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ハロウィンに本気だす!
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「トリック・オア・トリート!お菓子くれないとイタズラするぞ!」
昼休みに白珠が凛の持っているプリンを狙っている。
老舗和菓子屋の跡取り息子がハロウィン気どってる。
凛としてはこのプリンは購買の限定商品なので白珠なんぞにあげたくはない。
「断る!白珠、お前、この前も俺のポッキー勝手に食ったろ!?」
「ごめんな!玄とポッキーゲームしたら楽しいと思ったら思いの外、キモかった!」
ポッキーゲームってなんだよ?
古代の儀式かよと凛は思った。
白珠には大昔に死んで家神になって、最近は守り神にジョブチェンジした佳代神が憑いてるので昔の風習に詳しい。
ポッキーゲームとはカップルがポッキーの両端咥えて食べていちゃつく古代の儀式だ。
今でも脈々とポッキーゲームは受け継がれている。
凛も十六夜としたいと思ったが恥ずかしい。
前からの疑問だが教室でも体育館でも全校集会でも構わず発情するとイチャイチャする設楽と白珠は羞恥心をお母さんの子宮に忘れてきたのかと疑問である。
それはそうとしてプリンは絶対に白珠にあげない。
これは十六夜にプレゼントすると決めている。
何故なら久世の情報で十六夜の大好物がプリンと判明したからだ。
これを渡して十六夜に喜んでもらうのだ。
白珠は設楽と古代の儀式をしてろ。
プリンを死守する凛に白珠は「けち~」とごねたが設楽が仲裁してくれた。
「旅人……プリンは諦めて俺にイタズラしてくれ。そうしたら、アンニュイ豆腐をあげる」
アンニュイ豆腐?
杏仁豆腐のことかと凛は深く考えず十六夜が来るのを待っていた。
白珠は設楽のひたいに「肉」と書いて笑っている。
油性マジックで書くのがえげつない。
そんなことを凛が考えていたら待ち人が現れた。
「凛!お待たせ!お弁当食べよう!」
十六夜は日に日に美しくなった。
蒼白くて病的だが淡い紫の瞳が妖しく光っていて危険な美しさだ。
凛は十六夜とずっと離れたくないと思っていた。
K成を卒業しても一緒にいたい。
設楽と白珠みたいに離れずに暮らしたい。
はじめはこんなに自分が恋をするなんて思ってなかった。
でも、今は完全に十六夜にとらわれている。
十六夜の傍にいるためならなんでもしようと誓っていた。
「十六夜さん。これ、プリンです。どうぞ」
「ありがとう!これ、すぐに売り切れるから!凛も一緒に食べよう」
仲良くお弁当を食べて、プリンを味わう日常はいつまで続くのか。
凛は十六夜がある日突然に消えてしまいそうな不安感に襲われるときがある。
だから、これだけは約束してほしい。
「十六夜さん。俺の前から消えないで。消えたら許さない」
唐突な凛の台詞に十六夜は何故か寂しそうに微笑んだ。
「ありがとう。僕も凛と一緒にいたいな」
昼休みが終わるので十六夜が教室から出ていくと白珠の守り神の佳代が話し掛けてきた。
「凛ちゃん。十六夜君は人ではないの。人ならざる者の掟で生きてるのよ。短命な人間の尺度で縛るのはダメよ」
佳代神はそれだけ言うと白珠のもとに戻ってしまった。
久世と十六夜は化け物なのだ。
人とは異なる生き物で人間のふりして生活している。
きっと、人間より遥かに長い時間を生きる運命なのだろう。
久世はそれを承知しているから気を許した人間に優しいのだ。
自分よりずっと短命な恋人や友達が消えていくのを久世も十六夜も経験していく。
それは死ぬよりつらくて寂しいことだと凛は心に重い鈍痛を感じた。
チャイムが鳴る寸前に久世が常磐と戻ってきたので凛は思いきって頼んでみた。
「久世……俺を十六夜さんと離れられなくして。なんでもするから」
その凛の願いを久世は一蹴した。
「それは俺たちの世界ではルール違反だから断る」
バッサリ切り捨てて久世は席に戻った。
様子を見ていた設楽と白珠は凛に何かしら言いたげにしていたが教師が来たので凛は絶望しながら授業を受けた。
放課後に凛は何となく十六夜と会うのが気まずくて図書室に寄らずに下校しようとしていた。
教室を出て階段をおりたところで設楽と白珠が待っていた。
「加藤、久世を苦しめる発言はやめろ。アイツは誰より失うのが怖いんだ」
いつもより真剣な白珠の言葉に設楽が同意して口を開いた。
「俺たちの寿命は限られている。でも、だからこそ、必死に愛したり、夢中になって生きれる。それが幸せだと思う」
それだけ言って白珠と設楽は行ってしまった。
凛は2人の姿が消えると踵を返して図書室へと向かった。
図書室に入って十六夜を探したがどこにもいなかった。
今日は当番だと言っていたのに。
不思議に思って凛が他の図書委員に尋ねると信じられない言葉が返ってきた。
「近衛十六夜?そんな生徒は図書委員にいないけど?」
サッと血の気がひいた凛は急いで音楽室に走った。
久世ならなにかを知っている。
十六夜になにが起こったのか。
そう思って必死に音楽室の扉をあけると久世がいつものようにエレキギターを持ってバンドメンバーと練習していた。
そして、それを十六夜が普通に聴いていたのだ。
「十六夜さん!?なんで!図書委員は!?」
あまりの衝撃に混乱する凛に久世がニヤリとして言った。
「イタズラだよ!ハロウィン」
「なにがハロウィンだよ!死ぬほどビビった!!」
安心して声をあげた凛に斗真が天真爛漫に答えた。
「軽い記憶操作だから、明日には魔法が消えるよ!」
図書委員の記憶を斗真が魔力で操作していたのだ。
凛が十六夜を抱きしめて泣き出すと久世が菓子を出して差し出した。
「悪い。でも、俺と十六夜はこんな感じで消えないとダメな場合もある。それが掟で人間と共存する最適解だから」
分かってくれと言う久世に凛は頷くしかなかった。
「凛……僕は許される限り凛と一緒にいる。凛の傍から消えても凛を忘れることは絶対にないから」
優しく抱きしめてくれる十六夜に凛は泣き止むと小声で告げた。
「絶対に忘れないでください。忘れたら許さない!絶対に許さない!」
凛の要求を十六夜は微笑んで承知した。
「ほら、お菓子がいっぱいだから食べよう!」
白珠が明るく笑って斗真がカボチャのお菓子を大量に出した。
「魔法大臣が送ってくれたから食べようよ!!」
「カボチャケーキだ!なんで贈られたの?」
凛が元気を取り戻して尋ねると斗真が屈託なく説明した。
「魔法大臣の旦那が店をやってるんだ!もとは双子の兄ちゃんがやってたけど買った商品がポンコツ粗悪品で母ちゃんがキレてクレーム入れたらくれた!」
「斗真の母ちゃん!どんだけ怖いんだよ!?」
笑いながら凛は十六夜とカボチャケーキに手をのばした。
この楽しい瞬間を凛はずっと忘れない。
たとえ十六夜が姿を消しても、凛が先に死んでしまっても幸せな思い出は永遠なのだ。
だから、凛は十六夜や久世たちと貴重な時間を満喫する。
そんな風に考えていたら音楽室に常磐が入ってきた。
「辰希!遅かったな!クラス委員の仕事が忙しかったのか!?」
久世が抱きしめながら質問すると常磐は設楽を見て答えた。
「設楽の作ったアンニュイ豆腐を食べた先生がパチンコ屋で10万円すってアンニュイになって仕事にならなかった。自分は何故、パチンカスなのかアンニュイに悩んでて遅くなった」
常磐の説明に設楽は即座に白珠に詰め寄った。
「旅人!俺の愛情たっぷりのアンニュイ豆腐を担任に食わせたのか!?」
問い詰められた白珠は悪びれず笑った。
「そうだけど!だって、佳代さんが食べたら危険って警告したから!」
「俺はアンニュイに物憂げな旅人が見たかったのに!せっかく、斗真の趣味の家庭菜園の薬草を盛ったのに!!」
チクショウ!と頭を抱える設楽に白珠の近くに控えていた佳代神が笑顔で言った。
「クロちゃーん!今後、たびちゃんに危険なものを食べさせたら呪い殺すわよ?」
佳代神に説教されてる設楽と笑って見ている白珠の姿に笑いながら凛は十六夜とお菓子を食べた。
カボチャケーキは美味しかった。
でも、詫び状に筆記体で「あなた方親子は名前を言いたくないレベルにモンスター親子です!」と記されていたので魔法大臣のキレっプリが頭でなく心で理解した凛であった。
斗真は趣味の家庭菜園で育てた薬草で惚れ薬や不治の病が完治する系の薬を母ちゃんと闇ルートで売買している。
その稼ぎで愛犬のシェパードのカイジが盗むベンツのエンブレムを弁償していた。
ちなみに斗真の父ちゃんは通訳者でバイトでスパイだったりするが妻が魔女、息子も魔法使いとは知らない。
音楽室での楽しいハロウィンパーティーで斗真は大きなクラッカーを用意した。
「うちん家の玄関のドアノブに仕掛けられた爆弾を改造して作ったよ!!」
無邪気に斗真がクラッカーを鳴らした瞬間に轟音がして凛は十六夜に護られて無事だった。
久世は常磐を護り、佳代神は白珠とついでに設楽を守護した。
音楽室は木っ端微塵になったが騒ぎで教師が来る前に久世と十六夜と佳代神と斗真が何事もなく修復した。
「斗真!今後、父ちゃんの仕事関係のブツは持ってくるな!!」
久世が叱ると斗真は「ごめーん!威力あげちゃった!」と笑っている。
十六夜に護られた凛は無傷で死傷者はゼロだったが思い出どころか斗真のクラッカーで即日で死ぬところであった。
「十六夜さん。ありがとうございます。怪我はないですか!?」
「平気だよ。少しビックリしたけど。凛も無事でよかった!」
安心して微笑む凛と十六夜の近くで佳代神が斗真に白珠を危険にさらしたと慰謝料請求している。
「もう!笑顔で私の大切な、たびちゃんを爆死させないで!!ハロウィンのイタズラでも限度があるわよ!」
プンプンしている佳代神に斗真は朗らかに言った。
「ごめんなさい!御詫びに母ちゃん特製のアンチエイジング薬あげる!」
「私は神だからアンチエイジングはいらないの!」
「なら、父ちゃんが同僚にもらったハワイ7日間の旅行券!!」
「もらうわ!たびちゃん、7日間はハワイで見守ってるわね!」
佳代神は基本的に貢ぎ物に弱い。
音楽室は爆破されたが騒ぎになる前に何事もなく復元されてハロウィンパーティーは続いた。
斗真が音楽室で花火をしようとしたので久世は初めて斗真を殴った。
殴られた斗真は頬をおさえて叫んだ。
「殴ったね!?父ちゃんにも殴られたことないのに!!」
凛を含めて十六夜も久世も常磐も設楽も白珠も「いや、殴れよ、父ちゃん!」と思ったが佳代神だけが爆笑していた。
「斗真君!そのネタ、あなた方世代だと知ってる人は少数よ!」
凛の十六夜への切ない愛情の物語が斗真のイタズラによってカオスにされたハロウィンのK成学園音楽室の光景であった。
end
昼休みに白珠が凛の持っているプリンを狙っている。
老舗和菓子屋の跡取り息子がハロウィン気どってる。
凛としてはこのプリンは購買の限定商品なので白珠なんぞにあげたくはない。
「断る!白珠、お前、この前も俺のポッキー勝手に食ったろ!?」
「ごめんな!玄とポッキーゲームしたら楽しいと思ったら思いの外、キモかった!」
ポッキーゲームってなんだよ?
古代の儀式かよと凛は思った。
白珠には大昔に死んで家神になって、最近は守り神にジョブチェンジした佳代神が憑いてるので昔の風習に詳しい。
ポッキーゲームとはカップルがポッキーの両端咥えて食べていちゃつく古代の儀式だ。
今でも脈々とポッキーゲームは受け継がれている。
凛も十六夜としたいと思ったが恥ずかしい。
前からの疑問だが教室でも体育館でも全校集会でも構わず発情するとイチャイチャする設楽と白珠は羞恥心をお母さんの子宮に忘れてきたのかと疑問である。
それはそうとしてプリンは絶対に白珠にあげない。
これは十六夜にプレゼントすると決めている。
何故なら久世の情報で十六夜の大好物がプリンと判明したからだ。
これを渡して十六夜に喜んでもらうのだ。
白珠は設楽と古代の儀式をしてろ。
プリンを死守する凛に白珠は「けち~」とごねたが設楽が仲裁してくれた。
「旅人……プリンは諦めて俺にイタズラしてくれ。そうしたら、アンニュイ豆腐をあげる」
アンニュイ豆腐?
杏仁豆腐のことかと凛は深く考えず十六夜が来るのを待っていた。
白珠は設楽のひたいに「肉」と書いて笑っている。
油性マジックで書くのがえげつない。
そんなことを凛が考えていたら待ち人が現れた。
「凛!お待たせ!お弁当食べよう!」
十六夜は日に日に美しくなった。
蒼白くて病的だが淡い紫の瞳が妖しく光っていて危険な美しさだ。
凛は十六夜とずっと離れたくないと思っていた。
K成を卒業しても一緒にいたい。
設楽と白珠みたいに離れずに暮らしたい。
はじめはこんなに自分が恋をするなんて思ってなかった。
でも、今は完全に十六夜にとらわれている。
十六夜の傍にいるためならなんでもしようと誓っていた。
「十六夜さん。これ、プリンです。どうぞ」
「ありがとう!これ、すぐに売り切れるから!凛も一緒に食べよう」
仲良くお弁当を食べて、プリンを味わう日常はいつまで続くのか。
凛は十六夜がある日突然に消えてしまいそうな不安感に襲われるときがある。
だから、これだけは約束してほしい。
「十六夜さん。俺の前から消えないで。消えたら許さない」
唐突な凛の台詞に十六夜は何故か寂しそうに微笑んだ。
「ありがとう。僕も凛と一緒にいたいな」
昼休みが終わるので十六夜が教室から出ていくと白珠の守り神の佳代が話し掛けてきた。
「凛ちゃん。十六夜君は人ではないの。人ならざる者の掟で生きてるのよ。短命な人間の尺度で縛るのはダメよ」
佳代神はそれだけ言うと白珠のもとに戻ってしまった。
久世と十六夜は化け物なのだ。
人とは異なる生き物で人間のふりして生活している。
きっと、人間より遥かに長い時間を生きる運命なのだろう。
久世はそれを承知しているから気を許した人間に優しいのだ。
自分よりずっと短命な恋人や友達が消えていくのを久世も十六夜も経験していく。
それは死ぬよりつらくて寂しいことだと凛は心に重い鈍痛を感じた。
チャイムが鳴る寸前に久世が常磐と戻ってきたので凛は思いきって頼んでみた。
「久世……俺を十六夜さんと離れられなくして。なんでもするから」
その凛の願いを久世は一蹴した。
「それは俺たちの世界ではルール違反だから断る」
バッサリ切り捨てて久世は席に戻った。
様子を見ていた設楽と白珠は凛に何かしら言いたげにしていたが教師が来たので凛は絶望しながら授業を受けた。
放課後に凛は何となく十六夜と会うのが気まずくて図書室に寄らずに下校しようとしていた。
教室を出て階段をおりたところで設楽と白珠が待っていた。
「加藤、久世を苦しめる発言はやめろ。アイツは誰より失うのが怖いんだ」
いつもより真剣な白珠の言葉に設楽が同意して口を開いた。
「俺たちの寿命は限られている。でも、だからこそ、必死に愛したり、夢中になって生きれる。それが幸せだと思う」
それだけ言って白珠と設楽は行ってしまった。
凛は2人の姿が消えると踵を返して図書室へと向かった。
図書室に入って十六夜を探したがどこにもいなかった。
今日は当番だと言っていたのに。
不思議に思って凛が他の図書委員に尋ねると信じられない言葉が返ってきた。
「近衛十六夜?そんな生徒は図書委員にいないけど?」
サッと血の気がひいた凛は急いで音楽室に走った。
久世ならなにかを知っている。
十六夜になにが起こったのか。
そう思って必死に音楽室の扉をあけると久世がいつものようにエレキギターを持ってバンドメンバーと練習していた。
そして、それを十六夜が普通に聴いていたのだ。
「十六夜さん!?なんで!図書委員は!?」
あまりの衝撃に混乱する凛に久世がニヤリとして言った。
「イタズラだよ!ハロウィン」
「なにがハロウィンだよ!死ぬほどビビった!!」
安心して声をあげた凛に斗真が天真爛漫に答えた。
「軽い記憶操作だから、明日には魔法が消えるよ!」
図書委員の記憶を斗真が魔力で操作していたのだ。
凛が十六夜を抱きしめて泣き出すと久世が菓子を出して差し出した。
「悪い。でも、俺と十六夜はこんな感じで消えないとダメな場合もある。それが掟で人間と共存する最適解だから」
分かってくれと言う久世に凛は頷くしかなかった。
「凛……僕は許される限り凛と一緒にいる。凛の傍から消えても凛を忘れることは絶対にないから」
優しく抱きしめてくれる十六夜に凛は泣き止むと小声で告げた。
「絶対に忘れないでください。忘れたら許さない!絶対に許さない!」
凛の要求を十六夜は微笑んで承知した。
「ほら、お菓子がいっぱいだから食べよう!」
白珠が明るく笑って斗真がカボチャのお菓子を大量に出した。
「魔法大臣が送ってくれたから食べようよ!!」
「カボチャケーキだ!なんで贈られたの?」
凛が元気を取り戻して尋ねると斗真が屈託なく説明した。
「魔法大臣の旦那が店をやってるんだ!もとは双子の兄ちゃんがやってたけど買った商品がポンコツ粗悪品で母ちゃんがキレてクレーム入れたらくれた!」
「斗真の母ちゃん!どんだけ怖いんだよ!?」
笑いながら凛は十六夜とカボチャケーキに手をのばした。
この楽しい瞬間を凛はずっと忘れない。
たとえ十六夜が姿を消しても、凛が先に死んでしまっても幸せな思い出は永遠なのだ。
だから、凛は十六夜や久世たちと貴重な時間を満喫する。
そんな風に考えていたら音楽室に常磐が入ってきた。
「辰希!遅かったな!クラス委員の仕事が忙しかったのか!?」
久世が抱きしめながら質問すると常磐は設楽を見て答えた。
「設楽の作ったアンニュイ豆腐を食べた先生がパチンコ屋で10万円すってアンニュイになって仕事にならなかった。自分は何故、パチンカスなのかアンニュイに悩んでて遅くなった」
常磐の説明に設楽は即座に白珠に詰め寄った。
「旅人!俺の愛情たっぷりのアンニュイ豆腐を担任に食わせたのか!?」
問い詰められた白珠は悪びれず笑った。
「そうだけど!だって、佳代さんが食べたら危険って警告したから!」
「俺はアンニュイに物憂げな旅人が見たかったのに!せっかく、斗真の趣味の家庭菜園の薬草を盛ったのに!!」
チクショウ!と頭を抱える設楽に白珠の近くに控えていた佳代神が笑顔で言った。
「クロちゃーん!今後、たびちゃんに危険なものを食べさせたら呪い殺すわよ?」
佳代神に説教されてる設楽と笑って見ている白珠の姿に笑いながら凛は十六夜とお菓子を食べた。
カボチャケーキは美味しかった。
でも、詫び状に筆記体で「あなた方親子は名前を言いたくないレベルにモンスター親子です!」と記されていたので魔法大臣のキレっプリが頭でなく心で理解した凛であった。
斗真は趣味の家庭菜園で育てた薬草で惚れ薬や不治の病が完治する系の薬を母ちゃんと闇ルートで売買している。
その稼ぎで愛犬のシェパードのカイジが盗むベンツのエンブレムを弁償していた。
ちなみに斗真の父ちゃんは通訳者でバイトでスパイだったりするが妻が魔女、息子も魔法使いとは知らない。
音楽室での楽しいハロウィンパーティーで斗真は大きなクラッカーを用意した。
「うちん家の玄関のドアノブに仕掛けられた爆弾を改造して作ったよ!!」
無邪気に斗真がクラッカーを鳴らした瞬間に轟音がして凛は十六夜に護られて無事だった。
久世は常磐を護り、佳代神は白珠とついでに設楽を守護した。
音楽室は木っ端微塵になったが騒ぎで教師が来る前に久世と十六夜と佳代神と斗真が何事もなく修復した。
「斗真!今後、父ちゃんの仕事関係のブツは持ってくるな!!」
久世が叱ると斗真は「ごめーん!威力あげちゃった!」と笑っている。
十六夜に護られた凛は無傷で死傷者はゼロだったが思い出どころか斗真のクラッカーで即日で死ぬところであった。
「十六夜さん。ありがとうございます。怪我はないですか!?」
「平気だよ。少しビックリしたけど。凛も無事でよかった!」
安心して微笑む凛と十六夜の近くで佳代神が斗真に白珠を危険にさらしたと慰謝料請求している。
「もう!笑顔で私の大切な、たびちゃんを爆死させないで!!ハロウィンのイタズラでも限度があるわよ!」
プンプンしている佳代神に斗真は朗らかに言った。
「ごめんなさい!御詫びに母ちゃん特製のアンチエイジング薬あげる!」
「私は神だからアンチエイジングはいらないの!」
「なら、父ちゃんが同僚にもらったハワイ7日間の旅行券!!」
「もらうわ!たびちゃん、7日間はハワイで見守ってるわね!」
佳代神は基本的に貢ぎ物に弱い。
音楽室は爆破されたが騒ぎになる前に何事もなく復元されてハロウィンパーティーは続いた。
斗真が音楽室で花火をしようとしたので久世は初めて斗真を殴った。
殴られた斗真は頬をおさえて叫んだ。
「殴ったね!?父ちゃんにも殴られたことないのに!!」
凛を含めて十六夜も久世も常磐も設楽も白珠も「いや、殴れよ、父ちゃん!」と思ったが佳代神だけが爆笑していた。
「斗真君!そのネタ、あなた方世代だと知ってる人は少数よ!」
凛の十六夜への切ない愛情の物語が斗真のイタズラによってカオスにされたハロウィンのK成学園音楽室の光景であった。
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