4 / 7
女神が現れた。 アルベイン視点
しおりを挟む私がまだ王宮騎士団に務める前の闘技大会、そこで私は運命的な出会いをした、その当時、孤児だった私は生きるために闘技大会に出ては怪我の絶えない日々を送っていた。
それでも、闘技大会で名を馳せて人気が出てからは差し入れなどでも食べることに不自由はしなくなり、育ててくれた教会への恩も返すためにがむしゃらに戦って戦って戦う日々に疲れ果てていた。
そんな時だ、小柄な体で精一杯を私を応援してくれた彼女、ルーナと出会ったのは。
いつもなら声援が気になることなんてなかったのに、あの日は違う。
鈴を転がすような可愛らしい声で私を応援する声がやけに耳に残り、振り返ると金色の髪に澄んだ青色の瞳をしたルーナと目が合ったのは一瞬だったが、頬を赤らめて視線を逸らした彼女は天使のようだと思った。
ルーナの身なりでどこかの令嬢だということはわかったから、どうやったら相応しい男になれるだろうか?と考えた。
孤児の私では彼女に相応しくない、そんなのわかっていても恋とは冷静さを欠けるものだと知った。
今まで恋なんてする暇がないくらい生きるのに必死だったから、ルーナが初恋だった。
どうすればいいか頭を悩ませる日々を送っていた時に神の助けとばかりにチャンスは訪れた。
当時の王宮騎士団団長から養子の話が来たからだ、団長は戦場での戦果で男爵位をもらった元平民だ。
この国は国にどれだけ貢献できるかで平民だろうと関係なしに爵位を貰えることを聞いていたから知っていた。
団長の息子になれば、この国に貢献できると考えた当時の私は喜んでその話に飛びついた。
そうして、王宮騎士団に務めるようになって彼女に応援される日々はなくなったものの、ルーナに悪い虫がつかないよう私は色々なところで牽制をし続けた。
それがまさか彼女の自信喪失に繋がるなんて知らずに、どうやら、ルーナは誰からも相手されなかったことで自分に自信がないようだ。
それが私のせいだなんて気づいてないのだろうな、私がルーナに近寄らせないようにしていただけ、彼女は自分の美しさに気づいてない。
私がどれだけ裏で手を回したことか、彼女に近づく悪い虫を排除していたことか。
昨日のパーティーに出席したのもルーナが来ることがわかっていたからだ、婚約者がルーナの友人だと事前に情報を得ていたから私は興味がないパーティーにも出席した。
間近で見たルーナは女神のようだった、友人の婚約を心から喜び、涙を流す姿は美しく、その場にいた未婚の男共も息を飲んでいた。
私が来ていたから、当然遠巻きで見ることしかできなかったようだが。
友人の婚約がそんなに嬉しかったのか、酔ったルーナを介抱するために近づき、自宅へ持ち帰りが成功した、それを見ていた男達はようやくあの二人と思っていたに違いない。
女性達は絶望してる様子だったが、元からルーナ以外には興味がない、剣の腕を磨き、戦場で戦果をあげて成り上がったのも全てはルーナと釣り合う男になるためだ。
ルーナの隣を堂々と歩けるようになるための努力に過ぎない、あの日から私はずっとルーナに心を捧げて生きてきた。
ルーナが酔っていて正常な判断ができないのをいいことに孕ませるつもりで避妊もせずにまぐわった、これだけ私に執着されていると知ったらルーナ、君は失望するだろうか?
結婚を嫌がってるらしい彼女の選択肢を奪って、彼女が観念したのか「今日でいいです」と答えた。
その表情は少し暗い、無邪気に笑う君が見たいのに、そんなに私との結婚は嫌なのだろうか?
あんなに私に熱い視線を向けていて、私を嫌ってるようには見えないが。
10
あなたにおすすめの小説
世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない
二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。
ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。
当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。
だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。
――君の××××、触らせてもらえないだろうか?
義姉の身代わりで変態侯爵に嫁ぐはずが囚われました〜助けた人は騎士団長で溺愛してきます〜
涙乃(るの)
恋愛
「お姉さまが死んだ……?」
「なくなったというのがきこえなかったのか!お前は耳までグズだな!」
母が亡くなり、後妻としてやってきたメアリー夫人と連れ子のステラによって、執拗に嫌がらせをされて育ったルーナ。
ある日ハワード伯爵は、もうすぐ50になる嗜虐趣味のあるイエール侯爵にステラの身代わりにルーナを嫁がせようとしていた。
結婚が嫌で逃亡したステラのことを誤魔化すように、なくなったと伝えるようにと強要して。
足枷をされていて逃げることのできないルーナは、嫁ぐことを決意する。
最後の日に行き倒れている老人を助けたのだが、その人物はじつは……。
不遇なルーナが溺愛さるまで
ゆるっとサクッとショートストーリー
ムーンライトノベルズ様にも投稿しています
冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件
水月
恋愛
「君を愛するつもりはない」
結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。
出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。
愛を期待されないのなら、失望させることもない。
契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。
ただ「役に立ちたい」という一心だった。
――その瞬間。
冷酷騎士の情緒が崩壊した。
「君は、自分の価値を分かっていない」
開始一分で愛さない宣言は撤回。
無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。
以後、
寝室は強制統合
常時抱っこ移動
一秒ごとに更新される溺愛
妻を傷つける者には容赦なし宣言
甘さ過多、独占欲過剰、愛情暴走中。
さらにはリーリアを取り戻そうとする実家の横槍まで入り――?
自己評価ゼロの健気令嬢と愛が一分も我慢できなかった最強騎士。
溺愛が止まらない、契約結婚から始まる甘すぎる逆転ラブコメ
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
契約妻に「愛さない」と言い放った冷酷騎士、一分後に彼女の健気さが性癖に刺さって理性が崩壊した件
水月
恋愛
冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件の旦那様視点短編となります。
「君を愛するつもりはない」
結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。
出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。
愛を期待されないのなら、失望させることもない。
契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。
ただ「役に立ちたい」という一心だった。
――その瞬間。
冷酷騎士の情緒が崩壊した。
「君は、自分の価値を分かっていない」
開始一分で愛さない宣言は撤回。
無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。
【完結】お父様(悪人顔・強面)似のウブな辺境伯令嬢は白い?結婚を望みます。
カヨワイさつき
恋愛
魔物討伐で功績を上げた男勝りの辺境伯の5女は、"子だねがない"とウワサがある王子と政略結婚結婚する事になってしまった。"3年間子ども出来なければ離縁出来る・白い結婚・夜の夫婦生活はダメ"と悪人顔で強面の父(愛妻家で子煩悩)と約束した。だが婚姻後、初夜で……。
憐れな妻は龍の夫から逃れられない
向水白音
恋愛
龍の夫ヤトと人間の妻アズサ。夫婦は新年の儀を行うべく、二人きりで山の中の館にいた。新婚夫婦が寝室で二人きり、何も起きないわけなく……。独占欲つよつよヤンデレ気味な夫が妻を愛でる作品です。そこに愛はあります。ムーンライトノベルズにも掲載しています。
『階段対策会議(※恋愛)――年上騎士団長の健康管理が過剰です』
星乃和花
恋愛
【完結済:全9話】
経理兼給仕のクラリスは、騎士団で働くただの事務員――のはずだった。
なのに、年上で情緒に欠ける騎士団長グラントにある日突然こう言われる。
「君は転倒する可能性がある。――健康管理対象にする」
階段対策会議、動線の変更、手をつなぐのは転倒防止、ストール支給は防寒対策。
全部合理的、全部正しい。……正しいはずなのに!
「頬が赤い。必要だ」
「君を、大事にしたい」
真顔で“強い言葉”を投下してくる団長に、乙女心を隠すクラリスの心拍数は業務超過。
さらに副団長ローレンは胃薬片手に「恋は会議にするな!!」と絶叫中!?
これは健康管理?それとも恋愛?
――答え合わせの前に、まず“階段(概念)“をご確認ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる