妄想日記8<<FLOWERS>>

YAMATO

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Chapter7(空合編)

Chapter7-⑭【指切りげんまん】

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「次は何キロにする?」
ソラが10キロプレートを外しかける。
「これやってみようかな。」
「これって、僕と同じ100キロってこと?
昨日、マックスの80キロ越えたばかりだろ。
一気に20キロ増やすのは無謀だよ。」
「試しにやってみたいんだ。
僕の時にいちいちプレート外すの申し訳なくて。
面倒臭いでしょ?
早くソラのレベルに達したいんだ。」
「別に面倒なんて思ってないさ。
まあ、やりたかったら、やってみな。
しっかりサポートしてやるよ。」
10キロプレートは再びバーに戻った。
「たださ、焦りは禁物だよ。
怪我したら、何週間もトレーニング出来なくなっちゃよ。」
「分かった。
無理はしないよ。
でも出来そうなんだ。
力が漲るんだ。
今なら、何でも出来そうなんだ。」
「うん、その気持ち分かる。
おしっ、サポートは任せろ。」
ソラが顔を跨ぐ。
ディルドの根元がスパッツを押し上げていた。
 
バーを握り、足裏を床にしっかり接地させる。
バーを持ち上げ、肛門に意識を持っていく。
締め上げると、反発してくる。
胸の上でバーが震えた。
目を見開き、盛り上がったスパッツを睨む。
渾身の力で、己のディルドを潰す。
反する力が肘を持ち上げた。
『ガッシャーン!』
ラックの上でバーがバウンドする。
「すっ、凄いじゃん!
一気に20キロアップなんてさ。
リヒトって、実は凄い才能あるんじゃないか?」
興奮したソラの言葉も跳ねていた。
 
「このディルドのお陰かも。」
「ああ、それは僕も実感してる。
今までは力むと、声が出てたんだ。
そうするとさ、声と同時に力も抜けてたんだ。
だけどディルドに力を向けた事で、その力が全てウエイトを持ち上げるパワーへ変換されるんだ。」
「そうそう、ディルドを引きちぎってやろうと思うと、不思議と重さを感じないよな。」
トレーニングパートナーの重要性を実感した。
互いに鼓舞する事で、モチベーションが下がらない。
インターバルが短くとも、新たなパワーが沸々と沸いてきた。
ディルド効果との相乗効果で、効率の良いトレーニングが出来ている。
集中して二時間トレーニングを行うと、汗びっしょりだ。
有酸素の必要はない。
「そろそろ終電の時間だ。
終わりにしようか。」
都心に住んでいるソラはほぼ毎日40分電車に乗って、このジムへ来ていた。
「ソラはどこで焼いてるの?」
焼けた肌が汗でキラキラ光る。
「この時期は日サロ。
ゴールデンウィークからは海、真夏はプールかな。」
「海か、行ってみたいな。」
「だったら次の土曜日に行ってみないか?
ちょい、待って。
週間予報見てみるから。」
雨でない事を祈る。
ソラの眉間に皺が寄っていく。
良い予報ではなさそうだ。
「天気悪いの?」
「いや、晴マークオンリーの快晴。」
「じゃあ、日焼け行ける?」
「ああ、三月だっていうのに、最高気温23度だって。
異常気象を実感するよな。
お陰で日焼け日和だ。」
犬顔が愛らしく笑う。
愛おしさに、思わず抱き付いてしまう。
目の前に唇があった。
急いで身体から離れる。
「マジ?
約束だよ。」
恥ずかしさを隠す為に小指を突き出し、指切りをねだった。
生まれて初めてする指切りだ。
そして初めて晴を願った。
 
(完)
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