その令嬢、商会長につき

かぼす

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第2章:魔道具変革

15・王族と忌子

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「え? 銀髪レンジャー?」

「……なによそれ」

 よく見ると目の前の子は男の子じゃなかった! 女の子だ……あたりまえか、女子寮だし。

 でも……顔のパーツが同じ、雰囲気も似ていて……となると。

「もしかして銀髪レンジャーと双子?!」
「れんじゃーというのはわからないけど、たぶん同じ人物のことを考えているわね、わたしとアレは双子よ、それでれんじゃーっていうのは?」
「あぁ、えっとね徒党を組んで悪い奴らを懲らしめる人?」
「なんで疑問形なのよ、でもそうね悪い奴を懲らしめてるかは置いておいてあの5人が徒党を組んでるというのは間違ってはいないわね……それで、あなたは今日答辞をしていた子……ボービン令嬢だったかしら?」
「はい、そうですねあなたは?」
「……っ!? 知らないの?」
「はい、まったく」
「……私たちは双子なのよ? しかもそれが同室なのよ?」
「それが?」
「忌子なのよ?」
「忌子ってなんですか?」

 ぽかーんとされてしまった。

「双子は忌子、呪われた存在なのよ」
「なんですかそれ、どんな理屈ですか」
「子を同時に複数生むのは畜生と同じと言われているわ、私の母もそれでふさぎ込んでしまったのよ、二人合わせてようやく一人前の欠陥品だもの」
「なんて古臭い……私なら幸せが同時に2個降って湧いたって思うなぁ……あ、でも生活費が一気に苦しくなるのかも……」
「そういう考えがあるのはありがたいのだけれど……、はぁ、なんだかあなたを見てると辛気臭くなってるのがばかばかしく思えてきたわよ、改めて自己紹介するわ、私は第四王女『アイル・ベテルギウス』、第六王子の『カイル・ベテルギウス』の双子の姉よ」
「へぇぇ……王女様かぁ……って、はい?」
「いつもライがお世話になっているそうね?」
「ライ? なんで王女様が冒険者のことを?」
「私の兄だもの、『ラインハルト・ベテルギウス』この国の第五王子よ」

 なんという怒涛の王族登場……ライって王族だったのか。

「あれ? それならなんで王族の……アイル殿下が第二学園に?」
「それも簡単、忌子だから、それだけよ、あと……同室になるのだから殿下はやめて? アイルでいいわ、私も勝手にリッカって呼ぶから」
「えぇぇ、殿……じゃなくてアイル様、来年一緒に第一学園に行きましょう、銀髪レンジャーもいっしょに」
「無理ね」
「なんでですか!」
「忌子だから」
「成績上位なら移籍できるはずじゃないですか?!」
「忌子にはそれが適用されないの、なにか歴史に残る功績とかがあったらその論功で例外的に移籍することもあるみたいだけど、そんなもの現実的には不可能だもの」
「それでも! 何とかして見せる! 納得できないもん!」

 っと言っても今は完全にノープラン、でもやってやろうじゃないの!
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