年下俺様アイドルの、正しい飼い方

ryon*

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無駄なバトル②

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 だけど今は、そんな事を気にしている場合じゃない。

 っていうか奏くん、さっきあれだけ柄の悪い姿を華月に見せたのに、今さら可愛いキャラを貫こうとしても、もう遅過ぎるでしょ!

「ううん、気にしないで!
 えっと......あのJOKERの、奏くんですよね?
 こちらこそ驚かせてしまって、ごめんなさい!
 私は千尋の唯一の・・・親友の・・・、華月です」

 貫けた!!!

 ......頬をピンクに染めてそう答えた華月からは、いつもの親父臭い言動や雰囲気はすっかりなりを潜めていた。

 あと、一言多い!何のアピールか知らないけれど、唯一は余計だ!
 ......確かに、その通りだけど。

「はい、皆川 奏です。はじめまして。
 千尋さんの、お友達なんですね」

 今日ステージ上で見せていたのと同じ、まばゆい笑顔。
 それを見て、なんとなく不快な気分になった。

「はじめましてでは、無いですけれどね。
 広告代理店 博王堂の、飯島いいじま 華月と申します。
 一度事務所の方に、マネージャーの高城さんといらして頂いた事がありましたから」

 いつも私に見せる、ギャップ萎えの女王の異名を持つ姿とも、さっき一瞬見せた乙女な姿とも異なる大人びた笑顔。
 奏くんは合点がいった様子で、小さな声で言った。

「あぁ......失礼しました。
 それで千尋さんも、関係者席に居たんですね」

 彼は相変わらず笑顔のままだったけれど、『余計な真似を』という副音声が聞こえた気がした。

「はい。同伴して貰えるよう、お願いしたので」

 何だろう。......急に部屋の空気が、ピリついたモノに変化したような?

 そう思い、恐る恐る華月の方を見たら。
 ......今度は華月が、これまで目にした事の無いくらい凶悪な顔で笑っていた。
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