2 / 27
転生者
しおりを挟む
そもそも私は異世界からこの世界へ来た転生者だ。
前世は空想物語に憧れるただのいき遅れ喪女。
職業は書店員、大好きな本に囲まれて、給料も全部異世界につぎ込んで。
クリスマスも、バレンタインも、大晦日も、本さえあれば淋しくなんかなかった私がまさかのテンプレトラックに轢かれて死亡。覚めたら公爵令嬢……の婚約破棄ステージ上。
そしてどうせ生き返るならさ、ね? 巻き戻しってあるじゃん。そうしたら婚約破棄までにもっと準備出来るし、なんならルミカと幸せになるようにいっさい二人には近づかないって。
それが毎回、婚約破棄の場での生き返り。
ゴールディ公爵家はグランリーズ王国で力を持つ四大公爵家の中の一つで、国してもそうそう我が家に好き勝手は出来ない。国に金を貸しているという噂もあるのだから。
だけどアレクサンダー皇太子はちょっとバカでそういう所も理解していない。そしてアレクサンダー皇太子の母親、皇后様は四大公爵家筆頭のゲオドラ公爵家の出、さらに息子を溺愛しており鶴の一声で全て通ってしまうのだ。
うちには下に弟妹がいる。だからゴールディ公爵家としては私一人の犠牲で国王、四大公爵家に対し穏便に済ませるのなら従うしかない。
もちろん、国外追放の為に軍資金や知人を頼れるように手配をしてくれるのだけど、結局、私はいつも死んでしまう。
なんかの罰ゲームかな?
死ぬのは仕方ないとして、もう生き返らせないで欲しい。
「アレクサンダー様からの婚約破棄、承りましてございます。どうぞ、お幸せに」
と私は精一杯美しく見えるようなカーテシーをしてから微笑んで見せた。
「う、エアリス、言い訳もしないとい言うことは認めるのだな!」
と皇太子が言ったけど、
「皇太子様、婚約者でもないのに私の名をお呼びにならないでください。これ以降、私をお呼びになるならゴールディと。そして貴方様がおっしゃった事は全て事実無根でございます。私は何一つ、この場で釈明しなければならない事はございませんわ」
「ル、ルミカ嬢をいじめただろう! ルミカにあらぬ疑いをかけて、仲間はずれにしひとりぼっちにしだだろう! ドレスを汚し、恥をかかせ!」
「私は何も……ただ婚約者でもない女性が皇太子様と二人で親密になさるのはよろしくありません、と助言さしあげただけで……」
「黙れ! 黙れ! そうやっていつも賢さをひけらかすだけで、人の心など持ってないかのようなその冷たい態度! 美しく着飾らせた人形でも側に置いておく方がましだ!」
皇太子の言葉に会場はシーンとなり、皇太子の腕の中でルミカだけが勝ち誇った笑顔をした。
確かに私は表情が乏しく、笑顔も苦手だ。本を読んでいるだけが幸せで、でも皇太子妃候補に選ばれ、婚約者になってからは厳しい王妃教育も我慢して頑張って勉強したのに。
前世は空想物語に憧れるただのいき遅れ喪女。
職業は書店員、大好きな本に囲まれて、給料も全部異世界につぎ込んで。
クリスマスも、バレンタインも、大晦日も、本さえあれば淋しくなんかなかった私がまさかのテンプレトラックに轢かれて死亡。覚めたら公爵令嬢……の婚約破棄ステージ上。
そしてどうせ生き返るならさ、ね? 巻き戻しってあるじゃん。そうしたら婚約破棄までにもっと準備出来るし、なんならルミカと幸せになるようにいっさい二人には近づかないって。
それが毎回、婚約破棄の場での生き返り。
ゴールディ公爵家はグランリーズ王国で力を持つ四大公爵家の中の一つで、国してもそうそう我が家に好き勝手は出来ない。国に金を貸しているという噂もあるのだから。
だけどアレクサンダー皇太子はちょっとバカでそういう所も理解していない。そしてアレクサンダー皇太子の母親、皇后様は四大公爵家筆頭のゲオドラ公爵家の出、さらに息子を溺愛しており鶴の一声で全て通ってしまうのだ。
うちには下に弟妹がいる。だからゴールディ公爵家としては私一人の犠牲で国王、四大公爵家に対し穏便に済ませるのなら従うしかない。
もちろん、国外追放の為に軍資金や知人を頼れるように手配をしてくれるのだけど、結局、私はいつも死んでしまう。
なんかの罰ゲームかな?
死ぬのは仕方ないとして、もう生き返らせないで欲しい。
「アレクサンダー様からの婚約破棄、承りましてございます。どうぞ、お幸せに」
と私は精一杯美しく見えるようなカーテシーをしてから微笑んで見せた。
「う、エアリス、言い訳もしないとい言うことは認めるのだな!」
と皇太子が言ったけど、
「皇太子様、婚約者でもないのに私の名をお呼びにならないでください。これ以降、私をお呼びになるならゴールディと。そして貴方様がおっしゃった事は全て事実無根でございます。私は何一つ、この場で釈明しなければならない事はございませんわ」
「ル、ルミカ嬢をいじめただろう! ルミカにあらぬ疑いをかけて、仲間はずれにしひとりぼっちにしだだろう! ドレスを汚し、恥をかかせ!」
「私は何も……ただ婚約者でもない女性が皇太子様と二人で親密になさるのはよろしくありません、と助言さしあげただけで……」
「黙れ! 黙れ! そうやっていつも賢さをひけらかすだけで、人の心など持ってないかのようなその冷たい態度! 美しく着飾らせた人形でも側に置いておく方がましだ!」
皇太子の言葉に会場はシーンとなり、皇太子の腕の中でルミカだけが勝ち誇った笑顔をした。
確かに私は表情が乏しく、笑顔も苦手だ。本を読んでいるだけが幸せで、でも皇太子妃候補に選ばれ、婚約者になってからは厳しい王妃教育も我慢して頑張って勉強したのに。
1
あなたにおすすめの小説
酔っぱらい令嬢の英雄譚 ~チョコレートを食べていたら、いつの間にか第三王子を救っていたようです!~
ゆずこしょう
恋愛
婚約者と共に参加するはずだった、
夜会当日──
婚約者は「馬車の予約ができなかった」という理由で、
迎えに来ることはなかった。
そして王宮で彼女が目にしたのは、
婚約者と、見知らぬ女性が寄り添う姿。
領地存続のために婿が必要だったエヴァンジェリンは、
感情に流されることもなく、
淡々と婚約破棄の算段を立て始める。
目の前にあった美味しいチョコレートをつまみながら、
頭の中で、今後の算段を考えていると
別の修羅場が始まって──!?
その夜、ほんの少しお酒を口にしたことで、
エヴァンジェリンの評価と人生は、
思いもよらぬ方向へ転がり始める──
婚約破棄された伯爵令嬢は隣国の将軍に求婚され、前世の記憶を取り戻す
nacat
恋愛
婚約者である王太子に身に覚えのない罪を着せられ、婚約破棄された伯爵令嬢エリシア。
廷臣たちの嘲笑の中、隣国の若き将軍ライナルトが現れ、「ならば、俺が君を妻にしよう」と求婚する。
彼はただの救い手ではなかった。エリシアの“前世の記憶”と深く結びついた存在だったのだ——。
かつてすべてを失った令嬢が、今世では誰より強く、愛され、そしてざまぁを下す。
溺愛と逆転の物語、ここに開幕。
地味令嬢、婚約破棄されたので隣国で拾われました~冷酷王太子様の溺愛が激しすぎて困ります~
sika
恋愛
社交界では目立たない“地味令嬢”として笑われてきたエリス。婚約者である公爵家の跡取りに裏切られ、婚約破棄された夜、彼女はすべてを捨てて隣国へと渡る。
行き倒れた彼女を拾ったのは、冷酷無比と恐れられる隣国の第一王太子・レオン。
「俺のそばにいろ。もう誰にも傷つけさせない」
愛を信じられなかった彼女が次第に心を開く時、元婚約者たちは地に落ちる――。
ざまぁと溺愛が織りなす、甘く痛快な再生ロマンス!
婚約破棄された幼い公爵令嬢、目覚めたら絶世の美女でした
鍛高譚
恋愛
『幼すぎる』と婚約破棄された公爵令嬢ですが、意識不明から目覚めたら絶世の美女になっていました
幼すぎる、頼りない――そんな理由で婚約者に見限られた公爵令嬢シルフィーネ。
心ない言葉に傷ついた彼女は、事故に遭い意識不明となってしまう。
しかし一年後、彼女は奇跡的に目を覚ます。
そして目覚めた彼女は――かつての面影を残しつつも、見る者すべてを惹きつける絶世の美女へと変貌を遂げていた!
周囲の反応は一変。婚約破棄を後悔する元婚約者、熱視線を送る他家の令息たち、さらには王太子からの突然の縁談まで舞い込み――?
「もう、誰にも傷つけられたくない。私は私の幸せを手に入れるの」
これは、冷たく突き放された少女が美しく咲き誇り、誇りと自由を手に入れる、ざまぁ&逆転恋愛劇。
婚約破棄された悪役令嬢ですが、私の”役目”に気づいたのは冷酷公爵だけでした
ria_alphapolis
恋愛
悪役令嬢と呼ばれ、
王太子から公衆の面前で婚約破棄された令嬢――
彼女は、何も語らぬまま王都を去った。
誰も知らない。
彼女が国を守るため、
あえて嫌われ役を演じ続けていたことを。
すべてを失ったはずの彼女の前に現れたのは、
冷酷無比と噂される公爵。
彼だけが、彼女の行動に違和感を覚え、
やがて“役目”の真実にたどり着く。
これは、
国のために悪役を演じた令嬢が、
役目を終え、
一人の女性として愛されるまでの物語。
『お前を愛する事はない』なんて言ってないでしょうね?
あんど もあ
ファンタジー
政略結婚で妻を娶った息子に、母親は穏やかに、だが厳しく訊ねる。
「『お前を愛する事は無い』なんて言ってないでしょうね?」
契約婚のはずが、腹黒王太子様に溺愛されているようです
星月りあ
恋愛
「契約結婚しませんか? 愛を求めたりいたしませんので」
そう告げられた王太子は面白そうに笑った。
目が覚めると公爵令嬢リリカ・エバルディに転生していた主人公。ファンタジー好きの彼女は喜んだが、この国には一つ大きな問題があった。それは紅茶しかないということ。日本茶好きの彼女からしたら大問題である。
そんな中、王宮で日本茶に似た茶葉を育てているらしいとの情報を得る。そして、リリカは美味しいお茶を求め、王太子に契約結婚を申し出た。王太子はこれまで数多くの婚約を断ってきたため女性嫌いとも言われる人物。
そう、これはそのためだけのただの契約結婚だった。
それなのに
「君は面白いね」「僕から逃げられるとでも?」
なぜか興味をもたれて、いつしか溺愛ムードに突入していく……。
「お前を愛することはない」と言われたお飾りの妻ですが、何か?
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することはない!」「そんな事を言うために女性の寝室に押し入ったのですか? もう寝るつもりで化粧を落として髪をほどいて寝着に着替えてるのに! 最っ低!」
仕事大好き女が「お飾りの妻最高!」と恋愛感情無しで結婚したらこうなるよね、というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる