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序章
2・初旅行と王都観光
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侯爵家で親切にしてもらっているとある日、奥様やお嬢様と一緒に王都へと出向くことになりました。
実家では3歳の誕生日の時には特にお祝いもなく、常に放任されてきた私自身も忘れていたけれど……奥様が独自のルートから私の誕生日を調べ上げて、そのプレゼントとして王都観光を手配してくださったみたいです。
本来であれば私が事前にお父様に許可を取る必要があったはずなのですが、侯爵家が私を借りるという名目で家に補助金という名のワイロを支払っていたようで、まとまった日数を自由にしていいという許可がいつの間にか出ていたのです……私がこれを聞いたのは帰ってきてからしばらくした後だったけどね。
侯爵領から王都へは馬車で純情に行くと5日(250KM)ほど、王妃様と奥様がお友達のようで王妃様に会うのも目的の一つなのだそうです。
迎えた出発の日は出発は6月の初めの日、森を超え川を渡り、大きな平原を通り抜け……お尻は大ダメージをけていました。
だってクッションもないしゴムタイヤでもないし、サスペンションもないし……時々奥様の膝に避難することもあったのですが、さすがの奥様も辛そうでした。
でも! 王都の外景が見えてくるとそんなお尻の悩みは吹っ飛んでしまいまったのです。
「ほえー! おっきいかべ!」
生前はアラサーどころかアラフォーなりかけだった私ですが、この4年間の幼女生活をおくってきた結果、すっかり精神は幼女退行してしまいました。
「うふふ、そうねぇとっても大きいわね、じゃあお利巧なリッカちゃん? なんで王都はあんなに大きな壁に囲まれているかおさらいできるかしら?」
「奥様、そりゃ無理ってものですよ、こんなちびっこですよ?」
御者のおじさんがカラカラと笑いながら言ってきました、失礼ですね。
「あら、そうかしら? それなら……リッカちゃん? 正解出来たら王都でなにか好きなものを買ってあげるわ、あと美味しいパフェのお店も連れて行ってあげるわね」
「ほんとう!? ぎょしゃのおっちゃんもなにかちょうだいね!」
「あん? 俺もか……まぁいいだろいいだろ、大したものはやれないかもだが相談には乗ってやるぜ、どうせ無理だしな」
フンス! っとポーズをとってから私は説明を始めました。
「いっぱんてきにははんらんのときにでてくるキングオーガのせのたかさをきじゅんにして、よゆうをもってばいのたかさでたてたんだよ!」
※一般的には氾濫の時に出てくるキングオーガ(15Mほど)の背の高さを基準にして余裕をもって倍の高さで建てた
「うんうん、そうね、歴史に残る一番大きかった魔物を基準で作っているわね」
「ほう……?」
「でもそれだけじゃないんだよ?」
御者のおっちゃんをもっと驚かせてやるとしますか。
「おうとのかべはね? いまのぎじゅちゅ(噛んだ)ではつくれないの! むかしいた『どわーふ』ってひとたちが『えるふ』ってひとたちとたてたんだよ」
「うふふ、さすが私の娘ねぇ」
「って娘ではないでしょう奥様……、つかこの嬢ちゃんは旧史も知ってんのかよ」
旧史とは歴史や古代史とは別の、一般教養としては伝えられていない、貴族以外には秘匿された歴史だ。
そしてドワーフを含む亜人種達は何故か現在は全く存在していないのです。
「あとね? このおーとのかべはまほーじんになっててね、おーとにすんでるひとのまりょくをつかって『たいふういんのまほーを、このたいりくにはってるんだよ?』
実家では3歳の誕生日の時には特にお祝いもなく、常に放任されてきた私自身も忘れていたけれど……奥様が独自のルートから私の誕生日を調べ上げて、そのプレゼントとして王都観光を手配してくださったみたいです。
本来であれば私が事前にお父様に許可を取る必要があったはずなのですが、侯爵家が私を借りるという名目で家に補助金という名のワイロを支払っていたようで、まとまった日数を自由にしていいという許可がいつの間にか出ていたのです……私がこれを聞いたのは帰ってきてからしばらくした後だったけどね。
侯爵領から王都へは馬車で純情に行くと5日(250KM)ほど、王妃様と奥様がお友達のようで王妃様に会うのも目的の一つなのだそうです。
迎えた出発の日は出発は6月の初めの日、森を超え川を渡り、大きな平原を通り抜け……お尻は大ダメージをけていました。
だってクッションもないしゴムタイヤでもないし、サスペンションもないし……時々奥様の膝に避難することもあったのですが、さすがの奥様も辛そうでした。
でも! 王都の外景が見えてくるとそんなお尻の悩みは吹っ飛んでしまいまったのです。
「ほえー! おっきいかべ!」
生前はアラサーどころかアラフォーなりかけだった私ですが、この4年間の幼女生活をおくってきた結果、すっかり精神は幼女退行してしまいました。
「うふふ、そうねぇとっても大きいわね、じゃあお利巧なリッカちゃん? なんで王都はあんなに大きな壁に囲まれているかおさらいできるかしら?」
「奥様、そりゃ無理ってものですよ、こんなちびっこですよ?」
御者のおじさんがカラカラと笑いながら言ってきました、失礼ですね。
「あら、そうかしら? それなら……リッカちゃん? 正解出来たら王都でなにか好きなものを買ってあげるわ、あと美味しいパフェのお店も連れて行ってあげるわね」
「ほんとう!? ぎょしゃのおっちゃんもなにかちょうだいね!」
「あん? 俺もか……まぁいいだろいいだろ、大したものはやれないかもだが相談には乗ってやるぜ、どうせ無理だしな」
フンス! っとポーズをとってから私は説明を始めました。
「いっぱんてきにははんらんのときにでてくるキングオーガのせのたかさをきじゅんにして、よゆうをもってばいのたかさでたてたんだよ!」
※一般的には氾濫の時に出てくるキングオーガ(15Mほど)の背の高さを基準にして余裕をもって倍の高さで建てた
「うんうん、そうね、歴史に残る一番大きかった魔物を基準で作っているわね」
「ほう……?」
「でもそれだけじゃないんだよ?」
御者のおっちゃんをもっと驚かせてやるとしますか。
「おうとのかべはね? いまのぎじゅちゅ(噛んだ)ではつくれないの! むかしいた『どわーふ』ってひとたちが『えるふ』ってひとたちとたてたんだよ」
「うふふ、さすが私の娘ねぇ」
「って娘ではないでしょう奥様……、つかこの嬢ちゃんは旧史も知ってんのかよ」
旧史とは歴史や古代史とは別の、一般教養としては伝えられていない、貴族以外には秘匿された歴史だ。
そしてドワーフを含む亜人種達は何故か現在は全く存在していないのです。
「あとね? このおーとのかべはまほーじんになっててね、おーとにすんでるひとのまりょくをつかって『たいふういんのまほーを、このたいりくにはってるんだよ?』
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