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しおりを挟む「うう……。お父様、今日ばかりは恨みますわ……。」
自室で項垂れ続けるアマンダを、バーサが慰める。
「旦那様も、何か考えがあってのことかもしれません。」
「うう……。」
「それよりお嬢様、婚約破棄が成功した後のことを考えてみてはどうでしょうか。お嬢様がやりたいことを考えれば、少しは気持ちが晴れませんか?」
「やりたいこと?」
経済的に余裕のある家で生活しているアマンダは、ほとんどやりたいことは日常的にやれていると言って良いだろう。婚約破棄の後を想像していると、ふと思い付いたことがあった。
「……バーサ、やりたいことは思い付かないけれど、やりたくないことは思い付いたわ。」
「やりたくないこと、ですか?」
「ええ。結婚よ、結婚!」
貴族に生まれた私は、ジェレミーとの婚約が無事破棄されても、どこかに嫁がされるだろう。しかも、婚約破棄されたという枷を背負った私には、優良な縁談は望めない。そんな縁談なんて受けたくなかった。
「結婚しなくて良い方法を考えましょう。……例えば、聖職者になるのはどうかしら?」
私の家からほど近い場所にある教会には、幼い頃からよく遊びに行っていた。地域の催しなどに参加していると、美しいシスターたちが、恵まれない子どもたちを育てたり、慈善活動をしている姿を見る。しかも数は少ないが、私と同じ貴族のシスターもおり、実家から通っているという話も聞く。
「これなら、バーサや家族とも離れなくていいし、結婚もしなくていいわ!ナイスアイディアだわ!」
「流石、お嬢様ですわ。」
そうと決まれば、早速教会で話を聞きに行こう、と玄関に向かった。近くなので馬車は断り、バーサと少数の護衛で歩いて向かうことにした。しかし、玄関で一番会いたくない人に遭遇してしまう。
「アマンダ!」
先ほど、散々暴言を吐いた相手、ジェレミーがそこにいた。
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