その令嬢、商会長につき

かぼす

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第2章:魔道具変革

25・謁見といきなり真魔道具学II

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「陛下、続きです……」
「え?、そうだった! リッカちゃん、今までの平面な魔道具の『伝搬式魔動学』は理解したよ、それで先月聞いた魔法陣を重ねる『積重せきじゅう式魔道学』だっけ? これどういう理屈なの? 僕も試してみたいんだけど安全性が証明できないと煩いオジサンたちに止められて試させてもらえなくてさ」

 公的な場所だからリッカちゃんじゃなくてボービン令嬢とか呼んでほしい……。

「あれですか……別に名前分けるほどのことじゃないですよ? 筒に普通の魔法陣と同じように書くだけでいいんです、魔素というか、魔力の発生したほうを中心として考えてその次の円が外の円になるみたいな」
「ふうん? ねぇ宰相君、これのどこが危険なの? 昨日はアイルの腕にそれっぽいのが書かれてたみたいなんだけどさぁ」
「我々は検証できていないので、そしてリッカ嬢本人ならいろいろと検証済みでしょう?」
「そうなの? リッちゃん」
「リッカです……」

 ボービン令嬢って呼んでもらうのはもうあきらめた。

「ぶぅ……リッカちゃん」
「爆発を何回か起こしましたね、主に魔力の逆流で」
「どのような理屈です?」

 質問をしてきたのは宰相さんだ、立派なお鬚をさすっている。

「魔力……じゃないな、魔素はたくさんあるところから、あまりない方に流れます、レプリカ魔道具の誤作動の記録からもそれは把握してると思うんですが……」
「うむ、そうだな」
「突然火が出る事件は防ぎようがなくて困ったものだった」
「あれかぁ、寝てるときにいきなり光の魔道具が光って寝不足になったよねぇ」
「ともかくですね、魔素の逆流を防ぐ弁を魔道具に組み入れるとそれは防げるんです、アイルに書いたのは魔力の抵抗をするだけの簡単なのだから弁はしてないけど、書いたのは抵抗だからある程度は大丈夫かな」

「うん、大体理解したよリッカちゃん……つまり体に魔法陣を書けば体を魔道具として使えるんだよね? 重なってるように見えて実は普通の魔法陣と同じ感じなんだね――動力は魔石じゃなくて体内魔力ってだけかな……」

「うん、これを真魔道具学IIって命名してなるはやで王国に広めようか」
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