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ヒロインになれる時間
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「先輩、私、男の患者さんから舐めるみたいに下から上まで見られて、セクハラみたいな事言われる時があるんです。本当にあれが嫌で。」
その後輩は、童顔の可愛い顔でスタイルがよく胸が大きくウエストは引き締まっている。
「そうなんだ。どの患者さん?」
「◯◯さんと、◯◯さんと、他にも何人か。」
「向こうは御病気だし、この病棟の人は自由に動けない人が多いから、それ以上は何かされる事も無いと思うから。」
後輩は明らかに不満そうだった。後輩が名前を出した患者さんは事には穏やかで気のいいおじさんとしか思えなかった。
「また何かあったら教えて。」
次の日、琴が更衣室に行くと誰かが泣いていて話し声が聞こえた。
泣いているのは昨日相談に来た、後輩だった。そして何人かの後輩が慰めていた。
「あなた可愛いから、男がちょっかい出したくなるんだよ。スタイルししいね。私たちも1年生の頃いやらしいおじさんが何人もいて困った。」
「芹沢先輩に相談してもさあ。なんて言うかセクハラ体験なさそうだからわからないかもね。」
「私たちが守るから、うまくやって行こう。大丈夫だよ。」
「はい。」
そんな会話が聞こえてきた。
一 泣くほど辛かったんだ。舐める様に見られるとか、確かにどれくらい嫌か実感としてはわからない。ごめんね、気づいてあげられなくて。
琴はしばらく更衣室に入れなかった。
それからの琴は、後輩の女の子とセクハラっぽいと名前が上がった患者のおじさん達との間にそれとなく入ったり、そういった患者さん達のケアを進んで申し出た。
ある日の帰り道、琴はふと思った。
一 私って、告られた事もないし、痴漢にもセクハラにも会ったことがない。まるで女性と見られてないのかも。男性にお世辞でも褒められたりもした事が⋯一度ある。
七宮さん⋯。
琴の足はあの喫茶店に向かっていた。
カラン カラン
「ああ、琴ちゃんいらっしゃい。」
「なんか来ちゃった。」
「どうぞ、どうぞ。」
「ブレンドコーヒーお願いします。」
「はいよー。ところで、琴ちゃんこの前のパーティーどうだった?」
「うん、お金持ちの世界を見学させて貰った感じかな。私、場違いな感じだったけど、七宮さんが一緒だったから楽しくて⋯たの⋯。」
琴は急に黙ってしまった。そして、おもむろに口を開いた。
「連絡先聞かれなかった。」
少し間があって、マスターが言った。
「あのさ、新しいピザ作ってるんだけど、琴ちゃん試食してみてくれる?」
「はい。」
琴はカバンの中から患者さんに貰った本を取り出した。
その本を開くと自分とヒロインを重ねあわせて、自分がヒロインになったような気になれるのだ。
この本のヒロインはデルフィン、子供の頃に負った腕と手の火傷が原因で積極的になれない。そんなデルフィンに祖母が優しくくり返す。
「魂の約束で、お前を愛してくれる人が必ず迎えにくるんだよ。」
その後輩は、童顔の可愛い顔でスタイルがよく胸が大きくウエストは引き締まっている。
「そうなんだ。どの患者さん?」
「◯◯さんと、◯◯さんと、他にも何人か。」
「向こうは御病気だし、この病棟の人は自由に動けない人が多いから、それ以上は何かされる事も無いと思うから。」
後輩は明らかに不満そうだった。後輩が名前を出した患者さんは事には穏やかで気のいいおじさんとしか思えなかった。
「また何かあったら教えて。」
次の日、琴が更衣室に行くと誰かが泣いていて話し声が聞こえた。
泣いているのは昨日相談に来た、後輩だった。そして何人かの後輩が慰めていた。
「あなた可愛いから、男がちょっかい出したくなるんだよ。スタイルししいね。私たちも1年生の頃いやらしいおじさんが何人もいて困った。」
「芹沢先輩に相談してもさあ。なんて言うかセクハラ体験なさそうだからわからないかもね。」
「私たちが守るから、うまくやって行こう。大丈夫だよ。」
「はい。」
そんな会話が聞こえてきた。
一 泣くほど辛かったんだ。舐める様に見られるとか、確かにどれくらい嫌か実感としてはわからない。ごめんね、気づいてあげられなくて。
琴はしばらく更衣室に入れなかった。
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七宮さん⋯。
琴の足はあの喫茶店に向かっていた。
カラン カラン
「ああ、琴ちゃんいらっしゃい。」
「なんか来ちゃった。」
「どうぞ、どうぞ。」
「ブレンドコーヒーお願いします。」
「はいよー。ところで、琴ちゃんこの前のパーティーどうだった?」
「うん、お金持ちの世界を見学させて貰った感じかな。私、場違いな感じだったけど、七宮さんが一緒だったから楽しくて⋯たの⋯。」
琴は急に黙ってしまった。そして、おもむろに口を開いた。
「連絡先聞かれなかった。」
少し間があって、マスターが言った。
「あのさ、新しいピザ作ってるんだけど、琴ちゃん試食してみてくれる?」
「はい。」
琴はカバンの中から患者さんに貰った本を取り出した。
その本を開くと自分とヒロインを重ねあわせて、自分がヒロインになったような気になれるのだ。
この本のヒロインはデルフィン、子供の頃に負った腕と手の火傷が原因で積極的になれない。そんなデルフィンに祖母が優しくくり返す。
「魂の約束で、お前を愛してくれる人が必ず迎えにくるんだよ。」
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