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序章
3・パフェと隠し図書
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「あとね? このおーとのかべはまほーじんになっててね、おーとにすんでるひとのまりょくをつかって『たいふういんのまほーを、このたいりくにはってるんだよ』
※後ね? この王都の壁は魔法陣になっててね、王都に住んでる人の魔力を使って『耐封印』の魔法を、この大陸に張ってるんだよ
「リッカちゃん? そのお話は誰から? それとも本から?」
「ほんだよ」
「そんな本が家にあったかしら?」
「うん! おうちにあるほんはね? じゅんばんにひきぬくとほんだながうごくんだよ、そのさきの『エスタローチェ』っていうひとがかいたみたいなんだよ」
「ふーん、そうだったのね、帰ったら私にも見せて頂戴ね? それじゃ月のウサギ亭でパフェを頂きましょうねー」
「うん!」
「御者のおっちゃんさんもそれでいい、わね?」
「へ? へぇ」
季節のフルーツやアイスがカップに盛り付けられ、その頂に兎カットされたリンゴが乗せられる、これが月のウサギ亭一番人気のメニューらしいです。
「おー! うさぎだ!」
「今日のリンゴは酸味控えめのメリーアップルみたいね」
「俺のほうはスナックアップルだぜ」
「ほえ? おなじメニューでもちがうりんごなの?」
「そうなのよ、ここのオーナーさんはなぜかお客さんの今日の希望の通りのリンゴを出してくれるのよ」
「王都下町七不思議の一つだよな」
「ふーん、あのおひげさんがオーナーさん?」
「そうね、あの立派なおひげを生やしたおじさんがそうよ」
「あのね? おみせにはいったときあのおじさんのおめめがなんだかひかってたんだよ」
「ほう?」
「今日はリッカちゃんの新しい一面をたくさんみられて楽しいわね、ね? ディル」
「新しい面っつうか……まぁいいか今はそれで」
「うふふ、リッカちゃん? 美味しかった?」
「うん!」
◇ ◇
「ねぇディル、うちの禁書は古代ルーンで書かれてるのよ」
「だよなぁ、どうなってんだ?」
「実はあの子……辞書も見せたこともない言葉も理解してたことがあるのよ……さすがに発音まではできなかったけれど」
「まじかよ、なんつーか規格外だな、それに『魔力視』もできそうな感じだよな」
「そうねぇ……でもとっても可愛い私の娘よ、大事に育てるわよ研究機関になんて送らせないわ」
「おなたの娘じゃないでしょうに、それにしても『耐封印』のことを知る幼女ですか……、三公五候しか知らないこの言葉を知ってしまったんだ、とりあえずこの国で見守りながらゆっくり見ていきましょうかね」
※後ね? この王都の壁は魔法陣になっててね、王都に住んでる人の魔力を使って『耐封印』の魔法を、この大陸に張ってるんだよ
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「そんな本が家にあったかしら?」
「うん! おうちにあるほんはね? じゅんばんにひきぬくとほんだながうごくんだよ、そのさきの『エスタローチェ』っていうひとがかいたみたいなんだよ」
「ふーん、そうだったのね、帰ったら私にも見せて頂戴ね? それじゃ月のウサギ亭でパフェを頂きましょうねー」
「うん!」
「御者のおっちゃんさんもそれでいい、わね?」
「へ? へぇ」
季節のフルーツやアイスがカップに盛り付けられ、その頂に兎カットされたリンゴが乗せられる、これが月のウサギ亭一番人気のメニューらしいです。
「おー! うさぎだ!」
「今日のリンゴは酸味控えめのメリーアップルみたいね」
「俺のほうはスナックアップルだぜ」
「ほえ? おなじメニューでもちがうりんごなの?」
「そうなのよ、ここのオーナーさんはなぜかお客さんの今日の希望の通りのリンゴを出してくれるのよ」
「王都下町七不思議の一つだよな」
「ふーん、あのおひげさんがオーナーさん?」
「そうね、あの立派なおひげを生やしたおじさんがそうよ」
「あのね? おみせにはいったときあのおじさんのおめめがなんだかひかってたんだよ」
「ほう?」
「今日はリッカちゃんの新しい一面をたくさんみられて楽しいわね、ね? ディル」
「新しい面っつうか……まぁいいか今はそれで」
「うふふ、リッカちゃん? 美味しかった?」
「うん!」
◇ ◇
「ねぇディル、うちの禁書は古代ルーンで書かれてるのよ」
「だよなぁ、どうなってんだ?」
「実はあの子……辞書も見せたこともない言葉も理解してたことがあるのよ……さすがに発音まではできなかったけれど」
「まじかよ、なんつーか規格外だな、それに『魔力視』もできそうな感じだよな」
「そうねぇ……でもとっても可愛い私の娘よ、大事に育てるわよ研究機関になんて送らせないわ」
「おなたの娘じゃないでしょうに、それにしても『耐封印』のことを知る幼女ですか……、三公五候しか知らないこの言葉を知ってしまったんだ、とりあえずこの国で見守りながらゆっくり見ていきましょうかね」
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