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第2章:魔道具変革
16・初授業と悪意
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翌日の初めての授業は自己紹介から始まった、名前順とかではなく、自由に座れる席の前列から順番に始まった。
普通に貴族の令息、令嬢、時々大きな商会の名前が聞こえてきて、大体10番目くらいのとき、私の番になった。
「ボービン男爵家の六女、リッカ・ボービンです! よろしくお願いします」
まばらな拍手が聞こえて次は隣の席のアイル様。
「ベテルギウス王家の4女アイル・ベテルギウスで御座います、宜しく」
まばらな拍手が……起きない?
『獣が同じクラスかよ』
『あれが暴走姫だよな』
『汚らわしい』
『半分姫ってあだ名もあるよな』
むか……。
パチパチパチパチ。
私一人でも拍手だ。
パチパチパチパチ。
私一人拍手をし続けている状態だ……それにしびれを切らしたのか担任が口を開いた。
「リッカさん? 拍手はもういいのではないかしら」
「なぜですか?」
「次の人に進めないじゃないの」
「進む必要はないじゃないですか、王女殿下の自己紹介が終わっても私以外誰も歓迎の拍手をしなかったのです、もう一度王女殿下に同じ言葉を繰り返していただくのは忍びなかったので、まだ拍手をし続けて歓迎の意を表明する時間は残っていますと伝えたつもりだったんですが……伝わりませんでしたか?」
パチパチパチパチ……私は拍手を続ける。
「そうだな、お前らも私の言葉がなくても行動していいのだ、私への意見も学園の場では止めん」
なんと銀髪レンジャーが助け舟を出してくれたっぽい? ……そして。
銀髪レンジャーを含めた戦隊ヒーロー5人が拍手をし始めたのだ。
そういえば……なんで同じ忌子なのにカイル殿下には取り巻きみたいなのがいて、アイル殿下にはいないんだろう?
「リッカ? 今はこれでいいわ、あとで気になってると思うところは教えるから」
そう本人に言われてしまってはこれ以上他人が講義を続けて授業の妨げはよくない、私は拍手を止め、おとなしく席に着く……全員が自己紹介を進め、次の授業の説明をされたタイミングで授業は解散となってしまった。
「次の魔道具取り扱いの授業で分かるわ……」
そう言って立ち去ったアイル殿下の顔は、やっぱりどこか寂しそうだった。
普通に貴族の令息、令嬢、時々大きな商会の名前が聞こえてきて、大体10番目くらいのとき、私の番になった。
「ボービン男爵家の六女、リッカ・ボービンです! よろしくお願いします」
まばらな拍手が聞こえて次は隣の席のアイル様。
「ベテルギウス王家の4女アイル・ベテルギウスで御座います、宜しく」
まばらな拍手が……起きない?
『獣が同じクラスかよ』
『あれが暴走姫だよな』
『汚らわしい』
『半分姫ってあだ名もあるよな』
むか……。
パチパチパチパチ。
私一人でも拍手だ。
パチパチパチパチ。
私一人拍手をし続けている状態だ……それにしびれを切らしたのか担任が口を開いた。
「リッカさん? 拍手はもういいのではないかしら」
「なぜですか?」
「次の人に進めないじゃないの」
「進む必要はないじゃないですか、王女殿下の自己紹介が終わっても私以外誰も歓迎の拍手をしなかったのです、もう一度王女殿下に同じ言葉を繰り返していただくのは忍びなかったので、まだ拍手をし続けて歓迎の意を表明する時間は残っていますと伝えたつもりだったんですが……伝わりませんでしたか?」
パチパチパチパチ……私は拍手を続ける。
「そうだな、お前らも私の言葉がなくても行動していいのだ、私への意見も学園の場では止めん」
なんと銀髪レンジャーが助け舟を出してくれたっぽい? ……そして。
銀髪レンジャーを含めた戦隊ヒーロー5人が拍手をし始めたのだ。
そういえば……なんで同じ忌子なのにカイル殿下には取り巻きみたいなのがいて、アイル殿下にはいないんだろう?
「リッカ? 今はこれでいいわ、あとで気になってると思うところは教えるから」
そう本人に言われてしまってはこれ以上他人が講義を続けて授業の妨げはよくない、私は拍手を止め、おとなしく席に着く……全員が自己紹介を進め、次の授業の説明をされたタイミングで授業は解散となってしまった。
「次の魔道具取り扱いの授業で分かるわ……」
そう言って立ち去ったアイル殿下の顔は、やっぱりどこか寂しそうだった。
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