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「へ?」


「……本当はロキとパーティーへ行きたかったんじゃないのか?」


「な、なぜロキ様が出て来るんですか?」


 私の疑問に、ベンジャミン様は「ロキじゃなかったのか。」と頭を捻っている。



「……ルシルは、愛する者同士が婚約した方が良いと言った。」


「はい。」


「……愛する者が出来たのだろう?」


「それはベンジャミン様です!」


 私の主張にベンジャミン様は目を丸くし、訳が分からないという顔をしていた。


「ヴィクトリア様ですよ。よく一緒に過ごされていますし、ヴィクトリア様からもうベンジャミン様には近付かないようにと言われました。」



「なっ……!ヴィクトリア嬢とそんな関係ではない!……お、俺はルシルだけが好きだ……。」



「え……?」


 私の戸惑いに、ベンジャミン様は必死の形相で言葉を重ねた。



「幼い頃から、俺が想うのはルシルだけだ。婚約だって、先に言ったのはルシルだが、俺もルシルとの婚約を希望していたんだ。だからルシルが俺と同じ気持ちだと知って、嬉しかった。」


 ベンジャミン様ってこんなにたくさん喋れたのか、と驚いてしまう。


「……だけどベンジャミン様は、この三年、ずっと私に冷たかったし、殆ど話もして貰えませんでした。」


「本当にすまなかった……自分でも嫌な態度だったと思う。だが決してルシルを嫌いになったのではない。」


「へ?」


「……幼い頃より、ずっとルシルのことを想うようになって、意識してしまい、上手く話せなかった。」


「で、でもベンジャミン様はいつも私を睨んでました!」


「に、睨んでなんかいない!」


「え?」



「……日に日に美しくなるルシルが眩しかっただけだ。」


「ええっ?!」


 ベンジャミン様の想いを聞いても、私はまだ納得いっていなかった。



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