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しおりを挟む<みなさん、こんにちは。処方箋ラジオのお時間です。
今週のご相談は、ラジオネーム:ガラス職人さんからのご相談です。ガラス職人さん、お久しぶりですね。早速ご相談メールを読ませて頂きます。
“以前ご相談したガラス職人です。その節はありがとうございました。おかげさまで、子どもと仲良く暮らすことができています。今回相談したかったのは、以前から私たちを助けてくれる方のことです。彼女は出会ってから今までずっと私と子どもに親身になって寄り添ってくれ、とても支えて貰っています。そんな彼女から、私と子どもの家族になりたい、私と結婚したいと話がありました。私には勿体ない話だな、と思うのと同時に、これまで彼女とお付き合いしていた訳では無かったので戸惑いもあります。自分で答えを決めるべきだと分かってはいるのですが、考えが纏まらずご相談しました。”とのことでした>
<ガラス職人さんと、お相手の方の人生に関係することなので、悩んだり気持ちがなかなか纏まらないのも自然なことなのかなと思います。ここからはリスナーのみなさんのメールをご紹介していきたいと思います>
<ラジオネーム:ずっと寝ていたいさん。
今の時代、色々な家族の形があってもいいのかなって思います。今は恋愛結婚が主流ではありますが、昔はお見合い結婚が多かったですよね。そのどちらが良いとか悪いとかって無いと思います。恋愛とかお付き合いとか抜きにした家族の形もありじゃないでしょうか>
<ラジオネーム:ラジオ大好きっ子さん。
これまでのガラス職人さんのご相談メールを聞いていると、お相手の方と良い関係を育まれているように感じていました。それって難しいことですよね。良い関係を築ける相手って貴重だと思うんです。そんな相手と一緒にいられる約束=結婚ができるって幸せなことだなって私は思います>
次に読まれるメールを聞きながら、葉名との会話を思い出す。
『大事な時に何にもできないのが歯痒くて、寂しいんです』
泣き出しそうな顔でそう言った彼女が、気を遣って結婚を申し出たという旺也の考えとは繋がらなかった……いや、本当は始めから分かっていた。確かに優しくてお人よし過ぎる彼女だが、結婚という大きなものを提案する理由が気遣いではないことを。
<皆さん、素敵なご助言ありがとうございました。リスナーの皆さんからあったように、家族の形には色々な形があってどんな形でもありだと思います。お相手の方を慮るガラス職人さんの想いはとても素敵なものですが、ガラス職人さんはお相手の方をどう想って、どんな風に過ごしたいか、どんなことをしてあげたいか、そんな視点から考えてみるのは如何でしょうか>
いつものようにエンディングのオルゴール曲が流れる。大きく息を吸い込むと、鼓動が激しくなっていることに気付く。まだ彼女を目の前にしていないというのに、緊張が高まっていく。己の情けなさに自嘲気味に笑った。
応援ありがとうございます!
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