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父への挨拶と結婚
しおりを挟む覚悟を決めなければいけない、アルベイン様の童貞を奪ってしまい、私のお腹の中には彼の子供も身篭ってる可能性、もう逃げる方法なんてない。
平民として生きていける知識やそういったものがあれば、家を出て1人で子供を産み育てるのもいいのかもしれないけど、私には無理だもの。
あの後身を清めて、なぜか、アルベイン様からドレスをプレゼントされ、朝食を一緒にしたあと、アルベイン様と共に馬車に乗って私は自宅に戻ってきた。
お父様は大変驚かれた、公爵様を連れ帰ってきたのだから当然だろう。
しかも、その公爵様がモテない娘と結婚したいというのだから。
父は驚いたのは驚いたが、歓迎した。当然だ、モテない娘がとんでもない人を釣り上げたとなれば歓迎するに決まってる。
お父様にとって公爵様との結婚は願っても無いはずだ、だから、反対されるなんてないだろうなと思っていたし、覚悟はしていたけれど、私の意思とは関係なく結婚の話は順調に進み、婚約式を飛ばしてわずかな期間で結婚式の準備まで整ってしまった。
今のところアルベイン様に失望することもないけれど、そんなのわからない。
わからないからこそ、私の生きる糧がなくなったらと思うと辛い。
なぜあの時、泥酔してしまったのか、時間が戻れるなら戻したいくらいだ。
友人たちは大変喜んでくれたけど、アルベイン様との結婚が決まってからずっと胃がキリキリして痛い。
私では相応しくないとか言われるに違いない、そう思ってるのに、誰一人として令嬢たちから何も言われないことに疑問を感じた。
本当に不思議なくらい誰も何も言わないのだ、パーティーを主催しても訪れた人達は祝福してくれるだけ、親友のパーティーに行っても同じように祝福されるだけ、なぜ?と私は結婚が近づくにつれて考えていた。
なぜ、私は誰からも批判されないのか、アルベイン様が裏でなにかしてるのではないのか?
と考えていたけれど、私の予想にしていなかったことをアルベイン様がしていたことを私は知ってしまった。
親友主催のパーティーにアルベイン様と共に出席した時、数人の男性の話し声をたまたま聞いてしまったのだ。
「アルベイン様、ようやくルーナ嬢と結婚のようだな」
「ルーナ嬢狙ってたのになー、アルベイン様のお気に入りだから手を出すなんて無理だったし」
「羨ましいよ、あんな美人で可愛い人と結婚するなんて」
口数に私への褒め言葉とアルベイン様のお気に入りだから、なにもできなかったという彼らの話しに私は驚いた。
私がずっとモテないと思っていたのも、壁の花になっていたのもアルベイン様のせいだった??
そっと肩に触れた手の大きさにドキリと鼓動が跳ね上がった、おそるおそる後ろを振り向けば笑顔をうかべたアルベイン様のお姿に心臓が口からとび出そうだ。
「おや、聞いてしまいましたか?ふふっ、ルーナがモテなかったのは私のせいですよ」
そう微笑むアルベイン様に私はとんでもない男性に捕まったのだと、この時初めて知ることになった。
それでも、結婚の撤回なんてできないから、私は数日後に控えた結婚式に覚悟を決めなければならない。
そうして、私はアルベイン様の深い愛情を感じながら結婚することになった。
推しとの結婚は嫌だったけど、重苦しいほどの愛に包まれて、あの一夜で本当に子供が授かっていた子供を出産して3人で仲良く暮らしてます。
本編END
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