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緊急事態①
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控え室からマネージャーの高城さんが、俺達の秘密を知る者以外は全員退出させた。
そして残されたのは気心の知れたJOKERのメンバーと、高城さんだけになった。
「ごめん。俺のせい......だよな」
悪いのは感情を隠したり嘘を吐くのが苦手な玲ではなく、余計な事をしようとした俺だ。
それが嫌と言う程分かっていたから、素直に謝罪の言葉を口にした。
すると玲は、ちょっと困ったように笑った。
「ううん、奏は悪くないよ。
初めて鈴がライブを見に来てくれたから、いいとこを見せたくて俺が、張り切り過ぎちゃっただけだから。
だけどこれ、どうしたもんかな?
......まともに歩くのも、厳しいや」
椅子に座ったまま足をプラプラと揺らしながら、悔しそうに玲が言う。
その時室外から、男女の言い争うような声が聞こえてきた。
「ホント、勘弁して下さい!
メンバー以外の方は、バックステージ・パスがあっても、今は絶対に入室させるなと言われているんです!」
「はぁ?知らないわよ、そんなの!
今すぐ玲に、会わせて!」
それに驚き、高城さんがドアを開けた。
「あぁ......やっぱり、鈴ちゃんか。
ありがとう。でもこの子なら、大丈夫。
玲の双子の、お姉さんだから」
彼女が被っていたキャップを高城さんは外し、苦笑した。
それを見た男性スタッフの瞳が、カッと大きく見開かれた。
......ついでに、エレンの瞳も。
玲と鈴の顔を見比べて、納得がいったのか、男性スタッフは小さな声で言った。
「あぁ......そう、なんですね。
失礼しました」
鈴が仏頂面でペコリと一礼すると、高城さんが鈴の手を引き、そのまま室内へ。
「玲、大丈夫?
アンタ足、怪我してるでしょ?」
さすが、双子の姉弟。
離れた客席からでもそれに気付き、慌ててやって来たのか。
そして残されたのは気心の知れたJOKERのメンバーと、高城さんだけになった。
「ごめん。俺のせい......だよな」
悪いのは感情を隠したり嘘を吐くのが苦手な玲ではなく、余計な事をしようとした俺だ。
それが嫌と言う程分かっていたから、素直に謝罪の言葉を口にした。
すると玲は、ちょっと困ったように笑った。
「ううん、奏は悪くないよ。
初めて鈴がライブを見に来てくれたから、いいとこを見せたくて俺が、張り切り過ぎちゃっただけだから。
だけどこれ、どうしたもんかな?
......まともに歩くのも、厳しいや」
椅子に座ったまま足をプラプラと揺らしながら、悔しそうに玲が言う。
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「ホント、勘弁して下さい!
メンバー以外の方は、バックステージ・パスがあっても、今は絶対に入室させるなと言われているんです!」
「はぁ?知らないわよ、そんなの!
今すぐ玲に、会わせて!」
それに驚き、高城さんがドアを開けた。
「あぁ......やっぱり、鈴ちゃんか。
ありがとう。でもこの子なら、大丈夫。
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「あぁ......そう、なんですね。
失礼しました」
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