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最終章 ~それぞれの道~
21 アメリアが泣く
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「こんにちは、タツシさん。」
クラリスと仲良くやっているタツシだが、一方でしっかりとスライム・リフレで働いてもいる。
なんだかんだで徐々に店舗数も拡大しつつ、よりお客さんに満足してもらえるように様々なプランを常に考え続けている。
様々なプラン。(意味深)
タツシはもはや経営者であり、あまり人に直接対応することがない。対応するとすればそれは初期から店に通う常連だ。
その常連の中の一人、アメリアが店に訪れた。
「いらっしゃい~。あれ、どうしたの? いつもよりなんだか元気がないね……?」
「あ、やっぱり、分かります……?」
いまアメリアとタツシがいるのは地面に巨大な青白く光る魔法陣が敷かれている、少し特殊な施術室だ。
この部屋ではどんなに強大な魔法を放っても決して壁が壊れることのない特殊な部屋だ。
魔法師の中でも特に上級者は、大きな魔力を解放するときにリラックスする必要があり、その練習も兼ねれるという部屋なのだ。
この部屋でリラックスしながら魔法の練習を重ねることで急に魔法が上達した魔法師も少なくない。非常に画期的な部屋なのである。
そんな、少し厳かな雰囲気の部屋の中でアメリアは泣きそうになりながらポツリと話した。
「あの、私、ジート先輩と別れちゃったんです。」
「ええ!?!?」
かつてアメリアと二人で海のマッサージ店に来た彼。
「今日、学校でお話をされて……」
「無理に話さなくても大丈夫だからね……?」
「うっ……ぐっ……」
涙を垂らしながら、アメリアはとうとう泣き始めた。
タツシとしては泣いている女の子を無理やりいじめても何も面白くないため、ひとまず椅子に座ってもらって普通のマッサージを始めた。
しばらく体を揉まれて落ち着いたのか、アメリアは再び口を開き始めた。ちなみにタツシは今制服の上からアメリアの胸を揉んでいるが、もはやこれがセクハラなどという考えがアメリアの中にない。
「私、先輩に、『君より魔法が下手な自分に付き合う資格がない』って言われちゃって……」
「………」
こういうときになにを言っていいかわからないタツシ。
「今まで、先輩に褒めてほしくて魔法を頑張ってきたのに!!」
「そうだよね、アメリアちゃん、頑張っていたもんね。この間の魔術技能試験一級も一発で合格したんでしょ……?」
「そうなんです、あの、先輩はまだ準一級を受かってなくて……」
「それで、か……。」
ひたむきに彼氏を愛していたアメリアに、男のコンプレックスを理解することは難しい。
アメリアからしたら理不尽な失恋としか捉えられなかった。
しかし、実際問題、アメリアは優秀すぎた。すでに学年トップの魔術コントロール力があり、それでいて変なプライドなど全くないので男女問わず非常に人気なのだ。
そんな彼女をずっと抱え、魔法が伸び悩んだ結果ジートが彼女を振ってしまうのも仕方のないことだといえる。
そのあとしばらくアメリアの話を聞いてから、タツシは言った。
「さ、疲れていると思うから、これでも飲んで。」
「ありがとうございます」
真っピンクの紅茶を普通に飲むアメリア。
そんな彼女を傍目に、今日も存分に楽しませてあげようと決意したタツシであった。
クラリスと仲良くやっているタツシだが、一方でしっかりとスライム・リフレで働いてもいる。
なんだかんだで徐々に店舗数も拡大しつつ、よりお客さんに満足してもらえるように様々なプランを常に考え続けている。
様々なプラン。(意味深)
タツシはもはや経営者であり、あまり人に直接対応することがない。対応するとすればそれは初期から店に通う常連だ。
その常連の中の一人、アメリアが店に訪れた。
「いらっしゃい~。あれ、どうしたの? いつもよりなんだか元気がないね……?」
「あ、やっぱり、分かります……?」
いまアメリアとタツシがいるのは地面に巨大な青白く光る魔法陣が敷かれている、少し特殊な施術室だ。
この部屋ではどんなに強大な魔法を放っても決して壁が壊れることのない特殊な部屋だ。
魔法師の中でも特に上級者は、大きな魔力を解放するときにリラックスする必要があり、その練習も兼ねれるという部屋なのだ。
この部屋でリラックスしながら魔法の練習を重ねることで急に魔法が上達した魔法師も少なくない。非常に画期的な部屋なのである。
そんな、少し厳かな雰囲気の部屋の中でアメリアは泣きそうになりながらポツリと話した。
「あの、私、ジート先輩と別れちゃったんです。」
「ええ!?!?」
かつてアメリアと二人で海のマッサージ店に来た彼。
「今日、学校でお話をされて……」
「無理に話さなくても大丈夫だからね……?」
「うっ……ぐっ……」
涙を垂らしながら、アメリアはとうとう泣き始めた。
タツシとしては泣いている女の子を無理やりいじめても何も面白くないため、ひとまず椅子に座ってもらって普通のマッサージを始めた。
しばらく体を揉まれて落ち着いたのか、アメリアは再び口を開き始めた。ちなみにタツシは今制服の上からアメリアの胸を揉んでいるが、もはやこれがセクハラなどという考えがアメリアの中にない。
「私、先輩に、『君より魔法が下手な自分に付き合う資格がない』って言われちゃって……」
「………」
こういうときになにを言っていいかわからないタツシ。
「今まで、先輩に褒めてほしくて魔法を頑張ってきたのに!!」
「そうだよね、アメリアちゃん、頑張っていたもんね。この間の魔術技能試験一級も一発で合格したんでしょ……?」
「そうなんです、あの、先輩はまだ準一級を受かってなくて……」
「それで、か……。」
ひたむきに彼氏を愛していたアメリアに、男のコンプレックスを理解することは難しい。
アメリアからしたら理不尽な失恋としか捉えられなかった。
しかし、実際問題、アメリアは優秀すぎた。すでに学年トップの魔術コントロール力があり、それでいて変なプライドなど全くないので男女問わず非常に人気なのだ。
そんな彼女をずっと抱え、魔法が伸び悩んだ結果ジートが彼女を振ってしまうのも仕方のないことだといえる。
そのあとしばらくアメリアの話を聞いてから、タツシは言った。
「さ、疲れていると思うから、これでも飲んで。」
「ありがとうございます」
真っピンクの紅茶を普通に飲むアメリア。
そんな彼女を傍目に、今日も存分に楽しませてあげようと決意したタツシであった。
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