宝かごみかは、君しだい

七草すずめ

文字の大きさ
28 / 51

氷食症

しおりを挟む
 がりがりがりがりごりごりぼりぼり
 いつしかわたしは氷食症

 あの日のデートのあのときみたいに
 オレンジジュースの氷をながめて
 きれい、と言葉を零したいけど

 今のわたしはがりがりごりぼり
 製氷皿ごと食べてしまう

 心も体もさむくて凍るわ
 ばあか、と笑って氷をとかして

   *

 気付くと髪を触っている。肩甲骨の下まである長さなので、手元に引き寄せるには十分だ。指で梳かしたり、意味なくさわったり。
 髪を頻繁にいじる人は、寂しくて安心したいあまえんぼさん。と何かの雑誌に書いてあったよ。と誰かが話していたのを聞いて、わあこわい、と思った。
 どうやら癖には、無意識に性格や思いが出るらしい。たとえ自分があまえたいと思っていることに気付いていなくても、行動として表れてしまうということだ。建前で生きているくせに、行動で「さみしがりです!」なんて本音を主張してしまうなんて、人間っておもしろいしちょっとかわいい。
 じゃあ何がこわいのか。それが他人事じゃなくなったときだ。わたしが髪をいじっているのを見た人が「あ、寂しい人だ」と思うかもしれない。それってこわいし死ぬほど恥ずかしい。だってほんとに寂しがりやだから。
 氷を噛む人は欲求不満だと聞いたことがある。本当だろうか。調べたら全く根拠のない話らしい。というか、そもそもそんなことを書いてあるページがほぼ引っかからず、そっちに驚いた。わたしが知っている「氷を噛む人は欲求不満」の話はどこから来たのか。
 おそらく、「ストローを噛む人は欲求不満」と混ざったのだと思う。が、調べたらそれも間違いでまたびっくりした。「ストローを噛む人は甘えたがり」だった。全然ちがう。
 癖で人を決めつけるのはリスキーだなあ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

黄泉津役所

浅井 ことは
キャラ文芸
高校入学を機にアルバイトを始めようと面接に行った井筒丈史。 だが行った先は普通の役所のようで普通ではない役所。 一度はアルバイトを断るものの、結局働くことに。 ただの役所でそうではなさそうなお役所バイト。 一体何をさせられるのか……

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

島猫たちのエピソード2025

BIRD
エッセイ・ノンフィクション
「Cat nursery Larimar 」は、ひとりでは生きられない仔猫を預かり、保護者&お世話ボランティア達が協力して育てて里親の元へ送り出す「仔猫の保育所」です。 石垣島は野良猫がとても多い島。 2021年2月22日に設立した保護団体【Cat nursery Larimar(通称ラリマー)】は、自宅では出来ない保護活動を、施設にスペースを借りて頑張るボランティアの集まりです。 「保護して下さい」と言うだけなら、誰にでも出来ます。 でもそれは丸投げで、猫のために何かした内には入りません。 もっと踏み込んで、その猫の医療費やゴハン代などを負担出来る人、譲渡会を手伝える人からの依頼のみ受け付けています。 本作は、ラリマーの保護活動や、石垣島の猫ボランティアについて書いた作品です。 スコア収益は、保護猫たちのゴハンやオヤツの購入に使っています。

新しい家族は保護犬きーちゃん

ゆきむらさり
エッセイ・ノンフィクション
〔あらすじ〕📝🐶初めて保護犬ちゃんを迎え入れる我が家。 過去の哀しい実情のせいで人間不信で怯える保護犬きーちゃん。 初日から試行錯誤の日々と保護犬きーちゃん がもたらす至福の日々。 ◇ ✴️保護犬ちゃん達の過去・現在の実情の記述もあります🐾 ✴️日々の些細な出来事を綴っています。現在進行形のお話となります🐾 ✴️🐶挿絵画像入りです。 ✴️拙いエッセイにもかかわらず、HOTランキングに入れて頂き(2025.7.1、最高位31位)ありがとうございます🙇‍♀️

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

うわさの行方

下沢翠花(しもざわすいか)
恋愛
まだ十歳で結婚したセシリア。 すぐに戦場へ行ってしまった夫のニールスは優しい人だった。 戦場から帰るまでは。 三年ぶりにあったニールスは、なぜかセシリアを遠ざける。 ニールスの素っ気ない態度に傷つき疲弊していくセシリアは謂れのない酷い噂に追い詰められて行く。

処理中です...