6 / 27
死亡フラグ回避するためには
しおりを挟む
ウエールズ侯爵の発言があってか、今回はすぐには追い出されなかった。
以前は屋敷に戻るやいなや、皇太子殿下、その後ろの皇后様の怒りを買うのが怖い我が家はさっさと娘を切り捨て保身に走った。
グランリーズ王国の四大公爵家でも保身とかするんだ、と思って口に出したら、ティースプーン一杯ほども容量がないちっちゃい心の父親に怒られた。
母親は面倒事が嫌いで、花や絵画、刺繍を愛しているだけの人で、弟は嫡男だから、父親そっくりのちっちゃい男に成長中だ。妹だけは私を心配してくれて涙とともに両親に私を許し、どうぞ追放をやめてください、と訴えてくれた。
「いいのよ、マリアンヌ、皇太子殿下の言葉ですもの、どうにもならないわ。皇后様の後ろ盾があるんですから、どんな無茶でもまかり通るのが貴族社会ですから」
両親の愚痴から逃れて、ようやく自室へ辿り着き、さっさと荷造りでも、と大きめの鞄を取り出し、金目の物をまず入れる。ドレスやなんかもできるだけ持って行きたいところだ。貴族の令嬢が着るようなドレスの布はたいそう高価で売れるからだ。
私がもし本当に貴族の令嬢だけならきっとしくしくと泣くだけしか出来ないが、前世の記憶と今回はリリアン様のおかげで時間がある。皇太子からの正式な通達がいつ来るかは分からないけど、出来るだけ逃げてそれで死なない方向のエンドに持っていくぞ!
だから、私は大急ぎで部屋中のドレスを広げ、そしてメイドのナナを呼んだ。
ナナは私付きのメイドだけど、元が近所の子爵家の四女だ。姉がたくさんいるから子爵家にいても社交界に出られそうもないので自力で稼ぐ為にメイドになった。
メイドとはいえ、一応公爵家だ。礼儀作用や言葉遣いには厳しく、ましては私は皇太子と婚約していたので、そのお付きのメイドのナナはめっぽう有能だ。
「お呼びですか、お嬢様」
現れたナナは真夜中でもきちっと制服を着て、カラーもよれたりしていない。
「ナナ、夜分にすまないわね。あなたもパーティで目にした通り、皇太子殿下との婚約は破棄になり、私は近く追放になるでしょう。この屋敷からも出て行かねばなりません。ですから、明日の朝、オルエントを呼んで頂戴。これらを売り払って換金します」
「お嬢様」
とナナが言った。普段、あまり感情を表に出さないけど、少しばかり目を大きく開いた。
「あんなぼんくらな男に嫁がなくて良かったところですが、追放だなんてありえないでしょう」
「いいえ、追放は決定なの。だから少しでも準備しておきたいところなのよ」
ナナに何度もバッドエンドを繰り返しているなんて、説明しても理解出来ないだろう。、
けど今回もきっとそうなるように話は進むだろう。
「もちろんあんな父親でも少しの準備金は用意してくれるとは思うわ。でもたくさん持ってるにこしたことはないでしょ?」
「はい、かしこまりました。お嬢様、明日の朝一番に商人を呼んでおきますわ」
「お願いするわね。じゃあ、もうあなたも休みなさい」
「お嬢様はまだお休みにならないのですか?」
「私はもう少し、荷造りとかこの家を出たあとの事なんかを考えて旅の予定を立てるつもりだから」
私は机の引き出しから羊皮紙とペンをとり出し、こう書いた。
「エアリス・ゴールディ、死亡フラグ回避するためには」
以前は屋敷に戻るやいなや、皇太子殿下、その後ろの皇后様の怒りを買うのが怖い我が家はさっさと娘を切り捨て保身に走った。
グランリーズ王国の四大公爵家でも保身とかするんだ、と思って口に出したら、ティースプーン一杯ほども容量がないちっちゃい心の父親に怒られた。
母親は面倒事が嫌いで、花や絵画、刺繍を愛しているだけの人で、弟は嫡男だから、父親そっくりのちっちゃい男に成長中だ。妹だけは私を心配してくれて涙とともに両親に私を許し、どうぞ追放をやめてください、と訴えてくれた。
「いいのよ、マリアンヌ、皇太子殿下の言葉ですもの、どうにもならないわ。皇后様の後ろ盾があるんですから、どんな無茶でもまかり通るのが貴族社会ですから」
両親の愚痴から逃れて、ようやく自室へ辿り着き、さっさと荷造りでも、と大きめの鞄を取り出し、金目の物をまず入れる。ドレスやなんかもできるだけ持って行きたいところだ。貴族の令嬢が着るようなドレスの布はたいそう高価で売れるからだ。
私がもし本当に貴族の令嬢だけならきっとしくしくと泣くだけしか出来ないが、前世の記憶と今回はリリアン様のおかげで時間がある。皇太子からの正式な通達がいつ来るかは分からないけど、出来るだけ逃げてそれで死なない方向のエンドに持っていくぞ!
だから、私は大急ぎで部屋中のドレスを広げ、そしてメイドのナナを呼んだ。
ナナは私付きのメイドだけど、元が近所の子爵家の四女だ。姉がたくさんいるから子爵家にいても社交界に出られそうもないので自力で稼ぐ為にメイドになった。
メイドとはいえ、一応公爵家だ。礼儀作用や言葉遣いには厳しく、ましては私は皇太子と婚約していたので、そのお付きのメイドのナナはめっぽう有能だ。
「お呼びですか、お嬢様」
現れたナナは真夜中でもきちっと制服を着て、カラーもよれたりしていない。
「ナナ、夜分にすまないわね。あなたもパーティで目にした通り、皇太子殿下との婚約は破棄になり、私は近く追放になるでしょう。この屋敷からも出て行かねばなりません。ですから、明日の朝、オルエントを呼んで頂戴。これらを売り払って換金します」
「お嬢様」
とナナが言った。普段、あまり感情を表に出さないけど、少しばかり目を大きく開いた。
「あんなぼんくらな男に嫁がなくて良かったところですが、追放だなんてありえないでしょう」
「いいえ、追放は決定なの。だから少しでも準備しておきたいところなのよ」
ナナに何度もバッドエンドを繰り返しているなんて、説明しても理解出来ないだろう。、
けど今回もきっとそうなるように話は進むだろう。
「もちろんあんな父親でも少しの準備金は用意してくれるとは思うわ。でもたくさん持ってるにこしたことはないでしょ?」
「はい、かしこまりました。お嬢様、明日の朝一番に商人を呼んでおきますわ」
「お願いするわね。じゃあ、もうあなたも休みなさい」
「お嬢様はまだお休みにならないのですか?」
「私はもう少し、荷造りとかこの家を出たあとの事なんかを考えて旅の予定を立てるつもりだから」
私は机の引き出しから羊皮紙とペンをとり出し、こう書いた。
「エアリス・ゴールディ、死亡フラグ回避するためには」
1
あなたにおすすめの小説
酔っぱらい令嬢の英雄譚 ~チョコレートを食べていたら、いつの間にか第三王子を救っていたようです!~
ゆずこしょう
恋愛
婚約者と共に参加するはずだった、
夜会当日──
婚約者は「馬車の予約ができなかった」という理由で、
迎えに来ることはなかった。
そして王宮で彼女が目にしたのは、
婚約者と、見知らぬ女性が寄り添う姿。
領地存続のために婿が必要だったエヴァンジェリンは、
感情に流されることもなく、
淡々と婚約破棄の算段を立て始める。
目の前にあった美味しいチョコレートをつまみながら、
頭の中で、今後の算段を考えていると
別の修羅場が始まって──!?
その夜、ほんの少しお酒を口にしたことで、
エヴァンジェリンの評価と人生は、
思いもよらぬ方向へ転がり始める──
婚約破棄された伯爵令嬢は隣国の将軍に求婚され、前世の記憶を取り戻す
nacat
恋愛
婚約者である王太子に身に覚えのない罪を着せられ、婚約破棄された伯爵令嬢エリシア。
廷臣たちの嘲笑の中、隣国の若き将軍ライナルトが現れ、「ならば、俺が君を妻にしよう」と求婚する。
彼はただの救い手ではなかった。エリシアの“前世の記憶”と深く結びついた存在だったのだ——。
かつてすべてを失った令嬢が、今世では誰より強く、愛され、そしてざまぁを下す。
溺愛と逆転の物語、ここに開幕。
地味令嬢、婚約破棄されたので隣国で拾われました~冷酷王太子様の溺愛が激しすぎて困ります~
sika
恋愛
社交界では目立たない“地味令嬢”として笑われてきたエリス。婚約者である公爵家の跡取りに裏切られ、婚約破棄された夜、彼女はすべてを捨てて隣国へと渡る。
行き倒れた彼女を拾ったのは、冷酷無比と恐れられる隣国の第一王太子・レオン。
「俺のそばにいろ。もう誰にも傷つけさせない」
愛を信じられなかった彼女が次第に心を開く時、元婚約者たちは地に落ちる――。
ざまぁと溺愛が織りなす、甘く痛快な再生ロマンス!
婚約破棄された幼い公爵令嬢、目覚めたら絶世の美女でした
鍛高譚
恋愛
『幼すぎる』と婚約破棄された公爵令嬢ですが、意識不明から目覚めたら絶世の美女になっていました
幼すぎる、頼りない――そんな理由で婚約者に見限られた公爵令嬢シルフィーネ。
心ない言葉に傷ついた彼女は、事故に遭い意識不明となってしまう。
しかし一年後、彼女は奇跡的に目を覚ます。
そして目覚めた彼女は――かつての面影を残しつつも、見る者すべてを惹きつける絶世の美女へと変貌を遂げていた!
周囲の反応は一変。婚約破棄を後悔する元婚約者、熱視線を送る他家の令息たち、さらには王太子からの突然の縁談まで舞い込み――?
「もう、誰にも傷つけられたくない。私は私の幸せを手に入れるの」
これは、冷たく突き放された少女が美しく咲き誇り、誇りと自由を手に入れる、ざまぁ&逆転恋愛劇。
婚約破棄された悪役令嬢ですが、私の”役目”に気づいたのは冷酷公爵だけでした
ria_alphapolis
恋愛
悪役令嬢と呼ばれ、
王太子から公衆の面前で婚約破棄された令嬢――
彼女は、何も語らぬまま王都を去った。
誰も知らない。
彼女が国を守るため、
あえて嫌われ役を演じ続けていたことを。
すべてを失ったはずの彼女の前に現れたのは、
冷酷無比と噂される公爵。
彼だけが、彼女の行動に違和感を覚え、
やがて“役目”の真実にたどり着く。
これは、
国のために悪役を演じた令嬢が、
役目を終え、
一人の女性として愛されるまでの物語。
『お前を愛する事はない』なんて言ってないでしょうね?
あんど もあ
ファンタジー
政略結婚で妻を娶った息子に、母親は穏やかに、だが厳しく訊ねる。
「『お前を愛する事は無い』なんて言ってないでしょうね?」
契約婚のはずが、腹黒王太子様に溺愛されているようです
星月りあ
恋愛
「契約結婚しませんか? 愛を求めたりいたしませんので」
そう告げられた王太子は面白そうに笑った。
目が覚めると公爵令嬢リリカ・エバルディに転生していた主人公。ファンタジー好きの彼女は喜んだが、この国には一つ大きな問題があった。それは紅茶しかないということ。日本茶好きの彼女からしたら大問題である。
そんな中、王宮で日本茶に似た茶葉を育てているらしいとの情報を得る。そして、リリカは美味しいお茶を求め、王太子に契約結婚を申し出た。王太子はこれまで数多くの婚約を断ってきたため女性嫌いとも言われる人物。
そう、これはそのためだけのただの契約結婚だった。
それなのに
「君は面白いね」「僕から逃げられるとでも?」
なぜか興味をもたれて、いつしか溺愛ムードに突入していく……。
「お前を愛することはない」と言われたお飾りの妻ですが、何か?
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することはない!」「そんな事を言うために女性の寝室に押し入ったのですか? もう寝るつもりで化粧を落として髪をほどいて寝着に着替えてるのに! 最っ低!」
仕事大好き女が「お飾りの妻最高!」と恋愛感情無しで結婚したらこうなるよね、というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる