氷の令嬢、国で一番の美姫とか言われてるけど、ただの怠け者の転生者です、婚約破棄? OKっす。

猫又

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転生者

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 そもそも私は異世界からこの世界へ来た転生者だ。
 前世は空想物語に憧れるただのいき遅れ喪女。
 職業は書店員、大好きな本に囲まれて、給料も全部異世界につぎ込んで。
 クリスマスも、バレンタインも、大晦日も、本さえあれば淋しくなんかなかった私がまさかのテンプレトラックに轢かれて死亡。覚めたら公爵令嬢……の婚約破棄ステージ上。
そしてどうせ生き返るならさ、ね? 巻き戻しってあるじゃん。そうしたら婚約破棄までにもっと準備出来るし、なんならルミカと幸せになるようにいっさい二人には近づかないって。
 それが毎回、婚約破棄の場での生き返り。

 ゴールディ公爵家はグランリーズ王国で力を持つ四大公爵家の中の一つで、国してもそうそう我が家に好き勝手は出来ない。国に金を貸しているという噂もあるのだから。
 だけどアレクサンダー皇太子はちょっとバカでそういう所も理解していない。そしてアレクサンダー皇太子の母親、皇后様は四大公爵家筆頭のゲオドラ公爵家の出、さらに息子を溺愛しており鶴の一声で全て通ってしまうのだ。
 うちには下に弟妹がいる。だからゴールディ公爵家としては私一人の犠牲で国王、四大公爵家に対し穏便に済ませるのなら従うしかない。
 もちろん、国外追放の為に軍資金や知人を頼れるように手配をしてくれるのだけど、結局、私はいつも死んでしまう。
 なんかの罰ゲームかな?
 死ぬのは仕方ないとして、もう生き返らせないで欲しい。 
 
「アレクサンダー様からの婚約破棄、承りましてございます。どうぞ、お幸せに」
 と私は精一杯美しく見えるようなカーテシーをしてから微笑んで見せた。
「う、エアリス、言い訳もしないとい言うことは認めるのだな!」
 と皇太子が言ったけど、
「皇太子様、婚約者でもないのに私の名をお呼びにならないでください。これ以降、私をお呼びになるならゴールディと。そして貴方様がおっしゃった事は全て事実無根でございます。私は何一つ、この場で釈明しなければならない事はございませんわ」
「ル、ルミカ嬢をいじめただろう! ルミカにあらぬ疑いをかけて、仲間はずれにしひとりぼっちにしだだろう! ドレスを汚し、恥をかかせ!」
「私は何も……ただ婚約者でもない女性が皇太子様と二人で親密になさるのはよろしくありません、と助言さしあげただけで……」
「黙れ! 黙れ! そうやっていつも賢さをひけらかすだけで、人の心など持ってないかのようなその冷たい態度! 美しく着飾らせた人形でも側に置いておく方がましだ!」
 皇太子の言葉に会場はシーンとなり、皇太子の腕の中でルミカだけが勝ち誇った笑顔をした。
 確かに私は表情が乏しく、笑顔も苦手だ。本を読んでいるだけが幸せで、でも皇太子妃候補に選ばれ、婚約者になってからは厳しい王妃教育も我慢して頑張って勉強したのに。

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