【R18】スライムにマッサージされて絶頂しまくる女の話

白木 白亜

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第5章 慈愛の聖女、クラリス

19,ラネルは見た

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 タツシがスライムたちに刺激を止めてもらってから20分ほどした頃。



 ガチャリ



 ラネルが部屋に入ってきた。



「おはようございます、朝です…………!?!?!?!?」



 ラネルは一目散に飛び出してしまった。



 ラネルが見たもの。



 それはもちろん裸で抱き合っている聖女と勇者である。



 しっかり布団が覆いかぶさっているせいで見えていけないものは何も見えていないが、それでも明らかに二人とも服を着ていないのは分かった。



(え? え? え?)



 気が動転しているラネル。



(タツシ様は魔王の討伐に出かけ……じゃああれ別人!?)



 もう一度そっと部屋に入り様子を確認する。ちなみに普段この部屋に鍵はかかっていない。そもそも指定した人物以外がこの建物に入ろうとしても強力な魔法結界によって拒まれるのだ。



 ラネルはしっかり確認する。



(やっぱりタツシ様……)



 いったいどういうことなのだろうか。



 そう思いつつ、早く起こさなければならないことを思い出す。



 しかし、どうしたらいいのか。



 いくら侍女とはいえ裸で抱き合って寝ているところに大声を出すのははばかられる。



 仕方がないからラネルはまたしても部屋の外に行きドアを閉めた。



 ドンドンドン!!



 ドアを強く叩く。



「クラリスー、入っていいですかー!?!?」



 これでどっちか一人が気づいてくれ!



 と思ってラネルは必死に声を出した。





「んー……」



 クラリスは少し声を上げるが、しかしその後眠ってしまった。



 タツシは元から寝てなどいない。しかしこの状況を楽しむためだけにわざと寝たふりをしているのだ。←確信犯





 どうしてもダメか、と思いつつラネルは部屋に入って二人に近づき、まず寝起きの良さそうなタツシに声をかけた。



「タツシ様、クラリスを起こしてくださいませんか?」



 …………



 タツシの狸寝入りも業が深い。



 わざわざ血圧まで下げる本物仕様。





 仕方がないからラネルはいつも通りにクラリスを起こすことにした。



「クラリス! 起きてください! 朝ですよ!? 今日も多くの人を救うために頑張りましょう!」



 人を救う。それに関連する言葉を言えば多少だが彼女は反応し、起きようとする。



「んんん~~~、んん……」



 クラリスは目を開け、そのままむくりと起き上った。



 掛け布団から体が飛び出る。



 とうぜん上半身は裸で……





「ちょっと、クラリス、早く服を着なさい!」



「ん……え? あれ??」



 横で安らかに眠っている(様に見える)タツシとラネルを何度も視線で往復する。



「タツシ様はあとで私が起こしますから、早く服を着てください。」



「ええ。」



 恥ずかしいのか顔を真っ赤にしながらクラリスは布団から出ようとする。しかしその瞬間、タツシの腕がゆっくり動いた。



 ガシッ



 タツシの腕がクラリスの腰を捕らえ、そのまま引き込んだ。



「あっちょっと、ねえタツシ? 起きなきゃいけないから……」



 完ぺきな演技によってタツシが寝惚けているようにしか見えない。





 布団の中に引きずり込まれたクラリス。しかもタツシの温かい体温に包まれてしまえば……



「こら! 寝ないでくださいクラリス! もう時間ないんですから!」



 実際はだいぶ余裕をもって起こしに来ているからそこは問題ないが。



 クラリスはしぶしぶタツシの腕をのけようとする。



「……あの、タツシの腕が固くて解けないの……」



「じゃあ仕方ないですね、タツシ様には痛みでやっていいこととダメなことを学んでいただくしか……」



 そう言ってラネルは手に漆黒の球体を3つ浮かべた。



「ダメダメダメ! それはダメだから!」



 その球体に三本の光の矢が飛び、あっけなく魔法は霧散した。





 二人は会話しながらこれらの行為をやり遂げたが、どちらもれっきとした上級魔法であり、とても冗談で行使していい魔法ではない。





 困っている二人をよそ目に寝たふりを続けて楽しむタツシに、唯一タツシに抵抗できる者が現れた。



 そしてその者はタツシの背中に痛みを与えて警告した。困っているんだからそろそろやめてあげなさい、と。





(いてててててて! おい! だから硫酸はやめろって! 分かった、離すからさ!)



 タツシはフッと腕を緩めた。



「あ、抜け出せたわ。」



 一糸纏わぬ姿でベッドから降りて立ち上がるクラリス。



 そのまま急いで支度をして、朝の礼拝に向かった。



 二人が部屋を出た瞬間、タツシは起き上がる。



「あれ? そういえばクラリス自身は結構すぐに起きたな。前はもっとすごいうだうだしていたのに。ま、いっか。」





 タツシは自分の私物を持ち、丁寧に布団を(スライムに)整理、掃除する(させる)とそのまま転移で秘密の控室に戻った。
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