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第三譚:憎悪爆散の魔人譚
人物紹介①
しおりを挟む勇者イリア:
イリア・キャンバス、17歳。本来はスレンダー体形(胸部装甲薄め)な美少女だが、魔王とセットの封印によって10歳くらいの女の子になっている。
晴れて今回の章にて封印が若干緩んで12歳の少女へとランクアップ。レベルも1から10くらいにまで上昇したが、本人にとっては胸部装甲がちょっと厚くなったことの方が重要。
探していた聖刀使いには出会えず、代わりに謎の魔人と知り合いになる。
彼女の博愛的かつ無差別な優しさは思春期の少年を勘違いさせるのには十分で、彼女の誠実かつ虚飾のない「お返事」は少年の初恋をぶった切るには過剰(オーバーキル)だった。
魔王アゼル:
アゼル・ヴァーミリオン、約200歳。本来の外見は20代後半、身長も180cm後半のイケメン……であったが現在は聖剣アミスアテナによって力の本体を封印されて小さな妖精のような姿になっている。
しかし、今回の章の果てに妖精から5、6歳の幼児へとランクアップした。(本当にランクアップか?)
今章では魔人ルシアの暴走によって斬られる、撃たれる、貫かれるとまあ散々な被害を受けた。
だがまあ一番彼にとってダメージが大きかったのは例の人工呼吸であろうが。
イリアに贈られた首飾りについては、「へえ、面倒くさいことをする物好きもいたもんだ。」と白々しく知らぬ存ぜぬの一点張りである。
聖剣アミスアテナ:
今回も聖剣としての活躍はほぼなし。
代わりに聖剣愛好家のクロムに好きなように弄ばれた。
が、その不幸を美少年と美青年の濃厚接触を鑑賞することで取り戻す。(それでいいのか聖剣?)
魔王の封印が緩み始めたことについては「───────────────っ」と、開いた口が塞がらないご様子。
魔人ルシア:
イリアたちの前に突如現れた魔人。
15、6歳くらいの少年であり、ビジュアルは灰色の髪に白のメッシュ、瞳はオッドアイ、首輪に手首の鎖、穴あき手袋に腕に巻きつけられた包帯、黒コートを羽織り、両手にはそれぞれ長剣と拳銃を持つという中二っぷり。
彼の生い立ちは悲哀に満ち、彼の未来は絶望で閉ざされていた。
しかし、今章の戦いの果てにかろうじて閉ざされた未来に穴が開く。
まあうっかり先走って告白をしたせいで、その未来もポッキリ折れかけたのだが。
レベル面ではイリアとアゼルの足元にも及ばないが、心の頑丈さ、不撓不屈さはアゼル以上。
何故か、相手のレベルと職種が分かったりもする。
鍛冶師クロム:
筋骨隆々の無骨で優しい鍛冶師。
現在は聖刀を作っていないらしい。
実は魔人伝説に語られる魔人その人。
自身の境遇もあって魔人ルシアをどうにか救えないかと画策していた。
たまたま現れたイリアに大事な売り物を台無しにされるが、代わりに貴重な高純度の魔石が手に入ったからまあ良し。
彼が作り直した聖鉄の首飾りはイリアに実によく似合っている。
賢王グシャ:
ハルジア国の王、グシャ・グロリアス。
今回はお忍びで他国に来訪していたところをイリアと鉢合わせになる。
彼が国政の全てを担っているため、彼が気軽に国を出ると簡単に国が麻痺する。
その為、彼に近しい臣下ほどたまに地獄を見る羽目になる。
マッドサイエンティストの男:
ジェロア・ホーキンス。痩せ形で丸眼鏡をかけた科学者。
今回の事件の諸悪の根源と言ってもいい。
賢王との関係は不明だが、どうやら過去に魔王アゼルと確執があったようである。
マッドな分、研究の腕は確かで現在の技術水準の数段上の品物を作り上げる。
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