暴食の冒険者〜あ、もう少し魔力濃いめで〜

赤井水

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孤児から冒険者へ

23話ダンジョンのエネルギー問題って何それ?美味しいの?

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カイエンさんと出会ってから1週間が経ち俺は只管魔物を吸収した。


そんなある日不思議な事が起きた。
魔物の出現がしなくなったのだ。

「さっきから全然、魔物に会わないなぁ」

そんなボヤキをしていたら、目の前にとても大きなスライムが現れた。


「レアモンか?取り敢えず『暴食の王』発動」

スライムを、吸収しようとした時にそれは起きた。

スライムも俺を吸収しようとスライムの体内に俺を吸い込もうとして攻めぎあいになったのだ。


面白い循環が出来上がった。
俺はスライムのエネルギーをガンガン吸う、スライムは俺のエネルギーを吸う。

『グラトニースライムを吸収しています。吸収の経験値が上がります』

この音がずっとさっきから鳴っているのだ。

「お前も俺の糧になれ!」

1時間程それを繰り返しているとその時は訪れた。

『グラトニースライムが降伏しました。支配下に置きますか?』

「は?良いの?」

『グラトニースライムが支配下に入りました名前を付けてください』

「グミで!」

『名称グミになりました』

するとグミの大きさは普通のスライムくらいの大きさになった。

『暴食の王のスキルレベルが上がりました』

そこまで聞いた時だった。

「ちょっとちょっとちょっとあんた何なのよーー!どこのダンジョンの回しもんよ!」

俺より少し年上くらいの女の子が急に目の前に現れたのだ。

「誰だ?人間じゃ無さそうだ。よし!グミ食べ「お願いだから聞いてください」えぇぇー……」

女の子が土下座してる。
ドン引きした、女神のポンコツ振りを知った時よりも確実に引いたわ。

「それで?アンタ誰?」

すると女の子はすたっと立ち上がりこちらに人差し指を向けて決めポーズを決めて


「聞いて驚きなさい!私はこのダンジョンのダンジョンマスター!カレンよ!創星の時より私はこの星を守ってるのよ!」

「うん、スゴイネーエラいエラい。じゃ!帰るね」

「ぐぬぬ、信じてないわねってほんとに帰らないでぇぇぇ」

「腕を引っ張るなよ……それで?お前がグラトニースライムを俺に当てたんだろ?何が理由なんだ?」

「そ、それよ!ダンジョンには魔力エネルギーを消費して有機物と無機物を作り魔物を排出するんだけど!
アンタがスキルを使うと本来循環するエネルギーを全部持って行かれるのよ!」

詳しく説明してもらった。そこで今聞いた話を元に考察する。

「あれか?魔物を倒したと同時に粒子化するのは他の部分のエネルギーを循環させてエネルギーを節約してるって事か?」


「そういうことよ!私がコタツでゲームしながらグーダラ生活してたらアラームが鳴りまくるから驚いたわよ!」

はい!転生者確定しました……だるぅ。
この転生者と出会う頻度の高さにウンザリしてます。

「へぇ?何言ってるかわかんないけど、んじゃ俺は師事してる人に従っただけだからこれからもやるけど?」

「うぅ……じゃあその人の所に連れていきなさい!私が直接話をつけるわ!」

「ほんとに?めっちゃ強いぜ?多分ドラゴンより強いけど?」

あ!固まった、そしてブリキ人形の様に首をこちらに向ける。

「う、嘘よね?嘘だよね?ダンジョンで出せる魔物総動員しても負けちゃうかもしれないんですけど!」

涙目で懇願して来るが俺にはどうしようも無い現実でもある。


仕方ないので腕に引っ付いて離れないのでそのままカイエンさんの居る洞窟に無理矢理引っ張って連れてった。

『む?ヴィンどうしたべが?何か問題でも起きたんが?』


「りゅ、龍人……ぶくぶくぶく」

カレンはカイエンさんを見た瞬間泡を吹いて倒れた。

『何だ?その女子は?それにそのスライムも強力だっペな。ヴィンの魔力を感じるって事は支配下に置いたって事か?』

俺は頷きグミを俺の頭に乗せる。

「グミって言います。この倒れているこのダンジョンのダンジョンマスターのカレンが俺の排除の為に出した魔物だったんですけど……

吸収勝負で勝ったら支配下に入りました!」


『む?ダンジョンマスターだっぺか?珍しい事もあるもんだ。
滅多に人の前に姿を現さないんだっぺよ!』


「あ!なんか俺のスキルで魔物を吸収すると本来7~8割回収出来る魔力エネルギーを全部持って行かれて多分エネルギー不足になりかけたんだと思います」


『循環で補ってたって事が?』

「多分。そしてこの子も転生者ですけど多分引きこもってたんで立場は中間だと思います。
コタツでグーダラ生活してたって言ってたし創星からダンジョン経営してるらしいんで」


俺は事情を説明した後カレンの肩を揺するが中々起きない……うむ、困ったな。

「おい!ババア!」

「ちょっとー!誰がババアよ!こんな可憐なカレンちゃんが見えないの!」

「いや……創星の時からって最年「あーあーあーあーきーこーえーなーいー」」

俺はカレンの肩を掴みカイエンさんに向ける。

『ダンジョンマスター、オラはカイエンって言うっぺよ。よろしくな!』

「あら?転生者ね?すんごい東北訛りね」

カイエンさんが一瞬俺の方を見たが首を横に振る。
それで俺が転生者と伝えてない事を理解してくれた。

「なぁ?カレンさぁ。さっき、げ、ゲェムん?ゲームって言ってたけどそれなんだ?」

ここまで来たらガッツリ誤魔化そうとする。


するとカレンは空間の揺らぎから明らかにこの世界には無いだろって言うゲームを出しやがった。

俺はそれを見て動揺した。
だってそれは俺が前世で生きてた頃に流行っていたゲーム機だったから。

「じゃじゃーん!どうよ!この世界の人達には決して扱えないし作れない素晴らしいゲームよ!」

いやそりゃそうだろうよ電気が無いからな。

「あっちでの最近の流行りのゲームらしいわ!」

あ……この子のチートはあちらの物を取り寄せる能力らしい。

「へぇ、使い方分からんもんより美味しものないの?」

すっげぇ自慢するような顔をしだした。

「仕方ないわねぇ。聞いて見て驚きなさい!牛丼・コーラセット~」

何故声を震わせるのかそれはババアへぶし

「痛てぇな!何すんだよ!」

「あんた今失礼なこと考えたでしょ?それでまずは食べてみてよ?」

俺は牛丼を受け取りよく見るとカイエンさんも受け取っていた。

『へぇオラが生きてた頃より食材が多くなったんだな』

としみじみとしていた。

「へぇ、カイエンって言ったっけ?貴方いつの時代の人なの?」

ナイス質問。
俺も聞きたかったけど聞けなかったんだよね

『幕府があった時代で尚且つ開国を迫ってた時期だっペな』

ちょ、まてぇい!江戸から明治やろ?なぁ倒幕って江戸だよね?
確か牛丼の原形の料理がありそうなのは江戸から明治時代だからやばくね?

「え?貴方意外と若いのねぇ……」

「は?カレンは?」

「私は有名よ!邪馬台国の「『ストップ!!!』」何よ!言わせなさいよ!」

『前世は前世だっぺな、個人名まで言うのは良くないっぺよ』

するとカレンは俺にジト目を向けて来た。

「ねぇぇぇ?ヴィン?」

「ん?何か?ゲフッ」

「あんたも転生者よね?」

「なして?」

「それ?」

指差されたのはコーラだった。

俺はあちゃーと手を頭に当てる。

「そこは瓶にしてくれよ!失敗したわっ!」

こっちの世界の人がペットボトル初見で普通に開けるのは違和感バリバリだもんな。


 「何で黙ってたのよ!」

「まぁ、俺にも色々あるって事さ!」


ギャーギャーワーワー言ってるそばでペットボトルの開け方がわかったカイエンさんは飲んでみて驚いていた。

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感想 1

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みんなの感想(1件)

A・l・m
2023.10.20 A・l・m

文は荒いけど中身はおもしろい。


……名前を呼んではいけない(わけじゃない)あの人は、主人公に名前を貰ったりするのだろうか?

解除

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