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6話
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エマside
プラネタリウムに着くとテルキは当たり前のように私と手を繋ぎジャケットにその手を入れる。
ジュンはデートをしてもそんな事はしてくれない。
いつも外を歩く時はどこか距離があって家にいる時だけ少し距離が近づくだけ。
だから、私は落ち着かずソワソワとしているとそんな様子の私を見てテルキが笑った。
T「ジュンにバレるかと思って不安?」
*「そうじゃなくて…こういうの…初めてだから…」
そういうとテルキは不思議そうに私の顔をみた。
T「初めて?ジュンとデートの時…手とか繋がないの?」
*「たまに繋ぐけどこうやってポッケの中で繋いだ事ないよ。」
そういえばテルキは私の方を見てニコッと笑って歩き出した。
テルキが連れてきてくれたプラネタリウムには貝殻のベッドのような場所で星を見れるようになっていた。
*「すごいね…今のプラネタリウムってこんなのあるんだ…」
T「イチャつくには絶好の場所だなw」
*「もうやめてよ~」
T「なんで?星みながらイチャつかないの?俺たち…」
テルキは周りのことなんて気にする事もなく、私の肩を抱きしめそんな事を言ってくるのでつい、私が恥ずかしくなってテルキのムチッとしたおなかをつねった。
T「いてぇ。素直じゃないねぇ~ベッドのうえでは素直なのにね?」
*「もう!ほんと…コロスよ?」
私が真顔で怒るとさすがにテルキも悪ふざけをやめた。
中に入ると貝殻ベッドにはそれはもう見事にカップルばっかりで、テルキの言う通り星を見にきてるのかイチャイチャしに来てるのか分からないほどで、見ているこっちが顔が熱くなった。
T「足元冷えるといけないからね。」
テルキはそう言って私の足元に二つ折りにしたブランケットを掛けてくれる。
しかし、私はそのブランケットを大きく広げてテルキの足元にも一緒にかけてあげた。
*「一緒に使おう?」
そう言うとテルキは私の肩に腕を回し、もう片方の手で私の右手をブランケットの中で握った。
T「星なんて見てる暇…なさそう…」
*「え?なんでよ?ちゃんと見なきゃ…」
T「だって…今度いつこうやってデート出来るか分かんないから…エマから目を逸らしたら…もったいなくて…」
私はそんな甘い言葉が恥ずかしくて思わずテルキの大きな瞳から視線を逸らす。
*「それ本気で言ってる?」
T「ん?本気だけど?」
平然とそう言ったテルキに私も生唾をゴクリと飲み込んで言った。
*「私も…」
私がそう言うとテルキはニコッと笑いチュウっとおデコにキスを落とした。
プラネタリウムが始まり私はテルキの腕の中で素敵な星達を沢山見た。
周りから見えない事をイイコトにテルキは時折、私の首筋に顔を埋めたりブランケットの下で私の服の上からお腹を撫でたり胸を触ったりしては私に変な顔して笑ってきた。
私はため息を落として呆れたふりなんてしてみてもテルキがユマよりも私を選んでくれた事が嬉しく、そんなテルキが愛おしくて、キラキラ輝いて心が癒される空間に酔いしれていた。
プラネタリウムが終わりふと、隣にいるテルキを見るとテルキはそれはもう、あの大きな口をぱかーんっと開けて見事に爆睡していた。
おい…あんな甘い事を言っておきながら寝てるんかい。
と心の中で突っ込んだもののその寝顔があまりにも可愛かったので私は優しくデコピンでテルキを起こしてあげた。
T「いてぇ!!ちょなんだよ~あ、終わった?綺麗だったね~お星様~。」
*「寝てたくせによく言うよ。」
T「バレたか…じゃ行こうか。」
そのあと、私はテルキのお気に入りの雑貨屋さんで可愛いライトを買ってもらい、テルキのお気に入りの服屋さんでシンプルなワンピースをプレゼントしてもらった。
*「こんな買ってもらってばかりだと申し訳ないよ…」
T「俺がしたいだけだから良いじゃん別に。」
テルキは口を尖らせその荷物を車のトランクに詰め込みながらそう言った。
日も沈みはじめ私はまだ冷たい風の中、舞い散る街路樹の桜の木を見つめた。
すると…
そこには見覚えのある姿が見えた。
私は思わずその姿をじっと見つめる。
T「なーに見てんの。」
テルキは陽気な声と共に私の肩に顎を置き、私と同じ方向を見た。
そして、テルキもその姿に気づき無言のまま私を自分の方に振り向かせ、そのまま私をコートの中に閉じ込めた。
傷ついてない…私だって同じことしてるんだもん…
全然傷ついてなんかないもん…
私はそんな事を自分に言い聞かせているのに涙がポロっと流れたのは、ジュンが抱き合いキスしていた相手が私の双子の妹であるユマだったから。
T「泣けよ…無理して我慢するなよ…」
風が私たちを凍えさすように強く吹き抜け、テルキはその度に私を強く抱きしめる。
私はテルキの温もりを感じながら他の男のために涙を流したのだろうか?
いや、それは違う。
ただ、彼氏の浮気相手が自分と同じ顔をした双子の妹だったことに衝撃を受けただけ。
あの感情は今になってもなんだったのかよく分からず、うまく説明はできない。
つづく
プラネタリウムに着くとテルキは当たり前のように私と手を繋ぎジャケットにその手を入れる。
ジュンはデートをしてもそんな事はしてくれない。
いつも外を歩く時はどこか距離があって家にいる時だけ少し距離が近づくだけ。
だから、私は落ち着かずソワソワとしているとそんな様子の私を見てテルキが笑った。
T「ジュンにバレるかと思って不安?」
*「そうじゃなくて…こういうの…初めてだから…」
そういうとテルキは不思議そうに私の顔をみた。
T「初めて?ジュンとデートの時…手とか繋がないの?」
*「たまに繋ぐけどこうやってポッケの中で繋いだ事ないよ。」
そういえばテルキは私の方を見てニコッと笑って歩き出した。
テルキが連れてきてくれたプラネタリウムには貝殻のベッドのような場所で星を見れるようになっていた。
*「すごいね…今のプラネタリウムってこんなのあるんだ…」
T「イチャつくには絶好の場所だなw」
*「もうやめてよ~」
T「なんで?星みながらイチャつかないの?俺たち…」
テルキは周りのことなんて気にする事もなく、私の肩を抱きしめそんな事を言ってくるのでつい、私が恥ずかしくなってテルキのムチッとしたおなかをつねった。
T「いてぇ。素直じゃないねぇ~ベッドのうえでは素直なのにね?」
*「もう!ほんと…コロスよ?」
私が真顔で怒るとさすがにテルキも悪ふざけをやめた。
中に入ると貝殻ベッドにはそれはもう見事にカップルばっかりで、テルキの言う通り星を見にきてるのかイチャイチャしに来てるのか分からないほどで、見ているこっちが顔が熱くなった。
T「足元冷えるといけないからね。」
テルキはそう言って私の足元に二つ折りにしたブランケットを掛けてくれる。
しかし、私はそのブランケットを大きく広げてテルキの足元にも一緒にかけてあげた。
*「一緒に使おう?」
そう言うとテルキは私の肩に腕を回し、もう片方の手で私の右手をブランケットの中で握った。
T「星なんて見てる暇…なさそう…」
*「え?なんでよ?ちゃんと見なきゃ…」
T「だって…今度いつこうやってデート出来るか分かんないから…エマから目を逸らしたら…もったいなくて…」
私はそんな甘い言葉が恥ずかしくて思わずテルキの大きな瞳から視線を逸らす。
*「それ本気で言ってる?」
T「ん?本気だけど?」
平然とそう言ったテルキに私も生唾をゴクリと飲み込んで言った。
*「私も…」
私がそう言うとテルキはニコッと笑いチュウっとおデコにキスを落とした。
プラネタリウムが始まり私はテルキの腕の中で素敵な星達を沢山見た。
周りから見えない事をイイコトにテルキは時折、私の首筋に顔を埋めたりブランケットの下で私の服の上からお腹を撫でたり胸を触ったりしては私に変な顔して笑ってきた。
私はため息を落として呆れたふりなんてしてみてもテルキがユマよりも私を選んでくれた事が嬉しく、そんなテルキが愛おしくて、キラキラ輝いて心が癒される空間に酔いしれていた。
プラネタリウムが終わりふと、隣にいるテルキを見るとテルキはそれはもう、あの大きな口をぱかーんっと開けて見事に爆睡していた。
おい…あんな甘い事を言っておきながら寝てるんかい。
と心の中で突っ込んだもののその寝顔があまりにも可愛かったので私は優しくデコピンでテルキを起こしてあげた。
T「いてぇ!!ちょなんだよ~あ、終わった?綺麗だったね~お星様~。」
*「寝てたくせによく言うよ。」
T「バレたか…じゃ行こうか。」
そのあと、私はテルキのお気に入りの雑貨屋さんで可愛いライトを買ってもらい、テルキのお気に入りの服屋さんでシンプルなワンピースをプレゼントしてもらった。
*「こんな買ってもらってばかりだと申し訳ないよ…」
T「俺がしたいだけだから良いじゃん別に。」
テルキは口を尖らせその荷物を車のトランクに詰め込みながらそう言った。
日も沈みはじめ私はまだ冷たい風の中、舞い散る街路樹の桜の木を見つめた。
すると…
そこには見覚えのある姿が見えた。
私は思わずその姿をじっと見つめる。
T「なーに見てんの。」
テルキは陽気な声と共に私の肩に顎を置き、私と同じ方向を見た。
そして、テルキもその姿に気づき無言のまま私を自分の方に振り向かせ、そのまま私をコートの中に閉じ込めた。
傷ついてない…私だって同じことしてるんだもん…
全然傷ついてなんかないもん…
私はそんな事を自分に言い聞かせているのに涙がポロっと流れたのは、ジュンが抱き合いキスしていた相手が私の双子の妹であるユマだったから。
T「泣けよ…無理して我慢するなよ…」
風が私たちを凍えさすように強く吹き抜け、テルキはその度に私を強く抱きしめる。
私はテルキの温もりを感じながら他の男のために涙を流したのだろうか?
いや、それは違う。
ただ、彼氏の浮気相手が自分と同じ顔をした双子の妹だったことに衝撃を受けただけ。
あの感情は今になってもなんだったのかよく分からず、うまく説明はできない。
つづく
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