赤い糸の約束 どこからだって君を見つける 〜イケメン御曹司に見初められたみたいです。〜 

中川四角

文字の大きさ
11 / 35

愛とか自由とか

しおりを挟む
 紫子とアントワーヌは、16歳にして欲しいのもは殆ど手に入れていた。それは生まれつきの美貌と地頭の良さも含めてだ。将来も約束されており、少しくらいバカな事をしても親が全てもみ消してくれる。

しかし、小さい頃から両親よりお世話係といる方が多い。父親は多忙で、母も家にあまりいない。

誰かを好きになってもこの先、結婚となれば、家柄が釣り合うかどうかなどの問題が起きてくる。水鳥川家を敵に回しても自分を愛してくれる人などいるのたろうか?と、紫子は思う。


何もない所から努力して我慢してやっと手にするような幸せを味わった事も無い。

常に取巻きのような友人達に、ちやほやされていて、
誰が本当の友達なのかもわからなくなる時がある。それでも、似たような境遇のアントワーヌには、紫子も心を開いていた。

紫子は、月に手を伸ばして見る。掴めそうな白く明るい今夜の月。それは紫子にとって、自由と愛の象徴の様で、とても遠く感じていた。




「ああ、悔しい。」

「どうなさったの?」

「だって、今夜は七宮様をあの人に独占されてしまったようなものなんですもの。」

「私も悔しい。でも変にいじわるでもして、それが七宮様の耳に入っても困るし。」

「それにあのドレス。plus belle は、手に入れるもの困難なはず。羨ましいわ。」

「私も欲しい。」

「でも、七宮様は特定の女性とは付き合わないから、一時の気まぐれよ。」

「それに私達ファンの事も大切にしてくれてるじゃない。」

「そうよね。」

そうは言ったものの、楽しみにしていたパーティーに来て、七宮十斗と会話が出来ないのは彼女達には辛かった。
彼女達は黙ってしまった。

「あれ?君たち、もしかして僕の話ししてた?」

七宮十斗だった。

「いつも応援してくれてありがとう。今夜、遅い時間になるけどJAZZのバンドのメンバーで、ちょこっと飲むから、君達も来る?」

「えっ?良いんですか?」

「ピアノの彼に、リムジンで送ってもらって。彼に言っておくから。僕は少し遅れて行く。その時ゆっくり話そう。今日のステージの感想も聞きたいから。」

「うわ~嬉しい。」

「飲み会が終わったら、僕と湖の近くのいつものカフェも行こうか?じゃ、後でね。」

十斗は、かなり美しい青年だが、気取ったところがなく気さくだ。いつもこんな感じで人付き合いも大切にしている。

「あっ、紫子さん、岸くん。」

十斗は、テラス席に2人を見つけて声をかけた。

「今宵はお招きありがとう御座いました。」

「素敵な演奏でしたわ。またいらして、女子が喜ぶから。それと、plus belleのデザイナーとお知り合いなの?」

「あー、それは企業秘密と言う事で。」

「そうね、表に出てこないデザイナーさんですものね。そうそう、今日のデザート、シェフの自信作なの。是非食べて行ってください。」

「ありがとう御座います。では、失礼します。」

「アントワーヌ、あの人どうして、いつも楽しそうなのかしら?私たちとさして変わらない境遇だと思うけど。」

「うん、大人なのに無邪気で天真爛漫というか。」




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

繰り返す夜と嘘 〜【実録】既婚の僕と後輩の彼女、あの夜のキスから始まった13年の秘密〜

まさき
恋愛
結婚して半年の僕と、同じ職場の彼女。 出会った頃は、ただの先輩と新入社員だった。   互いに意識しながらも、 数年間、距離を保ち続けた。   ただ見つめるだけの関係。   けれど――   ある夏の夜。 納涼会の帰り道。   僕が彼女の手を握った瞬間、 すべてが変わった。   これは恋でも、友情でもない。   けれど理性では止められない、 名前のない関係。   13年続いた秘密。 誓約書。 そして、5年の沈黙。   これは――   実際にあった「夜」の記録。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

Sランクの年下旦那様は如何でしょうか?

キミノ
恋愛
 職場と自宅を往復するだけの枯れた生活を送っていた白石亜子(27)は、 帰宅途中に見知らぬイケメンの大谷匠に求婚される。  二日酔いで目覚めた亜子は、記憶の無いまま彼の妻になっていた。  彼は日本でもトップの大企業の御曹司で・・・。  無邪気に笑ったと思えば、大人の色気で翻弄してくる匠。戸惑いながらもお互いを知り、仲を深める日々を過ごしていた。 このまま、私は彼と生きていくんだ。 そう思っていた。 彼の心に住み付いて離れない存在を知るまでは。 「どうしようもなく好きだった人がいたんだ」  報われない想いを隠し切れない背中を見て、私はどうしたらいいの?  代わりでもいい。  それでも一緒にいられるなら。  そう思っていたけれど、そう思っていたかったけれど。  Sランクの年下旦那様に本気で愛されたいの。 ――――――――――――――― ページを捲ってみてください。 貴女の心にズンとくる重い愛を届けます。 【Sランクの男は如何でしょうか?】シリーズの匠編です。

イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる(イケメンエリートシリーズ第四弾)

便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC” 謎多き噂の飛び交う外資系一流企業 日本内外のイケメンエリートが 集まる男のみの会社 そのイケメンエリート軍団のキャップ的存在 唯一の既婚者、中山トオルの意外なお話 中山加恋(20歳) 二十歳でトオルの妻になる 何不自由ない新婚生活だが若さゆえ好奇心旺盛 中山トオル(32歳) 17歳の加恋に一目ぼれ 加恋の二十歳の誕生日に強引に結婚する 加恋を愛し過ぎるあまりたまに壊れる 会社では群を抜くほどの超エリートが、 愛してやまない加恋ちゃんに 振り回されたり落ち込まされたり… そんなイケメンエリートの ちょっと切なくて笑えるお話

私が素直になったとき……君の甘過ぎる溺愛が止まらない

朝陽七彩
恋愛
十五年ぶりに君に再開して。 止まっていた時が。 再び、動き出す―――。 *◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦* 衣川遥稀(いがわ はるき) 好きな人に素直になることができない 松尾聖志(まつお さとし) イケメンで人気者 *◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

処理中です...