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寿里~kotori ~

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近衛家の咲と凛のお家

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近衛十六夜は着る服を迷っていた。

いつもの淡い紫のカットソーにするか、若菜色にするか、それとも香色か。

う~む、と考えていたら部屋の外から声を掛けられた。

「十六夜、そろそろ、家を出ないと遅刻だぞ」

「咲さん、何を着ていったらいいかな?凛の家に?」

十六夜が悩むのは凛の自宅を訪問するにあたって相応しい装いを決めかねているからだ。

凛の好みや御家族の好感度をマックスにさせるファッションというと悩んでしまう。

しかし、十六夜にとって凛は初恋なんだから、ここは堂々と凛LOVEをアピールするコーデが望ましいとも考えられる。

なので、このコーデしかない。

「咲さん、着物が決まったから出掛けるよ」

そう言って出てきた十六夜の装いは白いTシャツに血液で書きなぐったように「凛LOVE!!」とプリントされている。

ちなみに黒いデニムパンツは普通である。

咲は聡明な青年なので、十六夜がいつから、こんな破滅的なTシャツを所持していたか気になった。

「凛君への想いは伝わる。でも、重すぎて凛君が窒息するな。どこで手にいれたTシャツだ?」

「凛の友達で音のバンド仲間の設楽君が作ってくれた」

「その設楽君、相当に頭がヤバイな」

実際に設楽は器用でTシャツからパーカー、スウェットまで難なく血文字で「旅人命」とか「I LOVE たびと」などプリントする執着魔な少年である。

白珠は設楽と生まれた時から一緒で将来的な婚約者だが、小学校で「I LOVE たびと」なんて血文字でプリントされたTシャツ着てる幼馴染みと手を繋いで登校するのが死ぬほど恥ずかしかった。

小学生でも設楽のヤバさに気付いて誰もからかってこない。

白珠としては誰かいじってくれれば設楽に「やめろ!」と抗議できるのに設楽と白珠の小学校時代の同級生ならびに上級生ならひ下級生は賢明であった。

そんな頭が相当にヤバイ設楽は十六夜が凛の自宅に行くと知ってヤバイTシャツをプレゼントした。

設楽にとって十六夜に色々と恩があるので御返しである。

「だから、このTシャツは設楽君が心を込めて作った逸品なんだ」

凛LOVE!!Tシャツの経緯を聴いた咲はひそかに「十六夜は服装にこだわりないから、この設楽君お手製Tシャツの破壊力を知らない」と危機感を抱いた。

設楽君は聴いた限り、許嫁になってる白珠という男の子さえもドン引きするレベルに許嫁の白珠が好きすぎて、頭がおかしいと周囲も分かるから誰も触れてこない。

そんなTシャツやパーカーなどを設楽君が小学校の6年間、着ていても許嫁をやめない白珠君という男の子も凄いが咲が見た限り、加藤凛は普通の御家庭のご子息である。

いくら十六夜に好意を抱いていても自分の家に自分の名前を血文字でプリントした服を十六夜が着てきたら絶対に怖がる。

更に御家族がいたら大惨事になる。

十六夜の世話係として、ここはファッションを変更させないとダメだと咲は心に誓った。

この際、ゴスロリでも女物の着物でもいいから「凛LOVE!!」はやめさせよう。

「十六夜、お前の凛君への想いは十分に伝わった。でも、好きな歌手のライブでもないのに好きを全力アピールは相手も困惑する」

「そうかな?僕も設楽君路線で行こうとしたのに」

「その路線には耐えてくれる相手が必要不可欠だ!凛君にいきなりそれをやれは厳しい」

なので、無難な生なりのカットソーに着替えようと咲がなだめていた瞬間に邪魔が入った。

近衛家当主の凪史である。

凪史は十六夜の「凛LOVE!!」Tシャツを見ると目を輝かせた。

「ナイス!十六夜のコーデ!!俺も愛しい咲の名前のタトゥーを彫ってるけど、こういうTシャツ欲しいな!!」

「十六夜!間違っても凛君のタトゥーは彫るなよ!凪史!午後から久世の当主が来るから支度しろ!」

本日は近衛家の遠縁にあたる久世家当主の久世千早が顔をだす。

咲は妻として凪史と久世千早を迎える準備があるのだ。

なので、十六夜の衣装選びにこれ以上は付き合えない。

「十六夜!とりあえず無難な服装で行けよ!俺は支度があるから!」

咲が忙しそうに去ってしまうと凪史は十六夜にニットと笑った。

「咲は俺の理想の妻だよ。10歳で養護施設からラチった甲斐がある!」

「大金を渡して引き取ったと聞きました」

「たいした金額じゃない。五千万円で理想の男の子が手元にくるなら安い安い!ところで十六夜のTシャツもイケてるけど咲が縫った着物にしなさい。白菫のやつ!」

こうして、十六夜は「凛LOVE!!」Tシャツでなく、咲が縫った白菫の大きめカットソーに黒いデニムパンツに落ち着いた。

近衛凪史の養子で妻の咲は金髪にピンクメッシュの派手な雰囲気で顔立ちも大輪の牡丹の花のような美形だが家庭的である。

趣味は料理と裁縫であり、家事の傍らWebで通信教育を受けている。

凪史が咲の方向音痴と誘拐を心配するので10歳から学校に通学してない。

咲は十六夜が普通のファッションで出掛けたので心底ホッとしていた。

お土産には咲が作った芋茶巾を持たせたので大丈夫だろう。

「まったく、十六夜には驚かされる」

苦笑いしながら咲が花を生けていると凪史が居間に入ってきた。

「咲染(さきそめ)、支度はもういい。こっちにおいで」

「これから客が来るのに本名やめろ」

咲こと咲染は花を完璧に生けると所定の位置に飾って凪史の膝にチョコンと乗っかった。

凛は十六夜が待ち合わせ場所に来ないので困惑していた。

自宅の最寄り駅でおちあう約束だったが10分経過しても来ない。

何かトラブルかスマホに連絡しようとした矢先に改札口から十六夜が走ってきた。

「本当にごめん!!凛、衣装が決まらなくて!」

「そんな、平気ですから!電車を間違えたかと心配しました!」

凛がホッとしている目の前で十六夜は淡い菫色のロングカットソーの裾をパタパタしている。

顔色が白いというより蒼白い十六夜にはパステルが似合うが中性的で魅力的な服装であった。

瞳の薄い紫とも合っていて美しい。

「十六夜さん、会って早々ですが綺麗です」

「ありがとう。遅刻してごめんね!お休みの日だけど凛のご家族は大丈夫?」

休日なので凛の家族も家にいる。

せっかくの休みに邪魔をしたら迷惑かと十六夜が心配すると凛が笑顔で言ってきた。

「平気です!両親は買い物に出掛けて、祖父母は趣味の社交ダンスサークルなので家にいません」

「そうなの?お土産を咲さんが持たせてくれたから渡したかった」

凛の家に2人きりなら凛LOVEを全面に押し出したTシャツでOKだったと十六夜は少し後悔したが咲の手縫いのカットソーを凛が褒めてくれたので今はそれでよしとした。

「じゃあ、行きましょう!少し歩きますが」

凛に促されて十六夜は慣れない町を歩きだした。

加藤凛の家は東京都北区滝野川にある普通の戸建住宅である。

高級ではないが温かい家庭といった雰囲気で十六夜は凛のお家らしいと微笑んだ。

久世家のように家族が自然離散しておらず、近衛家のように当主が大金で美少年を買って、育成してない一般的な庶民である。

凛の説明では父親は企業で部長だか課長をしており、母親は主婦だが趣味が高じて、レース編みの先生をしている。

祖父母はよく分からないが年金で自由に遊んでいる。

一般的より少し裕福だが堅実な家族であった。

まあ、子供を私立の中高一貫に入学させられる経済力を持ってる家庭といえる。

「今日は両親も祖父母もいませんが」

そう言って凛が玄関の鍵をあけると玄関に中年の夫婦が普通にいる。

ついでに高齢の夫婦も普通にいる。

「父さん、母さん!?あとお祖父ちゃんとお祖母ちゃん!!?どうしたの?揃って忘れ物!?」

驚愕する凛に向かって凛の両親&祖父母は「てへぺろ」と笑った。

「凛がカレシ……違う!!カレー食べたいと思って材料だけ買って帰ってきたの!!」

「待って!母さん!俺はカレー食べたいなんて言ってないよ!?」

十六夜は状況的に凛の両親と祖父母に凛との関係がバレてると悟った。

そして、凛の彼氏をひとめ見たくて凛を騙して家に引き返した。

事態を把握してないのは凛だけだ。

十六夜はにっこり微笑むと凛の母親にお土産を手渡した。

「凛君と仲良くしていただいてます。K成学園中等部3年の近衛十六夜です。今日は休日なのにすみません。お邪魔いたします」

美しい十六夜の笑みに凛の母親は完全に陥落。

「まあ!ご丁寧に!!あら、茶巾ね!美味しそう!十六夜君でいいかしら?散らかってるけどなかにどうぞ!!」

呆気にとられる凛を残して両親と祖父母は十六夜歓迎モードである。

十六夜、このとき、凛LOVE!!のTシャツをボツにして良かったと気づいた。

この善良そうなご家庭には設楽君の常識は通用しない。

凛は予定外な現状に頭を抱えた。

両親と祖父母は夕方まで帰って来ないと思っていたので十六夜とラブラブイチャイチャする計画だったのである。

そんな凛の思惑など見透かすように祖父が玄関で囁いた。

「凛、お家でヤっちゃえニッサンは早いぞ」

呆然とする凛を祖父はニヤニヤ笑って家に入ってしまった。

凛も慌てて家に入ると父親が十六夜と話している。

「凛は正直な子だからね~!成績があがったと同時に色気づいてきたからバレバレ!お父さん、これでも部長だし!そういうのすぐに分かる」

「あはは。でも、その凛の正直で優しいところが僕は好きです」

「そう言ってもらえると助かるよ!豆柴みたいだけど、顔立ちは悪くないって父親ながら思うんだ!今後とも凛と仲良くしてね!」

凛の父親は部長さんらしいが、話した感じでは部下にとても好かれそうな雰囲気だと十六夜は思った。

みんなで夕飯はカレーなので、その前にお茶を飲みながら十六夜が持ってきた咲の手作り茶巾を食べた。

祖母は十六夜の所作が綺麗で礼儀作法も完璧なので感心している。

「十六夜君、凛と仲良くしてくれてありがとう。これからも遊びに来てね」

凛の母親の笑顔に十六夜は優しく微笑んだ。

当の凛は十六夜と2人になれず複雑だったが凛の家族に温かく迎えられた十六夜の笑顔は嬉しそうだ。

そこで凛は気がついたのだ。

十六夜は本当の家族に距離をおかれている。

久世家とも儀礼的にしか接触がなく、近衛家がどんなに親切でも所詮は預かりの身の上だ。

なんの抵抗もなく歓迎してくれた凛の家族の笑顔は十六夜には大切な贈り物だった。

十六夜は根本的に愛情不足なのだ。

それを考慮するべきだと気づいたのである。

母親がカレーを作ってる間、凛は十六夜を自室に招いた。

「今日は急にすみません。賑やかでしょ?俺の家族」

凛が抱きしめると十六夜は凛の背中に腕を絡めて言った。

「嬉しかった。凛のお母様もお父様も幸せそうな笑顔で僕を見てくれた。お祖父様もお祖母様も笑ってた。僕を見る身内は扱いに困ったような顔をする。凛が家族のこと大好きなの分かった」

「もちろん、家族は大好きです!だけど俺は十六夜さんのことも好きだ!多少扱いに困るけど好きだ。十六夜!」

ぎゅっと十六夜を抱きしめる凛の頭を十六夜は優しく撫でた。

「凛は本当に優しいね。愛してる」

ソッとキスしていると階下で母親の声がした。

「凛、十六夜君!カレー出来たわよ!!」

凛と十六夜は小さく笑うと凛の母親特製のカレーを食べに階段をおりた。

ちょうど、その頃、近衛家では久世家当主の久世千早が凪史と咲から十六夜の様子を訊いている最中であった。

「なるほど!あの加藤凛君を与えたら、力も情緒も安定してきたか。俺の息子と同じ見解だ。ご苦労様。凪史、咲」

近衛家より格上である久世家の当主の言葉に咲はイラッとして意見した。

「久世の当主様。わざわざ来てくださり恐縮ですが十六夜と貴方の末息子の身分に上下はない。側室腹の十六夜より正室腹の血筋の末の御子息の性格の悪さでも心配したら如何か?」

咲の手厳しい台詞にも久世千早は笑って動じていない。

凪史は落ち着いた様子で口を開いた。

「十六夜のことは近衛家に任せろ。千早、せっかくなら酒でも飲むか?」

咲が酒の用意にさがると千早は息を吐いた。

「凪史……子育ては難しい」

「そうか?俺は咲を買ったときから心ウキウキだぞ!」

「ウキウキね……ところで十六夜は?」

久世千早が尋ねたタイミングで酒の用意を整えた咲が入ってきた。

「十六夜は凛君の家でカレーを御馳走になってる。久世の当主様、車で来たなら代行を手配する」

「そうしてくれ。咲、君は音が嫌いか?」

「嫌いじゃない。性格を直せと言ってるだけだ」

それだけ告げて、凪史に酌をする咲を見て久世千早は思った。

「たしかに何もかもが凪史の好みそのものだ」


凛と十六夜はカレーをたらふく食べて駅まで歩いていた。

「凛のお母様のカレー、凄く美味しかったよ!今日は凛のお家に来れて楽しかった」

「よかったです!また、絶対に来てください!!」

今度は2人で過ごしたいと凛は思ったが口には出さなかった。

夜になり風も冷たいので凛は十六夜が寒くないか心配だったので愛用のパーカーを差し出した。

「これ……もし、よかったら使ってください」

「えっ?凛が寒いよ?風邪ひくから!」

「家までなんで平気ですよ!十六夜さん」

まさかの凛の愛用パーカーをゲットである。

十六夜は少し小さいパーカーを肩に羽織ると凛の唇にキスして改札口に消えた。

キスの効果で凛は家まで「少しも寒くないわ」と歌えそうなテンションで帰った。

十六夜は凛のお日さまみたいな匂いをクンクンしながら電車に乗って近衛家に戻った。

少し帰りが遅くなったが十六夜が近衛家の敷居をまたぐと酒盛りしてる気配があった。

凪史が御機嫌で咲の自慢を久世の当主にしている。

「やっぱ、可愛くて、生意気な男の子が欲しくて歌舞伎町の裏児童売春施設に大金払った甲斐があった!その辺の鼻水たれてるクソガキがいるまっとうな児童養護施設よりずっと上物の子供がいる!」

「凪史、それ、犯罪組織で揉み消すの面倒だったぞ。咲に罪はないが逮捕されなくて幸運と思え」

久世千早のうんざりした返答に凪史は陽気に笑った。

「感謝してるぜ久世の当主様!!だから、十六夜の1人や2人は任せろ!そういや、十六夜の奴、イケてるTシャツを友達からもらってやんの!好きな男の子の名前プラスLOVE!!」

設楽にもらった「凛LOVE!!」Tシャツネタが再燃した。

咲は澄ました顔で「久世の末の御子息の友人に頂いたそうです。許嫁の名前をプリントした服を着る常習犯」と変わらず凪史に酌を続けている。

十六夜は酒宴に顔をだすと久世家当主の千早に挨拶した。

好みの美少年を手にいれる為に非合法児童売春組織にまで手を出す近衛家の凪史だが十六夜には気さくで放任しており、優しい保護者だ。

そして、咲もどんないきさつで凪史に大金で買われたか気になるが気丈で聡明で家庭的な世話係である。

凛の家族のような普通さは皆無だが十六夜は近衛家が好きだ。

「千早さん。僕を近衛家に預けてくれてありがとうございます。心より感謝申し上げます」

行儀良く頭をさげる十六夜に久世千早は明るく言った。

「それは良かった!十六夜、ワガママで面倒かもだが音とも仲良くしてくれ。あと、凛君のパーカーはクンクンしないで洗って返すこと」

「承知いたしました。今日、一晩中クンクンしたら洗濯します」

十六夜が退出すると久世千早は咲に頼んだ。

「あれは量販店で簡単に購入できる。新品と凛君使用済みをすり替えて返却しないよう見張ってほしい」

「委細承知!ほら、凪史。ここで眠るな!」

酔って寝てしまった凪史を介抱する咲を見ながら久世千早は加藤凛に懐かしい親友の面影を重ねていた。

休み中に1人だけで墓参りに行こう。

「アキ……」

この世にいない大切な誰かの名前を自分の子供たちや十六夜が呟く未来が来ると思うと久世千早は魍魎でも切ない気持ちになる。

ため息を吐く千早に凪史を膝枕した咲が声を掛けた。

「俺は凪史に拾われて感謝してる。闇売買であってもな」

「咲……近衛家をよろしく頼む」

それだけ言うと久世千早は近衛家を辞した。

朝になって十六夜は凛のパーカーが既に洗濯されてる事実に呆然となり、咲に抗議したかったが無駄であった。

咲が素早く動くときは久世の家の命令が出ているときだからだ。

秒で乾かしたパーカーを渡されて十六夜はガッカリしながら登校したが凛からは「うわ!良い匂い!十六夜さんの香りだ」と喜ばれてキュンキュンしてしまった。

このように近衛咲こと咲染は陰ひなたなく凪史の妻として十六夜の世話係として近衛家を支えているのである。

end












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