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しおりを挟む「…………おい。」
「はい、ジェレミー様。」
アマンダが帰ってから小一時間、放心状態だったジェレミーが漸く口を開き、控えていた従者のアーロンが返事をした。
「俺の耳は可笑しくなったのか?」
「いえ。可笑しくなっておりません。確かにアマンダ様は、婚約破棄する、とはっきり仰っていました。」
「…………っ。」
「絶対に許さない、とも、大嫌い、とも、仰っていました。」
「う、う、何故こんなことに……。」
「ああ、あと、絶対に結婚しない、とも仰っていましたね。」
アーロンがちくちくとジェレミーを言葉の針で刺す。ジェレミーはとうとう言葉を失った。
「取り敢えず、追いかけなくて宜しいのですか?早くしないとアマンダ様が御父上に婚約破棄を強請られるかもしれませんよ。」
「……っ!それは困る!」
バタバタと慌ててアマンダの家へ向かう準備を始めるジェレミーを、アーロンはやれやれ、と呆れた目で見ていた。
◇◇◇◇
「お嬢様、大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃないわ……。」
婚約者のジェレミーに声を荒げてしまった。元々、引っ込み思案な私には、信じられない暴挙であり、羞恥心から、帰りの馬車の中でぐったりしていた。
「だけどね、バーサ、私スッキリしているのよ。三か月間、ずっと辛かった気持ちをぶつけたからかしらね?」
「ええ。お嬢様の勇姿、バーサはしかと見ておりましたよ。」
「ふふふ。あのね、バーサ。私、本当に婚約破棄できるよう動こうと思うの。」
「ええ、ええ!それが宜しいかと思いますわ。」
「それじゃあ、帰ってからお父様に突撃ね!頑張るわよ!」
細腕を振り上げるアマンダを見て、バーサは大きく頷いた。
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