一番かっけえやつなんですよ。あと俺が悪者になってませんか?
「貴方は本当は優しい人なんですよね!?」
「...お前がどう思おうがお前の勝手だ。それが真実かどうかは関係なくな。お前が信じたいと思ったものが、お前にとっての真実になるだろ。」
「...!」
先輩が何とかごまかそうと口に出した言葉にレモンはなぜか顔を赤らめた。まるで心臓がきゅっと熱くなったような、そんな顔だった。え?
「あ、あの!名前!名前教えてください!」
「あぁ!?なんで名前なんか...」
「お願いします!貴方のこと知りたいんです!」
ん?んんん?レモンさん?
「あー...グレイ、だ。」
「グレイさん...。」
「もういいだろ。じゃあな、魔法少女。また縁があれば会えるかもな。」
先輩はそう言うと空間魔法を使ってフッとその場から消えた。先輩が消えたことで魔法少女たちは緊迫した状況が緩和し、いつも通りの6人に戻った。しかし俺はレモントネールの様子がいつもと少し違うことを見逃すことはなかった。
「おい、マジでやんのか?前代未聞だぞ。」
「歴史上初ってことですね。心躍るじゃないですか。」
「ポジティブサイコ野郎が。」
いつものように大きな木の裏という魔法少女たちを見守れるベストポジションを陣取る俺だったが、今日は隣に先輩がいた。先日先輩が空間属性の魔法が使えると知った俺は先輩に勝負を挑み勝利。そのご褒美に魔法少女の対人戦を観戦できるチケットを手に入れたのだった。そして今日、義理深い先輩はバックれることなく俺の隣で魔法少女の前に立ちはだかるタイミングを伺っている。
「先輩、そろそろ行きましょう。モンストルも無事倒し終わったし、今なら一般人いませんし。」
「周りに迷惑かけない配慮は出来るサイコ野郎が。」
先輩は俺に毒を吐きつつ魔法少女の前にザンッと立ち塞がった。俺は魔法少女の前に人間の敵が現れたこの瞬間からテンションが爆上がり、先輩の吐き捨てた毒は完全に無毒化されていた。
「!?君誰だい!?」
「よぉ、クリムゾンフレイム。」
「...君がさっきのモンストルを作った、わけではなさそうだね。」
先輩が魔法少女との対人戦は前代未聞と言った通り、魔法少女は自分たちの目の前に人間が立ちふさがることは想定していないようだった。とにかく驚いているけれど瞬時に警戒態勢に入る6人。と言うか、この状況を一瞬で見抜いて相手に詰め寄るクリムゾンフレイム格好良すぎるんだが。
「まぁな。ちょっと事情があってよ、こっちだって仕事なんでね。とりあえず、黙って俺に倒されてくんねぇか、な!」
先輩はそう言うと空間魔法で作り出した球体を魔法少女に向かって投げつけた。上から下へ投げられたそれは大して早くもないスピードで地面に落ちる。当然魔法少女たちは軽々と避けてしまったが、球体の当たった地面はまるで地面の一部を削り取られたかのように抉れていた。
「本気の攻撃意思を感じた。なんでお前オレたちを直接狙うんだよ。」
「事情があるんだよ。さっきも言っただろ?こっちも仕事なんだ。ほら、お口を動かす前に体動かした方がいいぜ?」
先輩は余裕の表情で空間魔法の球体を投げ続ける。多分だけど、あれホントは当てようと思ったら当てられるんじゃないかな。当たった地面抉れてるし結構な威力だから、魔法少女が避けてくれるようにわざと当たらないくらいゆっくり投げてんじゃないかな。先輩のくせに格好いいことしやがる。
「くっ...!貴方たちの目的は人間の負の感情を集めることですよね!?私たちを直接狙ったって負の感情は集められませんよ!」
「なんだぁ?正論かましてくる真面目ちゃんが。世の中にはな、正論でまかり通らねぇこともあるんだよ、覚えときな。」
「キャッ!」「グッ!」
先輩はそう言うと空間転移の魔法でピーコックナトゥラとコバルトアクアの位置を転移させ2人の体をぶつけた。鈍い音を立ててぶつかった2人は衝撃に動きを止めた。くっ、戦い方が上手い。2人がぶつかってダメージ入ってるその感じも、その様子を見て動揺した仲間の回避がおろそかになるところも、先輩を敵として睨みつけているところも、最高にエモい。
「君っ!ボクたちは無駄な争いはしたくないんだ!ボクたちが直接やり合ったって何も生まれないし意味もないだろう!?」
「知らねぇよ。命令なんだ、俺はただ命令に従ってるだけだ。お前の正義を俺に押し付けるな。」
そもそも魔法少女は人間相手を傷つけるわけにもいかず先輩の攻撃を避けるだけで全く攻撃をしていない。人間相手に攻撃していいのか、でも相手は自分たちに容赦なく攻撃してくる敵。その葛藤が伝わってきて俺史上最高に盛り上がってる。
「私は...人相手に戦いたくない。話し合いしようよ、それで...」
「ビオニーウィンド、お前さ、戦いたくねぇ...違うな、傷つけたくねぇだけだろ?お前は誰かを傷つけて、そんで、自分も傷つくことが怖ぇだけだろ。人を殴れば殴った自分の手も痛い、それが嫌なだけだ。いつもお前戦闘は好まない省エネスタイルでいるけどよ、要は自分が傷つきたくねぇからその役目全部仲間に押し付けてるだけだろ。やりたくねぇことはやらねぇってだけだ。」
「...っ!」
先輩は魔法少女たちを物理的に攻撃するだけじゃなく、内面までも攻撃し始めた。魔法少女のファンとして彼女たちが傷ついたりいわれのないことを言われるのは不快だが、それでも先輩の言うことは正直正しくて魔法少女のこれからの成長の糧になりそうな言葉だ。なんて先輩だ、ファンのジレンマ的崇拝のいいところを突きやがって。
「そこまでにしてもらえませんか?ウィンドは結構メンタル弱いので。あ、あと、みんなは葛藤しているみたいですけど、私は人相手でも...攻撃できますよ?♡」
「っと!危ねぇな。大鎌は人間相手に振りかざすものじゃねぇぞ、マゼンタフローラ。」
「あら、人間の魂刈り取る死神が使うのも大鎌ですよ?♡」
「その理論じゃお前は死神ってことになるな。」
「仲間を傷つける相手を制裁するためなら死神にだってなってあげますよ。」
仲間たちが躊躇していた人間への攻撃を本気で仕掛けるマゼンタフローラ。ビオニーウィンドの悪口を言っていた先輩に怒りを覚えたのか実際に人間に当たれば一瞬で命刈り取りそうな大鎌を容赦なく先輩の首めがけて振る。先輩は割りと軽々避けているように見えたけど、俺は見逃さなかった、先輩首の後ろめっちゃ汗かいてる。いや先輩のことなんてどうでもよくて、仲間のために本気で怒って本気で攻撃を仕掛けるマゼンタ健気すぎて泣く。普段の小悪魔キャラも壊れるくらい本気で怒ってるの、涙腺崩壊する。
「じゃあ死神さんはこうされたらどうするんだ?」
「っ!...ウッ!」
「ウィンド!フローラ!」
先輩はマゼンタフローラの言葉に笑いながら言い返すと、自分の首めがけて大鎌が振り下ろされるのを見ながらビオニーウィンドと自分の位置を瞬間移動させた。マゼンタは自分の振り下ろす先にウィンドの首が現れた瞬間、何とか回避するために体をよじると、勢いそのままにウィンドとマゼンタは激しくぶつかった。ぶつかった勢いで2人は完全に倒れこんでしまった。2人の体を心配したフレイムがすぐに2人の元に駆けつける。
「はぁ...こんなもんか。」
「待って、フィクサーさん。」
「あぁ?」
そろそろ頃合いか、と言わんばかりに雰囲気醸し出して帰ろうとした先輩の行く手を阻んだのはレモントネールだった。彼女は攻撃意思を一切見せず、今攻撃すれば防御すらしないであろう顔でただ目の前に立つ。
「何だよ。」
「何でレモンたちを本気で倒そうとしないんですか?」
「...あぁ?」
先輩はいつものガラの悪い素の先輩の声で聴き返す。
「貴方はレモンたちに本気で攻撃するつもり、なかったですよね?空間魔法、当てようと思えば当てれたし他にも攻撃しようと思えば手札はあったんじゃないですか?私たちをつぶすくらい造作もないような。」
「...お前何が言いてぇんだよ。」
「上からの命令に従ってたけど、本当はこんなことしたくなかったんじゃないですか?」
「...。」
先輩は黙る。レモンの言ってることはあってはないけど間違ってもない。上からの命令じゃなくて、後輩のお願いなだけで、本当はこんなことしたくなかったって言うのは合ってる。でもここで肯定すると魔法少女と敵対している組織のメンツは潰れるし、否定するのもなんか違う。それ故の沈黙だったんだろうけど、先輩、ここでの沈黙はほぼ肯定の意味であって、それやると一番かっけえやつなんですよ。あと俺が悪者になってませんか?
「貴方は本当は優しい人なんですよね!?」
「...お前がどう思おうがお前の勝手だ。それが真実かどうかは関係なくな。お前が信じたいと思ったものが、お前にとっての真実になるだろ。」
「...!」
先輩が何とかごまかそうと口に出した言葉にレモンはなぜか顔を赤らめた。まるで心臓がきゅっと熱くなったような、そんな顔だった。え?
「あ、あの!名前!名前教えてください!」
「あぁ!?なんで名前なんか...」
「お願いします!貴方のこと知りたいんです!」
ん?んんん?レモンさん?
「あー...グレイ、だ。」
「グレイさん...。」
「もういいだろ。じゃあな、魔法少女。また縁があれば会えるかもな。」
先輩はそう言うと空間魔法を使ってフッとその場から消えた。先輩が消えたことで魔法少女たちは緊迫した状況が緩和し、いつも通りの6人に戻った。しかし俺はレモントネールの様子がいつもと少し違うことを見逃すことはなかった。
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