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あわや国外追放
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リリアン様は私の方を見て、暖かみのある可愛らしい笑顔を見せた。
「エアリス様、彼女は私の妻で、リリアン、リリアン・ウエールズです」
とガイラス様が紹介してくれたので、私も会釈して、
「私はエアリス・ゴールディです」
とだけ言った。
「エアリス様、あちらでお話しでもさせていただけませんか? 私は魔法学園も出ていない部外者でございますが、エアリス様ももうこちらにご用はありませんでしょう?
とリリアン様が言ってくれたので、それもそうか、と、
「はい、私、殿下に婚約破棄されましたし、きっと国外追放を言いつかりますので、早く準備をしなければなりません」
と答えると、
「はあ?」
とリリアン様が眉をしかめ、
「ガイラス様、そんな一方的に婚約破棄しといて国外追放とか酷くないですか? ルミカ様をいじめたとか、根も葉もない噂だけ信じて公爵家の令嬢を国外追放とか。皇太子様ともあろう方が?」
とガイラス様に問う。
「まさか、皇太子殿下は次期国王になられる方だ。慎重に調査をした上でなければそのような判断は下されない。だが、ゴールディ公爵令嬢を国外追放とするならば、よほどの証拠があっての事だと思う。もちろん、それを全て提示して上で、国王にしかるべき処罰を願い、それからゴールディ公爵家へ知らされる事だろう。このパーティ会場で安易に言葉に出されるはずがない。エリアノ伯爵令嬢の言葉だけで、ゴールディ公爵令嬢が国外追放などありえない」
とガイラス様が言ってくれた。
ガイラス様は以前はいつでもどこでも鎧の騎士姿だったので、素顔を見た人は少ないのだけど、最近騎士団を引退したとかで、普通に貴族の装いだった。日焼けした褐色の肌に精悍なお顔、背が高く、すらっとしてイケメンだなぁ。
その横のリリアン様がちっちゃくて、細くて可愛くて、白い肌に金髪碧眼とか、マジ天使みたいだぁ。
「そうですわよね、それなら安心ですわ。ルミカ嬢は私とガイラス様の結婚の時にも下らない奸計を巡らした方ですので、まあ、底は浅いし、後の事を考えない方なので論破もすぐなんですけどね」
とリリアン様が言い、ルミカ嬢は顔を真っ赤にした。
「リリアン! あなた、アレクサンダー皇太子様の婚約者の私に向かってよくも! あなた、侯爵家へ嫁いだからってその態度かもしれませんけど、私は皇太子妃になるのよ! あなたのその態度は不敬罪だわ!」
「あなた、殿下の婚約者ですの? いつお決まりに? あらぁ存じませんでしたわ。さきほどエアリス様との婚約破棄を声高らかに宣言なさったばかりなのに? もう正式にお決まりなんですか? まあ、凄い早業ですわねぇ。かねてから……ですの? いえ、ほほほゲフンゲフン……こちらの話ですわ」
「リリアン、やめなさい」
とガイラス様が優しく嗜められて、リリアン様は可愛らしく小首を傾げた。
「殿下、あなたのご婚約のお話しは国を挙げての事なのですから、一時期の感情で安易に物事を宣言してはならない事をどうかご理解いただきたい。エリアノ伯爵令嬢にもそのところをわきまえてお話しなさいますように。そして妻の無礼をお許しください」
ガイラス様がきっぱりとそう言ったが、それは建前でリリアン様に向けるその瞳はとても優しかった。
皇太子殿下はばつが悪そうに咳払いをし、ルミカ嬢は頬を膨らました。
誰かが気を利かせて、またワルツの音色が流れだしたので、雰囲気は舞踏会場へと戻った。ほっとしたような空気が流れ、またパートナーと手を取り踊り出すカップルが動き出した。
「エアリス様、彼女は私の妻で、リリアン、リリアン・ウエールズです」
とガイラス様が紹介してくれたので、私も会釈して、
「私はエアリス・ゴールディです」
とだけ言った。
「エアリス様、あちらでお話しでもさせていただけませんか? 私は魔法学園も出ていない部外者でございますが、エアリス様ももうこちらにご用はありませんでしょう?
とリリアン様が言ってくれたので、それもそうか、と、
「はい、私、殿下に婚約破棄されましたし、きっと国外追放を言いつかりますので、早く準備をしなければなりません」
と答えると、
「はあ?」
とリリアン様が眉をしかめ、
「ガイラス様、そんな一方的に婚約破棄しといて国外追放とか酷くないですか? ルミカ様をいじめたとか、根も葉もない噂だけ信じて公爵家の令嬢を国外追放とか。皇太子様ともあろう方が?」
とガイラス様に問う。
「まさか、皇太子殿下は次期国王になられる方だ。慎重に調査をした上でなければそのような判断は下されない。だが、ゴールディ公爵令嬢を国外追放とするならば、よほどの証拠があっての事だと思う。もちろん、それを全て提示して上で、国王にしかるべき処罰を願い、それからゴールディ公爵家へ知らされる事だろう。このパーティ会場で安易に言葉に出されるはずがない。エリアノ伯爵令嬢の言葉だけで、ゴールディ公爵令嬢が国外追放などありえない」
とガイラス様が言ってくれた。
ガイラス様は以前はいつでもどこでも鎧の騎士姿だったので、素顔を見た人は少ないのだけど、最近騎士団を引退したとかで、普通に貴族の装いだった。日焼けした褐色の肌に精悍なお顔、背が高く、すらっとしてイケメンだなぁ。
その横のリリアン様がちっちゃくて、細くて可愛くて、白い肌に金髪碧眼とか、マジ天使みたいだぁ。
「そうですわよね、それなら安心ですわ。ルミカ嬢は私とガイラス様の結婚の時にも下らない奸計を巡らした方ですので、まあ、底は浅いし、後の事を考えない方なので論破もすぐなんですけどね」
とリリアン様が言い、ルミカ嬢は顔を真っ赤にした。
「リリアン! あなた、アレクサンダー皇太子様の婚約者の私に向かってよくも! あなた、侯爵家へ嫁いだからってその態度かもしれませんけど、私は皇太子妃になるのよ! あなたのその態度は不敬罪だわ!」
「あなた、殿下の婚約者ですの? いつお決まりに? あらぁ存じませんでしたわ。さきほどエアリス様との婚約破棄を声高らかに宣言なさったばかりなのに? もう正式にお決まりなんですか? まあ、凄い早業ですわねぇ。かねてから……ですの? いえ、ほほほゲフンゲフン……こちらの話ですわ」
「リリアン、やめなさい」
とガイラス様が優しく嗜められて、リリアン様は可愛らしく小首を傾げた。
「殿下、あなたのご婚約のお話しは国を挙げての事なのですから、一時期の感情で安易に物事を宣言してはならない事をどうかご理解いただきたい。エリアノ伯爵令嬢にもそのところをわきまえてお話しなさいますように。そして妻の無礼をお許しください」
ガイラス様がきっぱりとそう言ったが、それは建前でリリアン様に向けるその瞳はとても優しかった。
皇太子殿下はばつが悪そうに咳払いをし、ルミカ嬢は頬を膨らました。
誰かが気を利かせて、またワルツの音色が流れだしたので、雰囲気は舞踏会場へと戻った。ほっとしたような空気が流れ、またパートナーと手を取り踊り出すカップルが動き出した。
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