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1.幼少期!
20.王子様、王女様、誕生!
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「か、かいにん・・・?何だそれは?」
「おい、お前、バカ丸出しだぞ。要するに、王妃様のお腹に赤子がいると言う事だ。」
ルシアン王子の言葉で、その場は何とかどんよりムードが一変する。しかし、メイドが否定する。
「でも、王妃様は最近ふくよかにはなられましたが、懐妊とは少し違うのでは?お腹が大きくなる時期も早いですし・・・。」
「それは、多胎妊娠だからですよ。」
ルシアン王子は、疑問符を浮かべる。
「た、叩くのか?」
「いえ、叩かないでください。多胎妊娠。お腹にいる赤子が複数いる時の懐妊の名称ですよ。まぁ、普通に異常妊娠ですけどね。だから、お腹が大きくなるスピードも普通の懐妊よりも遥かに早い。まぁ、陣痛が始まっているようですし、今から出来る事は出産の準備をする事ですかね?さっくりと解決しちゃいますよ☆」
ちょっと、国王陛下に助けてもらおう。自分が『救世の力』を使うなんて、メンドクサイ。
・
・
・
メイド達が出産の準備を完了させた。薬師達も勢揃い。皆も静かに、部屋の外で見守っている。俺だけは、王妃様の部屋にいた。
「・・・国王陛下。王妃様のお腹に手を当てて、『救世の力』を使ってください。さっさと、終わらせないと、母子共に亡くなってしまいます。それでもいいのですか?」
「それは、脅しか?」
「いえ。脅していませんよ。ただ、事実を述べているだけ。それに、手を当てて、『救世の力』を使えば、王妃様のお腹に赤子が複数いると気付くはず。」
国王陛下は王妃様のお腹に手を当てる。そして、『救世の力』を使い、王妃様に力を与える。少し痙攣が収まったようだ。そして、俺が言った言葉が正しいと気付く。だから、言う事をすぐに聞いてくれる。
「王妃様!少しいきんでください!!そのタイミングで、国王陛下は『救世の力』を使い、赤子を取り出してください!!」
王妃様は近くにいたメイド達に縋り付き、力いっぱいにいきむ。そのタイミングで、国王陛下は『救世の力』を使い、赤子を体外へと出したのだった。すぐに、薬師達は赤子達を保護して、赤子達の経過を観察する。
流石に、『救世の力』を使っただけに、赤子に異常はなかった。こんなに、簡単に出産するとか、やっぱりすごいよね、この能力。赤子達はすぐに泣く。部屋の外からすごい歓声が沸き上がる。
・・・まさかの、男女二人ずつの双子ちゃんだった。四つ子かよ。しかも、やっぱり『救世の力』を使う者は存在しないと。でも、低体重で経過は要注意。
「これで、もう俺の役目は終わったも同然ですね。でも、皆、低体重なんで、経過は要注意です。」
もう、グレイに身体の主導権を譲ろう。俺だって、この状況はメンドクサイ状況☆
ポイッ。
「ちょっと、このタイミングで!?もう、シアはめんどくさがりなんだからっ。」
国王陛下は純粋に子供の誕生に喜んでいた。例え、『救世の力』を使う者がいなくとも。母子健康だしね。
ガチャリと扉が開かれる。皆が一斉に部屋に入ってきたのだ。ルシアン王子は真っ直ぐに王妃様のところへ向かう。
「母上!もう、御加減大丈夫ですか?」
王妃様はルシアン王子の頬を優しく触れる。
「えぇ・・・もう、大丈夫だわ。あの少年のアドバイスのおかげで、私は無事に出産する事が出来たわ。さぁ、お兄ちゃんとして、ご挨拶なさい。」
「はい!!」
ルシアン王子は完全に、緩み切った笑顔で答えた。そして、赤子達のもとへ向かい、薬師達のアドバイスを受けながら、赤子を抱いていた。
そして、国王陛下は口を開く。
「その娘、ヴァネッサの奴隷紋を消す事に承認しよう。今宵は新たな生命の誕生に歓迎パーティーを開くぞ!!」
「本当ですか!!国王陛下!・・・そして、その歓迎パーティーを盛り上げる所存でございます。」
ヴァリーは喜びを隠せないが、ヴァネッサは少し不満気味だった。
「・・・ご主人様の傍にいられないんですかぁ・・・。」
「これからは、自分が傍にいるから!!」
「じゃあね♪僕と母さんとエレーナは帰ります☆歓迎パーティーでもなんでもお好きにしてくださいねっ☆」
部屋の隅に移動すると、グレイはエレーナと母上の腕をつかみ、故郷へと帰るのであった。また、それを見た者は誰もいなかった。
「おい、お前、バカ丸出しだぞ。要するに、王妃様のお腹に赤子がいると言う事だ。」
ルシアン王子の言葉で、その場は何とかどんよりムードが一変する。しかし、メイドが否定する。
「でも、王妃様は最近ふくよかにはなられましたが、懐妊とは少し違うのでは?お腹が大きくなる時期も早いですし・・・。」
「それは、多胎妊娠だからですよ。」
ルシアン王子は、疑問符を浮かべる。
「た、叩くのか?」
「いえ、叩かないでください。多胎妊娠。お腹にいる赤子が複数いる時の懐妊の名称ですよ。まぁ、普通に異常妊娠ですけどね。だから、お腹が大きくなるスピードも普通の懐妊よりも遥かに早い。まぁ、陣痛が始まっているようですし、今から出来る事は出産の準備をする事ですかね?さっくりと解決しちゃいますよ☆」
ちょっと、国王陛下に助けてもらおう。自分が『救世の力』を使うなんて、メンドクサイ。
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メイド達が出産の準備を完了させた。薬師達も勢揃い。皆も静かに、部屋の外で見守っている。俺だけは、王妃様の部屋にいた。
「・・・国王陛下。王妃様のお腹に手を当てて、『救世の力』を使ってください。さっさと、終わらせないと、母子共に亡くなってしまいます。それでもいいのですか?」
「それは、脅しか?」
「いえ。脅していませんよ。ただ、事実を述べているだけ。それに、手を当てて、『救世の力』を使えば、王妃様のお腹に赤子が複数いると気付くはず。」
国王陛下は王妃様のお腹に手を当てる。そして、『救世の力』を使い、王妃様に力を与える。少し痙攣が収まったようだ。そして、俺が言った言葉が正しいと気付く。だから、言う事をすぐに聞いてくれる。
「王妃様!少しいきんでください!!そのタイミングで、国王陛下は『救世の力』を使い、赤子を取り出してください!!」
王妃様は近くにいたメイド達に縋り付き、力いっぱいにいきむ。そのタイミングで、国王陛下は『救世の力』を使い、赤子を体外へと出したのだった。すぐに、薬師達は赤子達を保護して、赤子達の経過を観察する。
流石に、『救世の力』を使っただけに、赤子に異常はなかった。こんなに、簡単に出産するとか、やっぱりすごいよね、この能力。赤子達はすぐに泣く。部屋の外からすごい歓声が沸き上がる。
・・・まさかの、男女二人ずつの双子ちゃんだった。四つ子かよ。しかも、やっぱり『救世の力』を使う者は存在しないと。でも、低体重で経過は要注意。
「これで、もう俺の役目は終わったも同然ですね。でも、皆、低体重なんで、経過は要注意です。」
もう、グレイに身体の主導権を譲ろう。俺だって、この状況はメンドクサイ状況☆
ポイッ。
「ちょっと、このタイミングで!?もう、シアはめんどくさがりなんだからっ。」
国王陛下は純粋に子供の誕生に喜んでいた。例え、『救世の力』を使う者がいなくとも。母子健康だしね。
ガチャリと扉が開かれる。皆が一斉に部屋に入ってきたのだ。ルシアン王子は真っ直ぐに王妃様のところへ向かう。
「母上!もう、御加減大丈夫ですか?」
王妃様はルシアン王子の頬を優しく触れる。
「えぇ・・・もう、大丈夫だわ。あの少年のアドバイスのおかげで、私は無事に出産する事が出来たわ。さぁ、お兄ちゃんとして、ご挨拶なさい。」
「はい!!」
ルシアン王子は完全に、緩み切った笑顔で答えた。そして、赤子達のもとへ向かい、薬師達のアドバイスを受けながら、赤子を抱いていた。
そして、国王陛下は口を開く。
「その娘、ヴァネッサの奴隷紋を消す事に承認しよう。今宵は新たな生命の誕生に歓迎パーティーを開くぞ!!」
「本当ですか!!国王陛下!・・・そして、その歓迎パーティーを盛り上げる所存でございます。」
ヴァリーは喜びを隠せないが、ヴァネッサは少し不満気味だった。
「・・・ご主人様の傍にいられないんですかぁ・・・。」
「これからは、自分が傍にいるから!!」
「じゃあね♪僕と母さんとエレーナは帰ります☆歓迎パーティーでもなんでもお好きにしてくださいねっ☆」
部屋の隅に移動すると、グレイはエレーナと母上の腕をつかみ、故郷へと帰るのであった。また、それを見た者は誰もいなかった。
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