妄想日記8<<FLOWERS>>

YAMATO

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Chapter6(推しの子編)

Chapter6-⑤【闇の告白】

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「コスプレ歴は長いのか?」
店員が去ると、口が勝手に動き出す。
ショーンに対する憧れは奇抜な衣装への憧憬を刺激していた。
見るから、着たいに変わっていたのだ。
それを叶えてくれたのは目の前の青年だ。
コスプレの世界をもっと知りたい。
「いや、去年から。
それ迄は逆に嫌ってたくらい。」
空になったジョッキを置くと、端末の追加ボタンを押した。
「何かきっかけがあったのか?」
ショーンとの出会いが自分のきっかけだ。
そしてリヒトが導いてくれた。
 
「何か、話しにくいな。
てか、一人にしか話した事ないんだけど。
でもフュウガさんならいいか。
実はさ、僕の父親って、ビデオモデルなんだ。」
その発言を聞き、ビールを吹き出してしまう。
「ごめん…。
余りにショッキングで…。」
お絞りで拭きながら、次の言葉を待つ。
「そーだよね、ビックリするよね。
元々は男女物に出ていたんだけど、次第にゲイ向けにシフトしたみたい。」
ジョッキを一気に傾ける表情から爛漫さは失せていた。
「そっか…。」
気まずい雰囲気にジョッキを傾ける。
「ビデオ…、見た事あるんだ。
そこでコスプレをした父親が男を誘ってた。」
「無理に話さなくてもいいけど…。」
自分の不幸さを嘆いていたのが、小さい事に思えてきた。
「いや、平気。
今は納得してるから。
確実に親のDNAが僕へ繋がっていること。
前は父親もコスプレも毛嫌いしてた。
彼女もいたんだけど、起たないんだ。
全て父親の所為だと思ってた。
そう思う事で、自分を守ってたんだ。」
空になったジョッキを見て、追加ボタンを押す。
 
「彼女には父親の話をしたんだ。
同情して欲しくさ。
そしたらさ、彼女、笑たんだ。
腹を抱えて、大爆笑。」
「酷い彼女だな。」
「そう、僕も最初そう思った。
そしたら彼女が言ったんだ。
オヤジ、格好いいじゃん!
アタシの親はこの首を絞めた。
だからアタシは絞め返した。
アタシだったら、親がモデルだったら自慢しちゃうけどな。
それ聞いたら、僕も笑っちゃってさ。
それで気付いたんだ。
僕が欲してたのは慰めてくれる人じゃなくて、一緒に笑ってくれる人だって。」
爛漫だと思っていたリヒトの闇を知る。
クビ位で落ち込んでいた自分がおかしく思えた。
 
「ある日、彼女がセーラー服を着てきたんだ。
で、僕に学ラン着ろと。
それで映画見に行ったの。
世界観が変わってさ。
全てが新鮮で、淫らに見えたんだ。
初めて彼女に挿入出来た。」
赤く染まった顔に淫らさが現れた。
「頑なに拒んでも、所詮蛙の子は蛙と思い知ったんだ。
そしたらさ、急に気が楽になっちゃってさ。
今じゃ、たまに連絡してるんだ。
ゲイの父親に。
そのウェアも買ってもらったの。
正真正銘のパパ活さ。」
テーブルの下でリヒトの脚が伸びる。
ソールが股間をこねくり回す。
「彼女はどうしたんだ?」
快楽に耐え、話を進める。
「良い友達さ。
今もお互いコスプレして、デートしてる。
嫌いだったマッチョも、大好物になったし。
但し、若いマッチョね。
特にコスプレしたマッチョに目がないんだ。」
股間の圧が強まっていく。
現実離れたした話を聞き、居酒屋にいる事を忘れる。
自ら腰を押し付け、更なる快楽を得た。
 
(つづく)
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