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第二譚:灼銀無双の魔法譚
設定用語③
しおりを挟むエミル魔法技紹介
風纏…
周囲の風のジンを活性化して自身の攻撃力、防御力、スピードを強化するエミルの固有魔法。本来は後衛の魔法使いが前衛の戦士にかける補助魔法、アーマドシルフ。エミルレベルの魔法構築速度と戦闘能力がなければ前衛の技として成立しない。
武蓮疾歩…
50m程度の距離でも一歩で踏み込むエミルの固有魔法。踏み込む際に風のジンと地のジンを魔法で反発させることで爆発的な移動を可能とする。難点は直線的な軌道しかとれないこと。
五爪掌…
五つの爪を立てた掌底を敵に打ち込み、それぞれの指から違う属性の魔法をゼロ距離で放つ極悪技。
本来は五人の魔法使いがいて成立する魔法、クィンテッド・エレメントの簡易版。
魔法の成立速度、多属性の魔法の平行運営、そして武術における十全な身体運用、が高いレベルで調和することで完成する、まさにエミル・ハルカゼを体現したかのような魔法技。
エアリアル…
そよ風からちょっと強い強風まで、大気をほどよくコントロールする便利魔法。それなりに優秀な魔法使いなら詠唱破棄は可能。エミルのおかしなところは、アゼルとの戦闘中もこのエアリアルでローブのコントロールを行なっていたことだろうか。
アース・エッジ…
相手の足元から土石でできた槍を突き出す、殺意満天の魔法。通常であれば両手を地面に当てて詠唱を行なう。しかしマナー知らずなエミルは地面を踏みつける一動作でこの魔法を成立させてしまう。
アゼル相手だから目立たないが、ミドルレンジから踏み込み一つで成立するこの魔法技は対人戦においては結構なチート技。
エレメンター (十爪掌)…
先の五爪掌を両手で打ち出す技。近接で行なえば十爪掌。遠距離技として使用すればエレメンターと呼び分ける。こちらは五爪掌よりも溜め時間があるため、基本的に近接では使用しない。そもそもこれも10人以上の高レベル魔法使いがいて初めて成立する魔法。発動すれば魔法エネルギーが虹色の奔流となって敵を襲う。これを腰だめで放つエミルの姿は、そう、まるでかめ〇め波。「撃たせませんよ!」(byイリア)
まあ、今後使用することはないでしょう。
震腕…
震脚の腕バージョン。ただしエミルが行うと文字通り大地が震える。理屈の上では魔力を大地に透して地属性のジンを活性化させて地揺れを引き起こしている。この技は被害を広げることより、むしろ抑えることの方が難しいが、エミルは神掛かったセンスで被害を任意の箇所のみに限定している。
雷神の裁き(トール・ジャッジメント)…
この技も個人では(以下略……
改まって、
この魔法は魔力だけではなく相応の雷属性のジンが存在しなければ成立しない魔法。
しかしエミルはジンが内包されている魔道具を持ち歩かないので通常の常識であれば不可能であった。(ローブにも多属性のジンが含まれているがごく微量)
エミルはこれを魔法の重ね掛けを行なうことで解決する。
わずかな静電気を起こす程度のジンを足掛かりに、魔法を徐々に大きくしていき、最終的には国の大軍を圧倒するほどの落雷を引き起こした。
作中で魔法使いの子供から指摘されているように、こういった魔法の極大化は非常に危険な行為である。
例えるならば、マッチ一本を起点に瞬間的な山火事を起こす為に、大量のガソリンをばら撒いて気化したところにマッチを投げ込むようなもの。
普通は大爆発とともに本人は焼け死ぬだろう。
エミルはこの一歩間違えば自爆という行為を、培った繊細な技術と持って生まれたセンスをもって難なく成し遂げる。
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