高貴なオメガは、ただ愛を囁かれたい【本編完結】

きど

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【ヤンデレβ×性悪α】 高慢αは手折られる

第四話

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バナトは私の唇にキスを落とすと、舌で口唇をこじ開け口腔内を舐る。

「んふっ…んっんあっ」

上顎を舌先でくすぐられ声が漏れる。押し返そうとバナトの肩に添えていた手は、快感に耐えるのに彼のシャツを握しめた。

「可愛い。かわいいよ、セラフ様」

唇を離すと私の頭を撫でてから、胸元に顔を寄せる。キスで刺激された体は次の快感を待ち望み、求めるように主張を始める。

「キス気持ちよかったんだ。乳首たってるよ」

「言わないで、あっ…ひぅっ」

刺激を欲してぷくりと膨らんだそこを、口に含まれ甘噛みされ、体中が甘く痺れる。

「あっ…だめぇ…変になる、あっ」

片方は舌先でなぞられ、もう片方は指で摘まれこねられる。両方に種類の違う刺激を受けて体が弓形になり、足の爪先まで力が入る。

今まで男性との行為は痛みはあれど、快楽を得る事はほとんど無かった。それに自分は不感症なんだと思っていたし、痛みに耐えて体を繋げるからこそ尊さを感じられると思っていたのに。

だから知らない。誰かに触れられることがこんなに気持ちいいなんて。
体を駆け巡る快楽に浮かされ、思考が上手く回らなくなる。
我を忘れて、はしたない姿を曝け出してしまいそう。
怖い。自分さえ知らなかった一面を暴かれてしまうことが。

「やぁっ…やめてっ」

「辞めていいの?こんなに気持ちよさそうにしてるのに」

「くっ…あっ、んっ…」

バナトは意地悪な笑みを浮かべ私の顔を覗き込み、からかうように言う。それから、徐に私の下半身に手を伸ばし、立ち上がり硬くなった中心に触れる。布越しに触れられ、その歯痒さに体が切なく疼く。
直接触れて欲しいと思っても、自分からねだるなんてプライドが許さない。

「セラフ様、腰揺らして随分と物欲しそうだけどどうして欲しいの?」

「そんなことないっあっ…強いっ…待って」

否定を口にした途端、布越しの刺激がさらに強くされる。屹立の先を親指で強く押され腰が跳ねる。弱い部分に強い刺激を受け続けた私の体はあっけなく絶頂を迎える。

「あっ…ダメっ、んあっはあっ」

自分が吐き出した熱を下半身にじんわりと感じる。達したせいで、ぼんやりしている頭が徐々にクリアになりはじめる。

そういえば、刺激的なセックスと言っていたが、この気持ちよさが刺激的なのだろうか。
ふとそう思った。視線をバナトに向けると彼は私の腰に手を回してパンツを剥ぎ取る。
パンツから私が吐き出した白濁が少し溢れ落ちるのも見えて顔が熱くなる。

「セラフ様がいっぱい出したから、潤滑剤いらないですね」

「んっ…うるさい…ふうっ」

赤面している私をバナトは煽ってくる。そして私の白濁で濡れた後孔に指をゆっくり入れる。指は内壁を軽く一周するとすぐに抜かれてしまう。

「え?…あ"っ嘘、むりっ…あ"、ダメ」

「ダメじゃない。頑張って」

キョトンとしたのも一瞬だった。バナトは自身の熱くそり立つ屹立を私の後孔に当てると躊躇いなく腰を進めた。
まだ充分に解れていないそこに灼熱の塊が捩じ込まれる。その塊は遠慮なく私の体の中を掻き分け入ってくる。そして受け入れた場所から全身に痛みが広がり、自分の意思とは関係なく涙が滲み溢れ落ちる。

「初めての時より痛い?」

涙を流す私をバナトは嬉しそうに見つめる。痛みで声を出すのも辛いので私はバナトの質問に無言で頷く。

「そっかぁ。初めての時より痛いかぁ。俺はセラフ様の初めての相手にはなれなかったから、初めてのセックスを上書きするくらい痛くするから」

「もう…ヤダ。…抜いて、い"っあ"っ」

意味不明なことを話すバナトに拒絶の言葉を絞り出す。しかしそれも逆効果だったみたいで、まだバナトのものが馴染んでいない後孔の中を深く穿たれる。

「い"っ…んっあっ、ヤダっ…あ"っ」

「セラフ様が力むから俺も痛い。…処女を抱いてるみたい。でも、セラフ様の処女を奪っていると思うと興奮する」

「ちがっ…んっ…もう、やめっ…あ"」

バナトは本当に興奮しているようで、私の中を蹂躙する屹立の質量が増した。屹立を受け入れるまでは切なく疼いていた体も、今は痛みを逃すことを優先している。呼吸は短く細切れになり、後孔は異物を押し出そうとする。そんな私の体の防衛反応を無駄だと踏み潰すように、バナトは私の体の深くまで屹立を打ちつける。

「んっ…あっやっ…だめっ…もう」

「イきそう?いいよ。一緒にイこう」

充分に慣らすこともなく無遠慮に穿たれ感じるのは痛みだけだった。しかしバナトは私の弱い所を見つけ、そこを重点的に攻め立てられ体はいつしか快感を得るようになった。私の前側も後孔に与えられる刺激に従順に反応し、硬く膨張し先端は先走りで濡れている。
体内で硬さを増していく屹立の熱を感じならがら、私の体はまた絶頂に昇りつめた。刺激の強すぎる行為に限界を迎えた私の視界は真白になり、意識が徐々にフェードアウトしていく。バナトが私の胎内に熱を吐き出し囁いた言葉を遠くなっていく意識の中で聞いた。

「セラフ様の過去の男達を、俺が全て塗り替えていくから。過去も今も未来も、俺以外をみることは許さない。もし、よそ見をしたら……」

狂った独占欲を身をもって体験し、私は意識を手放した。





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