【R18】スライムにマッサージされて絶頂しまくる女の話

白木 白亜

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最終章 ~それぞれの道~

6,事件

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「では、お次はサンレアンに向かいましょう。」

「はい、分かりました。」

 タツシは今、魔王を討伐したことを国民に誇示するためのセレモニーのようなものをするために、国内を馬車で転々と廻らされている。

(くっ……あの元国王め……クラリスとの結婚を引き換えにただ働きさせやがって……)

 などと内心思っているが、しかし同時にクラリスとの結婚を許してくれたのも彼なわけで会って、別に憎むとかそういう感情はない。

 とはいえ嫌なものは嫌なわけで。

「ええと、サンレアンで最後でしたっけ?最後ですよね?????」

「い、いえ、勇者様、その後にルベルゾン、ヴィルバックと廻ってその後……あれ、失礼ですが、これ先ほど確認しませんでしたっけ?」

「…………そうでしたっけ?」

 タツシはあからさまに早く終わらせて欲しいとアピールしているが、残念ながらこの集団の中にまさか勇者がこのセレモニーを嫌がっているなどと思っている人は一人もいない。


 勇者といい聖女といい一般市民からは遠い存在過ぎて内心を正確に把握できる人はほとんどいないのだ。

(くそ~、暇だ、せめてスマホゲーでもできないのかな……)

 そう、転移する前は電車などの移動時間の間はスマホを弄っていればいくらでも時間をつぶすことが出来たのだ。

 しかしこの時代当然そんなものはないし、仮にスマートフォンに相当する高機能なデバイスを作ったとしても「さえずり」とか「顔の本」とかそういう名前のソーシャルネットワークサービスを使えるわけではない。


(暇、暇、暇……)

 あまりに暇すぎてタツシも耐えられなくなってくる。

 タツシの周りにいる護衛の人たちは日頃から黙って重要人物を守っているだろうからおそらく沈黙に慣れているのだろう。

 それに対してタツシは普段エ〇いことをしているかエ〇いことを言っているかエ〇いことを考えているかのどれかなわけで、すでにエ〇いことを考えるのには飽きてしまった。

 夜個室がある状態ならまだスライムに助けを求めて遊ぶこともできるが今はそれもできない。

 そもそも勇者がスライムを使役しているということ自体公にしていないし、ましてや二度の魔王討伐は実はスライムがやっているのであって当の本人は煽りながら見ているだけというのは誰も知らない。


 そんななか、突如タツシの乗っている馬車の対向からすごい速さで馬が走ってきた。


「すみません、今サンレアンが大変なことになっていて!!!!!」

 その馬はタツシの乗っている馬車に近づくと何やら大変そうな顔をして話し始めた。

 その話によると、これから向かおうとしていた村が大きな魔物に襲われていて、何とか国から支給されている非常用の魔道具を使って抑えている状態だ、ということだ。

「じゃ、倒してきますね」

「え? あ、お待ちください勇者様!!! 私どももご一緒……あれ? 勇者様?」


 タツシは一瞬で馬車から飛び降りるとそのまま全速力で走っていき、わざとスライムに風魔法で土埃を巻き上げてもらいそのまま目的地にスライムの魔法で転移した。

「スラ介サンキュー!!」

 タツシ自身は何もしていない。
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