その令嬢、商会長につき

かぼす

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第2章:魔道具変革

22・旧時代と新時代の胎動

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 激震――、訓練場で忌子のアイル殿下とカイル殿下がそろって魔道具を使用した。

 大勢にみられていた景況もあり、このニュースは学園や貴族街、当然王城にまで届くのにそう時間はかからなかった。

 もちろん、立場によってその反応は様々だ。


「奥様……今日このような話が耳に入ってきたのですが――」
「あの子たちが魔道具を!? よかった……本当に……」


「何? 殿下達が魔道具を一人で使っただと?」
「そのようです……」
「その魔道具はどういうものだった?」
「魔道具Iで使用する光の魔道具だったそうです」
「どういうからくりだ?」
「監視の者の報告では何やら殿下らのクラスメイトと思われる少女が近くでいろいろとしていたようです」
「……いちおう監視をつけておけ」


「陛下、すでにお耳に届いているアイル殿下、カイル殿下についてですが、情報がつかめました」
「ほう? 話せ」
「陛下の予想通りでございます、パール商会の店主『リッカ・ボービン』が殿下と共に行動し、未知の手段で殿下たちの道を切り開いたのです」
「ふむ……、ボービン令嬢……いや女男爵を招聘せよ、あとは初等から高等までの魔道具にかかわる教師陣や学者もだ、他に呼ぶべき人選はお前に任せる、いざとなれば学校は……いいな?」
「承知いたしました」


「ディル! 聞いた? リッカがまた凄い事したみたいよ」
「あの嬢ちゃんがすごいのは今に始まったことじゃないでしょうに」
「それでね、関係者とかいろんな人が明日お城に呼ばれてるの、もちろん私もね? ディルも行く?」
「行かん! そんなとこもう行きたくない」
「うふふ、やっぱりね」

 ◇ ◇

 カイル殿下と別れてアイルと寮に戻って食堂でご飯を食べていると、突然私とアイルを呼ぶ声が聞こえてきた。

 なんでも王城からの使いで話をしたいのだが女子寮のため現在入り口で待っていてもらっているらしい。

「なんだろう?」
「おおよそ予想はつくわ……たぶんカイルのところにも行ってると思う」

 そして入り口につくと騎士っぽい人がいた。

「ア、アイル殿下ご足労ありがとうございます、お、お隣の方はボーデン令嬢でよろしいでしょうか?」

 なんか緊張してるな、この騎士さん。

「よろしいです」
「よろしいみたいよ」

 苦笑いの騎士さん、ちょっとかわいいかも。

「失礼いたしました、では王命を預かっておりますので伝えさせていただきます」
「おーめー?」
「王命、私たちのお父さん……つまり国王陛下の命令ってこと」
「おー!」
「ふざけないの」
「おぅ……」

「では……『アイル殿下及び、ボービン女男爵両名は明日正午までに登城し、案内に従って行動せよ』、以上になります、よろしいでしょうか?」

「大丈夫、下がっていいわ」


「はぁ……お城かぁ」
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