高貴なオメガは、ただ愛を囁かれたい【本編完結】

きど

文字の大きさ
12 / 85

第十二話

「あっ…やぁ」

「もうこんなになっているなんて、相変わらず敏感ですね」

アーシュの手がパンツに潜り込み、ゆるく勃ち上がったものを包む様に握られ声があがる。触れたこともない癖に僕の体を知っている様なことを言うアーシュは、偶然にも僕の弱いところばかりを的確に攻めてくる。

「はっ…もうっ…やめろっ」

「そんなこと言っても身体は素直に反応してますよ。王子にも、そんな顔をみせたのですか?」

「ぁっ、見せてないっ…」

「こんなに感じやすい淫乱な体なのに?」

王子の時とは違いアーシュから与えられる刺激に従順に反応し体は熱を帯びる。ゆるく握られたものも、完全に勃ちあがる。もしかしたら淫乱なのかもしれないが、誰でも彼でもに反応する訳ではないのに。アーシュに詰られ怒りと悲しみがごちゃ混ぜになった複雑な感情が爆発して、頭を思い切り持ち上げた。

「う"」

「いったぁ」

アーシュの顎と僕の額が見事にぶつかり、アーシュがうめき声をあげる。そのおかげで不埒な動きをしていたアーシュの手が止まる。そして僕も額に痛みがじんわり広がる。

「何をするんですか」

「それは、こっちのセリフだ!誰が触っていいと言った?しかも人を淫乱扱いして!」

静かに怒るアーシュを早口で捲くしたてると昂った感情がピークに達し涙がポロポロ溢れる。みっともない顔を見られたくなくて顔を背けようとすると、アーシュにそれを阻まれる。

「泣かせてすみません。あなたが他の男に触られたと思うと嫉妬で狂ってしまって。」

「ひっく…王子に、触られた時なんて…ふっ一切感じなくて悪寒がした。誰でもいい訳じゃない」

アーシュは困った顔をして僕をみつめる。アーシュの手で顔を固定され逃れる術のない僕は素直を気持ちを嗚咽を漏らしながら口走ってしまう。それを聞いたアーシュが破顔する。

か。本当に、可愛い。私の、私だけのヴィルム」

「やっ…名前…呼ぶな」

愛を囁く様な甘い声で呼ばれ、触れるだけのキスを何度もされる。それが心地よくて、抵抗らしい抵抗ができず憎まれ口を叩くくらいしかできない。

「分かってます。でも、今だけは許してください。」

「んっ…ふっ…はぁ」

憎まれ口ばかりを叩く僕の口を塞ぐ様に深いキスをされれば、口腔をかすめる感覚に夢中になってしまう。
アーシュが口を離すと僕の口からだらしなく唾液が漏れる。

「これ、もうキツイでしょう?触ってもいいですか?」

アーシュは僕をキツく抱きしめ、そのまま僕の中心を服の上から撫でる。答えは分かっているだろうに、わざと確認してくることに性格の悪さを感じる。でも、こんな男を嫌いになれない、いや、思い続ける心が揺り動かされ、それが言葉となって口をつく。

「もう苦しくてたまらない。だからもう楽にして」













感想 1

あなたにおすすめの小説

当たり前の幸せ

ヒイロ
BL
結婚4年目で別れを決意する。長い間愛があると思っていた結婚だったが嫌われてるとは気付かずいたから。すれ違いからのハッピーエンド。オメガバース。よくある話。 初投稿なので色々矛盾などご容赦を。 ゆっくり更新します。 すみません名前変えました。

溺愛オメガバース

暁 紅蓮
BL
Ωである呉羽皐月(クレハサツキ)と‪α‬である新垣翔(アラガキショウ)の運命の番の出会い物語。 高校1年入学式の時に運命の番である翔と目が合い、発情してしまう。それから番となり、‪α‬である翔はΩの皐月を溺愛していく。

アルファ王子に嫌われるための十の方法

小池 月
BL
攻め:アローラ国王太子アルファ「カロール」 受け:田舎伯爵家次男オメガ「リン・ジャルル」  アローラ国の田舎伯爵家次男リン・ジャルルは二十歳の男性オメガ。リンは幼馴染の恋人セレスがいる。セレスは隣領地の田舎子爵家次男で男性オメガ。恋人と言ってもオメガ同士でありデートするだけのプラトニックな関係。それでも互いに大切に思える関係であり、将来は二人で結婚するつもりでいた。  田舎だけれど何不自由なく幸せな生活を送っていたリンだが、突然、アローラ国王太子からの求婚状が届く。貴族の立場上、リンから断ることが出来ずに顔も知らないアルファ王子に嫁がなくてはならなくなる。リンは『アルファ王子に嫌われて王子側から婚約解消してもらえば、伯爵家に出戻ってセレスと幸せな結婚ができる!』と考え、セレスと共にアルファに嫌われるための作戦を必死で練り上げる。  セレスと涙の別れをし、王城で「アルファ王子に嫌われる作戦」を実行すべく奮闘するリンだがーー。 王太子α×伯爵家ΩのオメガバースBL ☆すれ違い・両想い・権力争いからの冤罪・絶望と愛・オメガの友情を描いたファンタジーBL☆ 性描写の入る話には※をつけます。 11月23日に完結いたしました!! 完結後のショート「セレスの結婚式」を載せていきたいと思っております。また、その後のお話として「番となる」と「リンが妃殿下になる」ストーリーを考えています。ぜひぜひ気長にお待ちいただけると嬉しいです!

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

運命の番は僕に振り向かない

ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。 それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。 オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。 ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。 ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。 ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。 ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。 完結しました!ありがとうございました。

陰日向から愛を馳せるだけで

麻田
BL
 あなたに、愛されたい人生だった…――  政略結婚で旦那様になったのは、幼い頃、王都で一目惚れした美しい銀髪の青年・ローレンだった。  結婚式の日、はじめて知った事実に心躍らせたが、ローレンは望んだ結婚ではなかった。  ローレンには、愛する幼馴染のアルファがいた。  自分は、ローレンの子孫を残すためにたまたま選ばれただけのオメガに過ぎない。 「好きになってもらいたい。」  …そんな願いは、僕の夢でしかなくて、現実には成り得ない。  それでも、一抹の期待が拭えない、哀れなセリ。  いつ、ローレンに捨てられてもいいように、準備はしてある。  結婚後、二年経っても子を成さない夫婦に、新しいオメガが宛がわれることが決まったその日から、ローレンとセリの間に変化が起こり始める…  ―――例え叶わなくても、ずっと傍にいたかった…  陰日向から愛を馳せるだけで、よかった。  よかったはずなのに…  呼ぶことを許されない愛しい人の名前を心の中で何度も囁いて、今夜も僕は一人で眠る。 ◇◇◇  片思いのすれ違い夫婦の話。ふんわり貴族設定。  二人が幸せに愛を伝えあえる日が来る日を願って…。 セリ  (18) 南方育ち・黒髪・はしばみの瞳・オメガ・伯爵 ローレン(24) 北方育ち・銀髪・碧眼・アルファ・侯爵 ◇◇◇  50話で完結となります。  お付き合いありがとうございました!  ♡やエール、ご感想のおかげで最後まではしりきれました。  おまけエピソードをちょっぴり書いてますので、もう少しのんびりお付き合いいただけたら、嬉しいです◎  また次回作のオメガバースでお会いできる日を願っております…!

すれ違い夫夫は発情期にしか素直になれない

和泉臨音
BL
とある事件をきっかけに大好きなユーグリッドと結婚したレオンだったが、番になった日以来、発情期ですらベッドを共にすることはなかった。ユーグリッドに避けられるのは寂しいが不満はなく、これ以上重荷にならないよう、レオンは受けた恩を返すべく日々の仕事に邁進する。一方、レオンに軽蔑され嫌われていると思っているユーグリッドはなるべくレオンの視界に、記憶に残らないようにレオンを避け続けているのだった。 お互いに嫌われていると誤解して、すれ違う番の話。 =================== 美形侯爵長男α×平凡平民Ω。本編24話完結。それ以降は番外編です。 オメガバース設定ですが独自設定もあるのでこの世界のオメガバースはそうなんだな、と思っていただければ。

オメガな王子は孕みたい。

紫藤なゆ
BL
産む性オメガであるクリス王子は王家の一員として期待されず、離宮で明るく愉快に暮らしている。 ほとんど同居の獣人ヴィーは護衛と言いつついい仲で、今日も寝起きから一緒である。 王子らしからぬ彼の仕事は町の案内。今回も満足して帰ってもらえるよう全力を尽くすクリス王子だが、急なヒートを妻帯者のアルファに気づかれてしまった。まあそれはそれでしょうがないので抑制剤を飲み、ヴィーには気づかれないよう仕事を続けるクリス王子である。