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73話
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テラside
ケイトは私の知らない所で結婚の事もケンちゃんの事もちゃんと考えてくれていた。
まさかの言葉を聞かされた私からは涙が溢れ出し、自分でも頭がパニックになってよく分からない。
なのにケイトは私から少し離れると優しく微笑んでいて、私の涙を拭くと胸ポケットから小さな箱を取り出した。
K「僕と結婚してください。」
ゆっくりとその箱を開けるとそこにはリングが光っていてまた、私の涙が溢れ出す。
K「受け取ってくれないの?」
泣きじゃくる私の顔を覗き込むケイトは私にそう言うと私はそのままケイトに飛びついた。
T「苦しかったし…悲しかった…ケイトの知らない部分見ちゃったみたいで怖かった。」
K「ごめんね…不安な思いさせて。でもソフィアに言った俺の子だからって言うのは…ケントの事だったんだ。園に行ったあの日からもう、ケントを家族にする事決めてたから俺も父親になるよって話して…だから、その前に早く俺たちが家族にならないとケントのこと…迎え入れる事が出来ないって1人焦ってテラに不安な思いさせちゃったね。」
T「………」
K「その顔信じてないな!?まぁ…サプライズ苦手な俺が悪いけどさ…まさか家出とか焦ったわ。すぐにそうやって行動するとことか…テラとケントも沢山似てるとこあるね。」
T「そう…かな?」
K「そうだよ。あと泣き顔も…恥ずかしがり屋なのに惜しみなく愛を与えるとこも…2人はそっくり……」
ケイトはそう言って笑った。
K「で…この指輪…ここに付けてくれるの?」
ケイトは私の手を持ち左手薬指にチュッとキスをすると私を見つめる。
T「もう隠し事はヤダし、仕事以外で私を1人にするのも禁止。毎日チュウもして欲しいし、朝と夜の2回は好きって言ってほしい。あとは…」
K「あとは?」
T「あとは…私が1番ケイトのこと好きなんだから…私以外の人に簡単に触れないで……。」
K「うん…そうだね…それは俺が悪かった…ごめん。」
T「やっぱりケイトが好き…」
K「俺もだよ。」
ケイトはそう言うと私の薬指に指輪をはめ、腰を引き寄せるとゆっくりと唇を塞いだ。
何度か角度を変えて重なり合った唇はケイトの方から離れて物足りなさを感じた私がその首をクイっと引き寄せる。
すると、ケイトはニコッと笑った。
K「テラ?ここからがサプライズの本番だよ?」
ケイトはそう言うと、私の涙のあとを綺麗に拭き取り私の手を引いてカジノの中へと連れて戻る。
T「中に戻るの?」
K「うん…テラにはもっと幸せになって欲しいから…俺からのサプライズだよ。」
ケイトにそう言われ中に入ると…
そこにはヨナとジニさん、そしてププをはじめとするケイトの部下たちとケンちゃんと園の子どもたちが笑顔でクラッカーを鳴らしていた。
T「え…なに…びっくりした…」
K「みんなに俺たちのプロポーズを祝ってもらおうと思ってね?」
T「もう!」
驚きと喜びからケイトの胸を叩くとケントは笑い私と手を繋ぐ。
K「テラこっちに来て。」
ケイトに手を引かれて向かった先にはさっきまでなかったはずのチーズケーキが可愛らしいテーブルに置かれてあった。
T「さっきまでこんなのなかったのに……」
P「組長と姐さんのために俺たちが慌ててセッティングしました!」
ププはドヤ顔でそう言った。
T「ありがとう…このケーキはヨナが作ってくれたの?」
Y「まさか。私が作ったならもっと上手く作れるよ。」
そう言われてよく見てみると確かにプロが作ったにしては形が歪で焼きムラが出来ている…
ってことはもしかして…?
K「俺が作った…テラが仕事終わって屋敷に帰ってからこっそり店とかジニさんの別宅とかでヨナに作り方を教えてもらってたんだ。ウチの集会場で部下達と朝まで自主練してたから、なかなかテラの所に戻れなくて…見た目はアレだけどさ!味は自信あるよ?」
そう言ってケイトは大きなチーズケーキに迷いなくフォークを入れると私の口に運んだ。
そして、その味に私は驚いた。
T「私の作るチーズケーキと…同じ味…」
K「あったり前じゃん…何個テラのチーズケーキ食べたと思ってんの。レシピ見なくてもこの舌がテラの味を覚えてるんだよ。」
ケイトは自慢気にそう言うと私のほっぺにチュッとキスをした。
それと同時に湧き上がるのは私たちを揶揄う賑やかな声。
ケンちゃんは恥ずかしそうに私の元に走ってきて、私はギュッとケンちゃんを抱きしめる。
T「もしかしてケンちゃんもこの事知ってたの?」
「うん!しってた~!あさ、テラちゃんにいいたかったけど園長先生がナイショだよって。」
T「そっか。ねぇ、ケンちゃん…もう少しだけ私たちのこと待っててね…絶対に迎えに行くから。」
「うん…いいこにしてまってる。」
そう言ったケンちゃんの可愛い小さなお口にケイトはチーズケーキを入れると、私たち3人は頬を寄せ合い笑った。
つづく
ケイトは私の知らない所で結婚の事もケンちゃんの事もちゃんと考えてくれていた。
まさかの言葉を聞かされた私からは涙が溢れ出し、自分でも頭がパニックになってよく分からない。
なのにケイトは私から少し離れると優しく微笑んでいて、私の涙を拭くと胸ポケットから小さな箱を取り出した。
K「僕と結婚してください。」
ゆっくりとその箱を開けるとそこにはリングが光っていてまた、私の涙が溢れ出す。
K「受け取ってくれないの?」
泣きじゃくる私の顔を覗き込むケイトは私にそう言うと私はそのままケイトに飛びついた。
T「苦しかったし…悲しかった…ケイトの知らない部分見ちゃったみたいで怖かった。」
K「ごめんね…不安な思いさせて。でもソフィアに言った俺の子だからって言うのは…ケントの事だったんだ。園に行ったあの日からもう、ケントを家族にする事決めてたから俺も父親になるよって話して…だから、その前に早く俺たちが家族にならないとケントのこと…迎え入れる事が出来ないって1人焦ってテラに不安な思いさせちゃったね。」
T「………」
K「その顔信じてないな!?まぁ…サプライズ苦手な俺が悪いけどさ…まさか家出とか焦ったわ。すぐにそうやって行動するとことか…テラとケントも沢山似てるとこあるね。」
T「そう…かな?」
K「そうだよ。あと泣き顔も…恥ずかしがり屋なのに惜しみなく愛を与えるとこも…2人はそっくり……」
ケイトはそう言って笑った。
K「で…この指輪…ここに付けてくれるの?」
ケイトは私の手を持ち左手薬指にチュッとキスをすると私を見つめる。
T「もう隠し事はヤダし、仕事以外で私を1人にするのも禁止。毎日チュウもして欲しいし、朝と夜の2回は好きって言ってほしい。あとは…」
K「あとは?」
T「あとは…私が1番ケイトのこと好きなんだから…私以外の人に簡単に触れないで……。」
K「うん…そうだね…それは俺が悪かった…ごめん。」
T「やっぱりケイトが好き…」
K「俺もだよ。」
ケイトはそう言うと私の薬指に指輪をはめ、腰を引き寄せるとゆっくりと唇を塞いだ。
何度か角度を変えて重なり合った唇はケイトの方から離れて物足りなさを感じた私がその首をクイっと引き寄せる。
すると、ケイトはニコッと笑った。
K「テラ?ここからがサプライズの本番だよ?」
ケイトはそう言うと、私の涙のあとを綺麗に拭き取り私の手を引いてカジノの中へと連れて戻る。
T「中に戻るの?」
K「うん…テラにはもっと幸せになって欲しいから…俺からのサプライズだよ。」
ケイトにそう言われ中に入ると…
そこにはヨナとジニさん、そしてププをはじめとするケイトの部下たちとケンちゃんと園の子どもたちが笑顔でクラッカーを鳴らしていた。
T「え…なに…びっくりした…」
K「みんなに俺たちのプロポーズを祝ってもらおうと思ってね?」
T「もう!」
驚きと喜びからケイトの胸を叩くとケントは笑い私と手を繋ぐ。
K「テラこっちに来て。」
ケイトに手を引かれて向かった先にはさっきまでなかったはずのチーズケーキが可愛らしいテーブルに置かれてあった。
T「さっきまでこんなのなかったのに……」
P「組長と姐さんのために俺たちが慌ててセッティングしました!」
ププはドヤ顔でそう言った。
T「ありがとう…このケーキはヨナが作ってくれたの?」
Y「まさか。私が作ったならもっと上手く作れるよ。」
そう言われてよく見てみると確かにプロが作ったにしては形が歪で焼きムラが出来ている…
ってことはもしかして…?
K「俺が作った…テラが仕事終わって屋敷に帰ってからこっそり店とかジニさんの別宅とかでヨナに作り方を教えてもらってたんだ。ウチの集会場で部下達と朝まで自主練してたから、なかなかテラの所に戻れなくて…見た目はアレだけどさ!味は自信あるよ?」
そう言ってケイトは大きなチーズケーキに迷いなくフォークを入れると私の口に運んだ。
そして、その味に私は驚いた。
T「私の作るチーズケーキと…同じ味…」
K「あったり前じゃん…何個テラのチーズケーキ食べたと思ってんの。レシピ見なくてもこの舌がテラの味を覚えてるんだよ。」
ケイトは自慢気にそう言うと私のほっぺにチュッとキスをした。
それと同時に湧き上がるのは私たちを揶揄う賑やかな声。
ケンちゃんは恥ずかしそうに私の元に走ってきて、私はギュッとケンちゃんを抱きしめる。
T「もしかしてケンちゃんもこの事知ってたの?」
「うん!しってた~!あさ、テラちゃんにいいたかったけど園長先生がナイショだよって。」
T「そっか。ねぇ、ケンちゃん…もう少しだけ私たちのこと待っててね…絶対に迎えに行くから。」
「うん…いいこにしてまってる。」
そう言ったケンちゃんの可愛い小さなお口にケイトはチーズケーキを入れると、私たち3人は頬を寄せ合い笑った。
つづく
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