里守狸伝
辰吉は当年生まれの若い化け狸。
化け狸として今日も今日とて修業に励むが、いつもぐうぐうと腹を鳴らしてしまい、師匠である老狸からは「なっとらん」と叱られてばかり。
此度も見事に腹が鳴り、師匠から怒られてしまう。情けないやら悔しいやら腹が減ったやらで、辰吉はやけ食いに走る。
好物の柿を食らっていると、そこに現れたのは一人の童女。
「人間は狸と見たら見境なく狩る、危険な相手だ。捕まったら最後、毛皮にされるか……もしくは狸鍋にされて食われてしまうぞ」
そのような師匠の教えを思い出した辰吉は、恐怖のあまりばったりと倒れてしまう。
(こうなったら、このまま死んだふりを決めて、相手が油断したところで逃げ出そう)
そのように考える辰吉の狙い通り、童女は心配そうにつぶやく。
「死んじゃった……?」
しめしめと、辰吉は内心でほくそ笑むも、その時またもや腹が鳴る。柿を食ったばかりだというのに!
死んでいないと気づいた童女は、辰吉を抱きかかえて走り出す。
そして、そのまま、童女――つまり恐ろしい人間の――家へとやって来てしまった辰吉。狸鍋まっしぐらかと思いきや、どうにも人間たちの様子がおかしい。童女もその家族も、皆優しいのだ。
師匠の言葉と、実際の人間と。果たしてどちらが本当なのか――。
やがて人里に危機が迫ったとき、辰吉はいかなる決断を下すのか――。
食いしん坊でビビりな化け狸が奮闘する、創作日本昔話。
※作中で災害(噴火)の描写があります。ご注意ください。
※表紙は、かんたん表紙メーカー2を使用して作成しました。
化け狸として今日も今日とて修業に励むが、いつもぐうぐうと腹を鳴らしてしまい、師匠である老狸からは「なっとらん」と叱られてばかり。
此度も見事に腹が鳴り、師匠から怒られてしまう。情けないやら悔しいやら腹が減ったやらで、辰吉はやけ食いに走る。
好物の柿を食らっていると、そこに現れたのは一人の童女。
「人間は狸と見たら見境なく狩る、危険な相手だ。捕まったら最後、毛皮にされるか……もしくは狸鍋にされて食われてしまうぞ」
そのような師匠の教えを思い出した辰吉は、恐怖のあまりばったりと倒れてしまう。
(こうなったら、このまま死んだふりを決めて、相手が油断したところで逃げ出そう)
そのように考える辰吉の狙い通り、童女は心配そうにつぶやく。
「死んじゃった……?」
しめしめと、辰吉は内心でほくそ笑むも、その時またもや腹が鳴る。柿を食ったばかりだというのに!
死んでいないと気づいた童女は、辰吉を抱きかかえて走り出す。
そして、そのまま、童女――つまり恐ろしい人間の――家へとやって来てしまった辰吉。狸鍋まっしぐらかと思いきや、どうにも人間たちの様子がおかしい。童女もその家族も、皆優しいのだ。
師匠の言葉と、実際の人間と。果たしてどちらが本当なのか――。
やがて人里に危機が迫ったとき、辰吉はいかなる決断を下すのか――。
食いしん坊でビビりな化け狸が奮闘する、創作日本昔話。
※作中で災害(噴火)の描写があります。ご注意ください。
※表紙は、かんたん表紙メーカー2を使用して作成しました。
あなたにおすすめの小説
童話絵本版 アリとキリギリス∞(インフィニティ)
カワカツ
絵本
その夜……僕は死んだ……
誰もいない野原のステージの上で……
アリの子「アントン」とキリギリスの「ギリィ」が奏でる 少し切ない ある野原の物語 ———
全16話+エピローグで紡ぐ「小さないのちの世界」を、どうぞお楽しみ下さい。
※高学年〜大人向き
中学生ユーチューバーの心霊スポットMAP
じゅん
児童書・童話
【第1回「きずな児童書大賞」大賞 受賞👑】
悪霊のいる場所では、居合わせた人に「霊障」を可視化させる体質を持つ「霊感少女」のアカリ(中学1年生)。
「ユーチューバーになりたい」幼なじみと、「心霊スポットMAPを作りたい」友達に巻き込まれて、心霊現象を検証することになる。
いくつか心霊スポットを回るうちに、最近増えている心霊現象の原因は、霊を悪霊化させている「ボス」のせいだとわかり――
クスっと笑えながらも、ゾッとする連作短編。
だからウサギは恋をした
東 里胡
児童書・童話
第2回きずな児童書大賞奨励賞受賞
鈴城学園中等部生徒会書記となった一年生の卯依(うい)は、元気印のツインテールが特徴の通称「うさぎちゃん」
入学式の日、生徒会長・相原 愁(あいはら しゅう)に恋をしてから毎日のように「好きです」とアタックしている彼女は「会長大好きうさぎちゃん」として全校生徒に認識されていた。
困惑し塩対応をする会長だったが、うさぎの悲しい過去を知る。
自分の過去と向き合うことになったうさぎを会長が後押ししてくれるが、こんがらがった恋模様が二人を遠ざけて――。
※これは純度100パーセントなラブコメであり、決してふざけてはおりません!(多分)
一人芝居
志波 連
児童書・童話
母と二人で暮らす小春は、ひとりで頑張る母親に反抗的な態度をとってしまう自分が大嫌いでした。
その苛立ちのせいで、友人ともぎくしゃくしてしまいます。
今日こそはお母さんにも友達にちゃんと謝ろうと決心した小春は、ふと気になって会館のある神社を訪れます。
小春たちが練習している演劇を発表する舞台となるその会館は、ずっとずっと昔に、この地域を治めた大名のお城があった場所でした。
非業の死を遂げた城主の娘である七緒の執念が、四百年という時を越えて小春を取り込もうとします。
小春は無事に逃げられるのでしょうか。
死してなお捨てきれない七緒の思いは成就するのでしょうか。
小さな町の小さな神社で起こった奇跡のようなお話しです。
他のサイトでも投稿しています
表紙は写真ACより引用しました
本城さんは見ている【作:藤白ましろ】
藤白ましろ
児童書・童話
小学六年の五月、突然あらわれた謎の転入生。
「単刀直入に言うと、私の目的は、『タカミネ ヒバナ』を探し出すことだ。それ以外に、目的はない。」
そう言ってクラスメイトとの全コミュニケーションを拒否する本城さん。オッドアイで、茶髪のふわふわのツインテールで、黒のレースがあしらわれたゴシック調の服を着ていて。
突然あらわれたそのひとはわたしのこころをうばった。
「へぇ。やっぱりきみが、……そうだったんだ」
――小学生女子版のホームズ×足が速いのが取り柄のワトソンことわたしが織りなす、ミステリー要素泣き要素有りの、どたばた学園コメディ。
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版