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1.幼少期!
14.また会いたい! Side ルシアン
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騒動後、ドタバタしたが、俺は再びアンジュさんのもとへと寄った。
「あの少年は、一体どこに住んでいるんですか!?」
「え・・・?」
アンジュさんは戸惑っていた。それも、そのはず。俺は今、ルシアン王子として、聞き込みをしているからである。恐れ多いと思っているのだろう。つい、アザリーとしての癖が出てしまった。
「えっと、自分は王都『レイティア』の関門付近で亜麻色の髪に琥珀色の3歳位の幼き少年に助けられたのです。それで、調べてみたら、ここに用があったって事が分かりまして、聞き込みをしています。」
アンジュさんは跪き、答える。
「あ・・・あの子ですか。あの子は、クラリネッサの姉弟のようで、辺境の村『レノン』というところで、住んでいるみたいです・・・。」
「・・・情報提供、ありがとうございます。」
・・・『レノン』。聞いた事がない村。もう少し、踏み込んでみるか。
「・・・『レノン』という村はどの辺りにある村なのでしょうか?」
「『リックスタウン』の外れ辺り・・・。そこに、ある村なんです。」
・・・今度は『リックスタウン』。ここは・・・知っている。国境近くの土地だ。ここからは、遠いがあの少年なら物理的な距離も何とか出来そうな雰囲気がある。
こうして、出来る限りの聞き込みをしていると、幼馴染兼護衛のヴァリーがやってきた。ヴァリーは俺より2歳年上である。
「・・・お前は、ここで何をしている?」
「あぁ、ヴァリーか。ちょっと、聞き込み。あの騒動を鎮圧してくれた少年について、聞いている。」
「・・・あぁ、お前が無様な姿を曝したと言う?あの・・・?」
こいつは、口が悪いが俺を何かと気にかけてくれる。これは、父上が命令をした以上の事をしてくれるので、いい友人を持ったと思っている。
「無様な姿って・・・確かに、ミノタウロスに攻撃されそうだったけど・・・。」
「それを、バカと言うんだ。力無い者がS級魔物に挑んでどうする。」
「でも、レジェは俺より年下なのに、一撃で倒してしまった。俺は・・・。」
はぁ・・・。そう、ヴァリーからため息をついた音が聞こえた。ヴァリーは呆れた様子で、答える。
「その話は、騎士隊の人から聞いた。それを、人は神童と言うんだろうな。それに、レアアイテム『虹色奇跡の雫』を落として、学者・薬師が研究をしていると聞いている。あれは、滅多に落とさないし、ダンジョンで手に入れたとしても高値で売買される為、入手する事は困難だ。運がかなり良かったのだろう。」
そんな話をしていると、ぐぅぅぅと腹が鳴った。
「うるせぇよ。ちったぁ、遠慮しねーか?」
「すみません。料理、頼めますか?」
「ここで、食うのかよ!?毒味係がいねーだろーが!!」
「『肉じゃが』ってあります?」
「へぇっ!?何で、ルシアン王子がうちの裏メニューを知っているんです?週1でしか、出していないのに・・・?」
あっ。やべっ。ここで、食っていた事バレるわ。現に、ヴァリーが厳しい目で見てくるし。
「あははっ♪とても美味しいとレジェが言っていましたから。」
「レジェちゃん、可愛いよね。私もあんなに可愛い弟が欲しかったわ・・・。って、すみません。ルシアン王子の御前で・・・!今すぐ、『肉じゃが』御作り致します!!」
・
・
・
『肉じゃが』が出てきた。お肉と『じゃがいも』なる食べ物と『玉ねぎ』なる食べ物、それに『白滝』との組み合わせが美味いんだよなー。
ペロリとたいらげてしまった。
「とても美味しかったです。また、機会があれば食べに来ますね。」
笑顔で返す。勿論、食い逃げはしません。レジェに注意されたからな!少々、御高めだったけど・・・。アザリーとしての感想だけど。野菜が特定の地域でしか、採れないらしい。だから。週1なのだとか。もう一度、その日を狙って行ってみよう。
・
・
・
「お前、たまにあそこの店で食っているだろ?」
「!?」
「じゃなきゃ、裏メニューなんて知りようねーだろ!!」
「でも、レジェの居場所が分かった。今度からは俺から会いに行ってみよう。」
「そんなに、強い奴なのか?自分も会ってみたいな。・・・でも、王子はそんなに自由な時間を作れねーぞ。」
「公務で行ってやる!!」
俺は、新たに目的を決めて、また一歩進んでいくのであった。
「あの少年は、一体どこに住んでいるんですか!?」
「え・・・?」
アンジュさんは戸惑っていた。それも、そのはず。俺は今、ルシアン王子として、聞き込みをしているからである。恐れ多いと思っているのだろう。つい、アザリーとしての癖が出てしまった。
「えっと、自分は王都『レイティア』の関門付近で亜麻色の髪に琥珀色の3歳位の幼き少年に助けられたのです。それで、調べてみたら、ここに用があったって事が分かりまして、聞き込みをしています。」
アンジュさんは跪き、答える。
「あ・・・あの子ですか。あの子は、クラリネッサの姉弟のようで、辺境の村『レノン』というところで、住んでいるみたいです・・・。」
「・・・情報提供、ありがとうございます。」
・・・『レノン』。聞いた事がない村。もう少し、踏み込んでみるか。
「・・・『レノン』という村はどの辺りにある村なのでしょうか?」
「『リックスタウン』の外れ辺り・・・。そこに、ある村なんです。」
・・・今度は『リックスタウン』。ここは・・・知っている。国境近くの土地だ。ここからは、遠いがあの少年なら物理的な距離も何とか出来そうな雰囲気がある。
こうして、出来る限りの聞き込みをしていると、幼馴染兼護衛のヴァリーがやってきた。ヴァリーは俺より2歳年上である。
「・・・お前は、ここで何をしている?」
「あぁ、ヴァリーか。ちょっと、聞き込み。あの騒動を鎮圧してくれた少年について、聞いている。」
「・・・あぁ、お前が無様な姿を曝したと言う?あの・・・?」
こいつは、口が悪いが俺を何かと気にかけてくれる。これは、父上が命令をした以上の事をしてくれるので、いい友人を持ったと思っている。
「無様な姿って・・・確かに、ミノタウロスに攻撃されそうだったけど・・・。」
「それを、バカと言うんだ。力無い者がS級魔物に挑んでどうする。」
「でも、レジェは俺より年下なのに、一撃で倒してしまった。俺は・・・。」
はぁ・・・。そう、ヴァリーからため息をついた音が聞こえた。ヴァリーは呆れた様子で、答える。
「その話は、騎士隊の人から聞いた。それを、人は神童と言うんだろうな。それに、レアアイテム『虹色奇跡の雫』を落として、学者・薬師が研究をしていると聞いている。あれは、滅多に落とさないし、ダンジョンで手に入れたとしても高値で売買される為、入手する事は困難だ。運がかなり良かったのだろう。」
そんな話をしていると、ぐぅぅぅと腹が鳴った。
「うるせぇよ。ちったぁ、遠慮しねーか?」
「すみません。料理、頼めますか?」
「ここで、食うのかよ!?毒味係がいねーだろーが!!」
「『肉じゃが』ってあります?」
「へぇっ!?何で、ルシアン王子がうちの裏メニューを知っているんです?週1でしか、出していないのに・・・?」
あっ。やべっ。ここで、食っていた事バレるわ。現に、ヴァリーが厳しい目で見てくるし。
「あははっ♪とても美味しいとレジェが言っていましたから。」
「レジェちゃん、可愛いよね。私もあんなに可愛い弟が欲しかったわ・・・。って、すみません。ルシアン王子の御前で・・・!今すぐ、『肉じゃが』御作り致します!!」
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『肉じゃが』が出てきた。お肉と『じゃがいも』なる食べ物と『玉ねぎ』なる食べ物、それに『白滝』との組み合わせが美味いんだよなー。
ペロリとたいらげてしまった。
「とても美味しかったです。また、機会があれば食べに来ますね。」
笑顔で返す。勿論、食い逃げはしません。レジェに注意されたからな!少々、御高めだったけど・・・。アザリーとしての感想だけど。野菜が特定の地域でしか、採れないらしい。だから。週1なのだとか。もう一度、その日を狙って行ってみよう。
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「お前、たまにあそこの店で食っているだろ?」
「!?」
「じゃなきゃ、裏メニューなんて知りようねーだろ!!」
「でも、レジェの居場所が分かった。今度からは俺から会いに行ってみよう。」
「そんなに、強い奴なのか?自分も会ってみたいな。・・・でも、王子はそんなに自由な時間を作れねーぞ。」
「公務で行ってやる!!」
俺は、新たに目的を決めて、また一歩進んでいくのであった。
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