宝かごみかは、君しだい

七草すずめ

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しろくま書店

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 しろくま書店がやってくる
 ふるーい雑誌をもってくる

 ぼろぼろコロコロコミックと
 なくした小学四年生
 やらずに棄てたチャレンジに
 笑顔がまぶしいセブンティーン

 二度と取り寄せられないけれど
 心のどこかに今もある
 ふるーい雑誌をこっそりもってる
 しろくま書店をまっている


   *


 ポコとカニまる。十数年ぶりに彼らを思い出した瞬間は、驚きを通り越してショックだった。進研ゼミのキャラクターであるたぬきとカニは、確かにわたしの友達だったのに。
 小学一年生で進研ゼミを始めたら、ポコとカニまるのしゃべる目覚まし時計がついてきた。ポコのお腹が時計になっていて、その中にカニまるが描かれている時計。
「おはよう、さあ、朝だよ、起きて、起きて」
「今日も一日、がんばろうね」
 いつも明るい声で起こしてくれる二人に、わたしは毎晩「おやすみポコおやすみカニまる」と声をかけていたし、たぶん彼らも返事をしてくれていたはずだった。
 一年後、赤いランドセルの妖精コラショが彗星のように現れても、二年生になったからキャラクターが変わったのだろうと、なにも疑っていなかった。その年、ポコとカニまるは引退したのだった。
 それから二十年近く。ポコとカニまるがいつのまに記憶からこぼれ落ちてしまったのか、さっぱりわからない。だけど小さなきっかけで思い出すことがなければ、今も二人は記憶の海に沈んでいたのだ。そんなかなしいことがあるだろうか。
 いったいそんな本が、うたが、言葉が、記憶の海にいくつ沈んでいるんだろう。心の中の、遠い遠いところに今もこっそり住んでいるともだちが、ふとした瞬間に会いにきてくれたらいい。そんなときを待ちわびている。
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