エルダーストリア-手垢まみれの魔勇譚―

秋山静夜

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第一譚:無垢純白の勇者譚

設定解説③

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 設定解説の最終編、魔王アゼルの解説になります。

 前回提示した上位魔族(貴族)の一般的なステータスがこちらでした。

   魔族(貴族) Lv200 HP2000/2000 
                MP2000/2000
         攻撃力600 防御力(MPが防御力相当のため計算せず。)
         毎ターンのMP回復量200

 はい、封印前のアゼルはざっとこの10倍くらいと予想されます。

   魔王アゼル(推定値)
          Lv2000 HP20000/20000
          MP20000/20000
          攻撃力6000 防御力(MPが防御力相当のため計算せず。)
          毎ターンのMP回復量2000

 何故、予想とか推定とか曖昧なのかというと、本編で彼が述べている通り、封印前の状態でアゼルは全力を出したことがないので、MAXのステータスがどんなものかは本人もよく分かっていないからです。
 少なくともイリアとの戦闘時はこんな感じのステータスで戦っていたとお思いください。

 いずれにしろ破格の数値、人間に打倒できる存在ではありませんね。

 それではイリアのステータスの復習です。

   勇者イリアLv99(アミスアテナなし)
         Lv99 HP999/999
         攻撃力200(但し「魔」属性相手には固定ダメージ+100)
         防御力200(但し「魔」属性の攻撃は90%軽減、ダメージ削減200)

  アミスアテナ 攻撃力200(「魔」属性相手には固定ダメージ+100、但し「魔」属性以外には攻撃力0)
  また、「魔」属性からの攻撃に対してダメージ削減200。


 あ、あと前回解説しそこねていましたが、聖剣の攻撃はMP、HP両方に同時に入ります。
 解説に矛盾がある箇所がありましたら、後日訂正しておきます。

 というわけで、勇者イリアが魔王アゼルに攻撃した場合、

  本人の攻撃力200+固定ダメージ100+アミスアテナの攻撃力200+固定ダメージ100
  ですので合計600のダメージがHPとMPに与えられます。

  魔王アゼル HP19400/20000 MP19400/20000
  
  しかし魔王アゼルは毎ターン2000MPを回復しますので、

  MP19400/20000 ➡ MP20000/20000

  となり、さらに余剰回復の1400はHPの回復に回されるため、

  HP19400/20000 ➡ HP20000/20000

  と、要は毎ターン全回復されてしまったわけですね。

  反して魔王アゼルの勇者イリアへの攻撃は、

  魔王アゼルの攻撃力が6000、に対して勇者イリアは「魔」属性の攻撃を90%削減できるので、

  6000ダメージ ➡ 540ダメージ
 
  となり、さらにイリア、アミスアテナそれぞれに固定ダメージ削減200があるため、

  540ダメージ ➡ 140ダメージ(-200、-200)

  となるため、毎ターンの攻撃で勇者イリアは140ダメージ食らっていたわけですね

 勇者イリアからすると痛いダメージですが、魔王アゼルからすれば「なんでコイツ死なないいんだ」と疑問に思っている状態でした。

 ジリ貧に追いつめられていたイリアは毎ターン自身に100のダメージと引き換えに攻撃力400アップ、

 これによりイリアからアゼルへの攻撃ダメージがHPダメージ1000、MPダメージ1000となり、アゼルの回復量とトントンになります。この影響でアゼルの姿が鮮明となるわけですね。

 また、次のターンから聖剣アミスアテナは魔王アゼルの封印を画策し(目標は魔王のMPの4分の1ほどを減らすこと)、HPダメージもMPダメージに加算されるように調整します。(つまりMPへのダメージが2000)

 この後、魔王アゼルと勇者イリアは聖剣を通じて接触状態となり、勇者イリアは「共振」を仕掛けます。

 これにより両者とも毎ターン行動不能となるわけですが、行動不能時でも接触していればMPダメージは発生するのでアゼルはMPダメージ2000、イリアはHPダメージ100を受けます。

 あと数ターンでイリアは自滅するところですが、魔王アゼルは強引に毎ターン行動不能を解除しようとします。その代償にMP回復が行われなくなります。

 魔王アゼルは2ターンかけて行動不能が解除となる瞬間、MPダメージが合計6000に到達し、アミスアテナの封印条件を満たしてしまったため、ギリギリのところで封印されることとなりました。



 長くなりましたが、始まりの戦いがどのように動いていたかの理解の助けになればと思います。
 
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