その令嬢、商会長につき

かぼす

文字の大きさ
22 / 27
第2章:魔道具変革

22・旧時代と新時代の胎動

しおりを挟む
 激震――、訓練場で忌子のアイル殿下とカイル殿下がそろって魔道具を使用した。

 大勢にみられていた景況もあり、このニュースは学園や貴族街、当然王城にまで届くのにそう時間はかからなかった。

 もちろん、立場によってその反応は様々だ。


「奥様……今日このような話が耳に入ってきたのですが――」
「あの子たちが魔道具を!? よかった……本当に……」


「何? 殿下達が魔道具を一人で使っただと?」
「そのようです……」
「その魔道具はどういうものだった?」
「魔道具Iで使用する光の魔道具だったそうです」
「どういうからくりだ?」
「監視の者の報告では何やら殿下らのクラスメイトと思われる少女が近くでいろいろとしていたようです」
「……いちおう監視をつけておけ」


「陛下、すでにお耳に届いているアイル殿下、カイル殿下についてですが、情報がつかめました」
「ほう? 話せ」
「陛下の予想通りでございます、パール商会の店主『リッカ・ボービン』が殿下と共に行動し、未知の手段で殿下たちの道を切り開いたのです」
「ふむ……、ボービン令嬢……いや女男爵を招聘せよ、あとは初等から高等までの魔道具にかかわる教師陣や学者もだ、他に呼ぶべき人選はお前に任せる、いざとなれば学校は……いいな?」
「承知いたしました」


「ディル! 聞いた? リッカがまた凄い事したみたいよ」
「あの嬢ちゃんがすごいのは今に始まったことじゃないでしょうに」
「それでね、関係者とかいろんな人が明日お城に呼ばれてるの、もちろん私もね? ディルも行く?」
「行かん! そんなとこもう行きたくない」
「うふふ、やっぱりね」

 ◇ ◇

 カイル殿下と別れてアイルと寮に戻って食堂でご飯を食べていると、突然私とアイルを呼ぶ声が聞こえてきた。

 なんでも王城からの使いで話をしたいのだが女子寮のため現在入り口で待っていてもらっているらしい。

「なんだろう?」
「おおよそ予想はつくわ……たぶんカイルのところにも行ってると思う」

 そして入り口につくと騎士っぽい人がいた。

「ア、アイル殿下ご足労ありがとうございます、お、お隣の方はボーデン令嬢でよろしいでしょうか?」

 なんか緊張してるな、この騎士さん。

「よろしいです」
「よろしいみたいよ」

 苦笑いの騎士さん、ちょっとかわいいかも。

「失礼いたしました、では王命を預かっておりますので伝えさせていただきます」
「おーめー?」
「王命、私たちのお父さん……つまり国王陛下の命令ってこと」
「おー!」
「ふざけないの」
「おぅ……」

「では……『アイル殿下及び、ボービン女男爵両名は明日正午までに登城し、案内に従って行動せよ』、以上になります、よろしいでしょうか?」

「大丈夫、下がっていいわ」


「はぁ……お城かぁ」
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

転生したら没落寸前だったので、お弁当屋さんになろうと思います。

皐月めい
恋愛
「婚約を破棄してほしい」 そう言われた瞬間、前世の記憶を思い出した私。 前世社畜だった私は伯爵令嬢に生まれ変わったラッキーガール……と思いきや。 父が亡くなり、母は倒れて、我が伯爵家にはとんでもない借金が残され、一年後には爵位も取り消し、七年婚約していた婚約者から婚約まで破棄された。最悪だよ。 使用人は解雇し、平民になる準備を始めようとしたのだけれど。 え、塊肉を切るところから料理が始まるとか正気ですか……? その上デリバリーとテイクアウトがない世界で生きていける自信がないんだけど……この国のズボラはどうしてるの……? あ、お弁当屋さんを作ればいいんだ! 能天気な転生令嬢が、自分の騎士とお弁当屋さんを立ち上げて幸せになるまでの話です。

異世界に転生してチートを貰ったけど、家族にハメられて敵国の捕虜になったら敵国の王子に求婚されました。

naturalsoft
恋愛
私は念願の異世界転生でチートをもらって旅立った。チートの内容は、家事、芸術、武芸などほぼ全ての能力がそつなくプロレベルに、こなせる万能能力だった。 しかし、何でも1人でやってしまうため、家族に疎まれて殺されそうになりました。そして敵国の捕虜になったところで、向こうの様子がおかしくて・・・? これは1人で何でもこなしていた弊害で国が滅ぶ寸前までいったお話です。

私、お母様の言うとおりにお見合いをしただけですわ。

いさき遊雨
恋愛
お母様にお見合いの定石?を教わり、初めてのお見合いに臨んだ私にその方は言いました。 「僕には想い合う相手いる!」 初めてのお見合いのお相手には、真実に愛する人がいるそうです。 小説家になろうさまにも登録しています。

断罪現場に遭遇したので悪役令嬢を擁護してみました

ララ
恋愛
3話完結です。 大好きなゲーム世界のモブですらない人に転生した主人公。 それでも直接この目でゲームの世界を見たくてゲームの舞台に留学する。 そこで見たのはまさにゲームの世界。 主人公も攻略対象も悪役令嬢も揃っている。 そしてゲームは終盤へ。 最後のイベントといえば断罪。 悪役令嬢が断罪されてハッピーエンド。 でもおかしいじゃない? このゲームは悪役令嬢が大したこともしていないのに断罪されてしまう。 ゲームとしてなら多少無理のある設定でも楽しめたけど現実でもこうなるとねぇ。 納得いかない。 それなら私が悪役令嬢を擁護してもいいかしら?

モブ転生とはこんなもの

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
あたしはナナ。貧乏伯爵令嬢で転生者です。 乙女ゲームのプロローグで死んじゃうモブに転生したけど、奇跡的に助かったおかげで現在元気で幸せです。 今ゲームのラスト近くの婚約破棄の現場にいるんだけど、なんだか様子がおかしいの。 いったいどうしたらいいのかしら……。 現在筆者の時間的かつ体力的に感想などを受け付けない設定にしております。 どうぞよろしくお願いいたします。 他サイトでも公開しています。

転生後はゆっくりと

衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。 日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。 そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。 でも、リリは悲観しない。 前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。 目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。 全25話(予定)

完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました

らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。 そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。 しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような… 完結決定済み

処理中です...