エルダーストリア-手垢まみれの魔勇譚―

秋山静夜

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第一譚:無垢純白の勇者譚

設定解説④

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 設定解説、最終編・続です。
 
 封印後の魔王アゼルはレベル99、約20分の1まで能力低下を引き起こしていますので以下のようなステータスとなります。


 魔王アゼル(封印前)
          Lv2000 HP20000/20000
          MP20000/20000
          攻撃力6000 防御力(MPが防御力相当のため計算せず。)
          毎ターンのMP回復量2000

   ↓
   ↓


 魔王アゼル(封印)
          Lv99 HP1000/1000 MP1000/1000
          攻撃力300 防御力(MPが防御力相当のため計算せず。)
          毎ターンのMP回復量500


 MPの回復量のみレベルの変化による影響が比較的少ないため、4分の1程度の制限となっています。


 そして封印直後の黒騎士アベリアとの戦闘ですが、


 黒騎士アベリア(聖剣イグニス装備)+魔法の加護付与状態(3ターン)
        Lⅴ80 HP700/700 
        攻撃力200+150(魔法付与) 
        防御力100+200(魔法付与)

 アベリアは味方の魔法使いから戦闘補助の魔法を付与されているため、ステータスが上記のように大幅に強化されています。

 ターン1
 
 ・黒騎士アベリアの先制攻撃
   本来の攻撃力200に加えて魔法付与の効果+イグニスによる火属性ダメージで合計370のMPダメージ。
   また、前回の説明であったように聖剣はHPにもダメージ効果があるためHPに100ダメージ。
   (聖剣アミスアテナと聖剣イグニス含む一般的な聖剣では根っこの部分に違いがあるため、HPダメージは本来の攻撃力の半分のみ。)

   よって、
   魔王アゼル(封印)
   Lv99  MP1000/1000 ➡ MP630/1000
         HP1000/1000 ➡ HP900/1000

   となり、ターン終了時にMP500回復のため、

         MP650/1000 ➡ MP1000/1000

   余剰回復分の130がHP回復に回されて、

         HP900/1000 ➡ HP1000/1000  

   と、黒騎士アベリアの猛攻ですが、完全回復されてしまいます。


 と言っても、アゼルからすれば回復力で誤魔化せてはいるものの、まともにダメージを喰らっている感じはあります。

 また、魔王アゼルの攻撃も、攻撃力300に対して、黒騎士アベリアの魔法付与込みでの防御力が300なためダメージが通りません。

 一騎士との戦闘が拮抗するなどアゼルにとってはあり得ないことであり、黒騎士アベリアを強敵認定します。

 しかし、アベリアからすれば魔法による一時的な強化であり、強化の効果が切れてしまえば途端に負けが決定づけられてしまう上、このタイミングでイリアがバックの魔法使いを倒しにいったので必死で猛攻をしかけます。
 
 火属性の聖剣イグニスの能力を限界以上に引き出そうとして、自身に20ダメージと引き換えに相手に属性ダメージ40の状態となります。

 対する魔王アゼルは、魔法切れを待って勝つことなど魔王の矜持が許さないため魔法の効果中にどうにか倒そうとします。(この時点で魔法の効果は残り2ターン)

 ここで魔王アゼルは作中終盤でイリアとの対決で使用した決戦技「アルス・ノワール」のチャージに入ります。

 「アルス・ノワール」はチャージターン分のMP回復量がダメージに加算される範囲攻撃技です。
 本当は1ターンチャージで技を放ちたかったアゼルですが、それではアベリアを倒すのには不十分と思い2ターンチャージに切り替えます。

 結果、MP回復量500×2(チャージターン)=1000が攻撃力に加わり、1300のダメージ判定となります。

 黒騎士アベリアの防御力が魔法込みで300ですので、
 1300-300=1000のHPダメージでアベリアは吹っ飛んでいくことになりました。

 HP700のアベリアに対して1000のHPダメージなので本来は即死なのですが、イリアの張っていたスノウベール(白い結界)の効果で程よく威力が減衰したためアベリアは助かります。


 
 

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