12☆ワールド征服旅行記

Tro

文字の大きさ
63 / 91
#7 現代 フーコ編

#7.2 現状を変えたければ未来を変えろ (2/2)

しおりを挟む
薄暗い部屋で俺は、キーボートを叩き続ける。そこに、俺の未来や過去は無い。得体の知れない十字架を背負い、心の炎を燃やし続けた。


「バキューン」
俺は突然、奇声を上げた。何故だか、分からない。

「静かにしろー、474!」

誰かに怒鳴られた。それが自分に向けられたものなのかどうか、判断がつかない。

「おい、フーコ。俺は外出してくる。7時までには戻る。そいつが使い物にならなくなったら処分しておけ」

「分かりました。部長」


俺の部長様が、外出なされた。
そこへ、隣のお姉さんからチャット攻撃を喰らう。

天才のフーコ > 君。成敗の時間だ。
無能の俺さま > ガチョーン。

天才のフーコ > 未来を変える、
無能の俺さま > ボヨよ~ん。

天才のフーコ > 悲惨な現状を変えるため、未来を変えるのだ。
無能の俺さま > お・れ・の・み・ら・い

天才のフーコ > こっちを見るな。黙って指示を読め。
無能の俺さま > お・れ・の・き・ぼ・う

天才のフーコ > そうだ。目を覚ませ。
無能の俺さま > お・れ・の・き・ぼ・う

無能の俺さま > 俺は、俺は・・・・・・・・・・

「おりゃー」

天才のフーコ > そうだ。君は私のタイムマシーンで、未来を監視するのだ。
無能の俺さま > 何故、未来を?

天才のフーコ > 未来を変えるためだ。
無能の俺さま > 変えると?

天才のフーコ > 現在が変わる。
無能の俺さま > OK

天才のフーコ > 分かってないようだな。説明する。
無能の俺さま > NG

天才のフーコ > イカれた野郎を始末するには、過去に行ってもダメなのだ。
無能の俺さま > ...

天才のフーコ > 確定した過去は変えることが出来ない。
無能の俺さま > hoge

天才のフーコ > 仮に過去を変えられたとしよう。
無能の俺さま > umu

天才のフーコ > そうしたら、現在の私達はどうなる?
無能の俺さま > sa-

「ククク」

天才のフーコ > そうだ。矛盾が生じるのだ、だだだ。
無能の俺さま > da

天才のフーコ > そこで、未来を変えるのだ。
無能の俺さま > だだだ

天才のフーコ > 君は、自動車の製造ラインを見たことがあるか?
無能の俺さま > no

天才のフーコ > 私も無い.
無能の俺さま > Oh-

天才のフーコ > しかし、想像したまえ。
製造ラインの、あるポイントを現在としよう。その手間が過去。完成した車が未来だ。
その車を乗用車としよう。それがバスに変わったらどうなる。製造ラインは、過去に遡ってバス。つまり結果に向かって変わるのだ。結果が変われば、原因も変わる。未来が変われば、それに合わせるために現在が変わる。分かるかな?

無能の俺さま > aaa

天才のフーコ > 君の仕事は、未来のイカれた野郎を失脚させることにある。
無能の俺さま > ds,dadecsxzapewvv

天才のフーコ > これに成功するば、君は彼女と思う存分、
あんなことや、こんなことが出来るのだよ。

無能の俺さま > \(^o^)/

天才のフーコ > しかし、失敗すれば、君は彼女と二度と会えなくなる。
無能の俺さま > ( ; _ ; )

天才のフーコ > 諸君らの、成功を祈る。なお、このメッセージは自動的に消滅する。
無能の俺さま > (T . T)


俺のパソコンが、勝手に再起動を始めた。

俺のパソコン > やあ、残念だったね。僕、疲れちゃったよ。また一緒に、頑張ろう!



薄暗い部屋で俺は、キーボートを叩き続ける。そこに、俺の感情や怨念は無い。得体の知れない十字架を背負い、闇の炎を燃やし続けた。


至福の時間が到来。さあ、餌の時間だ。

「おい! 474。9分で戻ってこい」
そのうち、俺の鼻息で吹き飛ばしてやる。

俺は部屋を出て、従業員食堂を目指す。エレベーターに乗り込み、51階で激流に押し流される。券売機の行列に並ぶこと15分。前方右側に購買部を発見。”購買部 ツアーレ 24時間 働きます” を見て、胸を打たれる。

ひとり優雅に食事中のお姉さんに接近。

「すいません。相席、いいですか?」
俺は偶然、話しかける。

「どうぞ、空いてますから」

俺は、カツ丼を頬張りながら、お姉さんを見る振りをして食べ続ける。

「イカれた野郎の尻尾を掴んだ」

お姉さんが得意満面で……その顔にあるメガネは一体?

「ああ、君も気が付いてしまったのか。なかなか隠せないものだね」
「性格……目が悪かったんですか?」
「これは、ブルーライトから目を保護するためのメガネだ」
「それ、良さそうですね。俺も欲しいです」

「しかしその実体は、何を隠そう、あの、タイムシーンの端末になっているのだ。思はず、作ってしまった」

「その勢いで、俺の分まで作って貰えませんか。端末でなくていいので」
「これで、イカれた野郎の尻尾を掴んだのだ」
「このカツ丼、ウッメー」
「助成金不正疑惑。社長の指示で、国からの助成金を不正に受給している証拠を掴んだ」
「すごいじゃないですか」
「既に、社内の通報窓口に連絡した。後は時間の問題だ」
「さすがは、てん……お姉さんだ。仕事が早いです」
「遠慮はいらない。素直に呼んでみてはどうだね?」

『すいません。相席、いいですか?』
勇気ある若者が、鼻の下を伸ばし、玉砕覚悟で挑んできた。

「シャー」
『すいません。他所に行きます』

勇気ある若者が、玉砕した。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

処理中です...