妖と人間と現実と。

※都合により、外伝から先に投稿いたします!
外伝で退治人のお家事情なんかをお届け出来ればと、思います!良かったら読んでください。

本編内容↓
妖力を宿す魔物である妖を退治する妖退治人の家系に生まれた須藤 暁弥《すどう きょうや》は妖退治人を取り仕切る長である父を目指して、日々修行していた。

ある日、当時14歳だった暁弥の前に強大な妖が現れた。暁弥1人では為す術なく、暁弥を含めた半径100mほどが消し炭となり、あたり1面が妖力汚染された地になるかと思われた。その時、10歳だった妹の暮羽《くれは》が敵の攻撃を吸収し受け止めてくれたおかげで、大きな妖力汚染も起こらず、死者は出なかったが、妹はその身に受けた強大な妖力汚染に耐えらず消滅してしまった。
暁弥は自身の不甲斐なさを痛感し、涙を流した。

それから10年後、暁弥は軍の義勇兵として政財界の要人の警護を主だった任務をしていた。この世界でいう義勇兵とは、妖からの攻撃に対処する部隊のことだ。だが、暁弥に妖退治人としての能力はもうない。妹が消失したあの日に、近距離にいた自身も妖力汚染を受けており、神より授かりし霊力(妖に対処する力)も無いに等しい状態となった。
それでもなお、暁弥は妖に対する知識と武芸を磨き、今の地位を勝ち取った。

そんな彼の前に数年前から姿を現したのが、蝶野 音羽《ちょうの おとは》という歌姫だった。音羽は派手な長いピンク髪と黒ゴスをイメージした丈の短いドレスで、いつもスキャンダルでゴシップ誌を騒がせる有名人だった。だが、歌姫と呼ばれるだけあってその実力は本物。政財界の要人たちが集うパーティ会場でその美声を披露するほどだった。
しかし、その歌声と彼女が吹く横笛には、妖力が込められておりさらに妖たちも現れ、パーティは狂乱の宴となる。なんとか退けるも音羽の去り際の言葉に困惑する暁弥。

生き別れの兄妹が妖側と人間側で揺れ動く、ファンタジーヒューマンドラマーー。
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