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#7 現代 フーコ編
#7.4 常勝無敗 (1/2)
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俺達は14階に到着。ここは、何故か空室だらけだ。有る物といえば、給湯室とトイレだけ。大変、勿体ないことだ。ここを、俺とお姉様は走り回り、言われるがまま、何かの準備をした。これが、未来に役に立つとは思えない。そもそも、10年後には、ここの様子も一変していることだろう。天才を理解するには、天才にならないと、いけないのかもしれない。
その後、俺達は研究所に行き、朝を迎えた。と言っても俺は、お姉さんに起こされるまで、寝ていたようだ。
お姉さんは、例のタイムマシーンに首ったけだ。
「起きたかね、君。そろそろ始まるよ」
タイムマシーンに映る監視映像は、社長室を写している。午前8時。イカれたケンジ社長の入場だ。入室早々、お茶を啜っている。その湯のみで溺れてしまえと、お姉さんは思うだろう。
「さあ、君。これから、ショーの時間だ。よく見ておきたまえ」
「何が起こるんですか?」
「それは見ての、お楽しみだ。私の計算に狂いが無ければね」
お茶を揉み干した社長は、いそいそと部屋を出て行った。
「イカれ野郎は、これからトイレに行く。その所要時間は、およそ15分」
「よく調べましたね」
「これは君の調査結果だ。よくやった」
「いや~、それほどでも」
「さあ、次は私の番だ」
お姉さんはキーボードをパチパチ叩き、コマンドを実行する。
「今のは、何をしたんですか?」
「トイレの照明を消した。これで今頃、慌てていることだろう」
「電気が消えたくらいで、そこまでは、どうでしょうか」
「フフフ。それだけならね。しかし、奴はもっと深刻な問題を抱えているのだ」
「それは?」
「フフフ。トイレットペーパーが、無い!」
「随分と小技ですね」
「フフフ。君。トイレットペーパーが無かったらどうするかね?」
「そりゃあ、そうですね。誰もいないなら、ちょっと隣からですか?」
「そうだろう。しかしね、君。このトイレには何処にも無いのだよ。フフフ」
「そうなんですか? なんという偶然」
「偶然? 必然だよ、君。トイレットペーパーの在庫が減らないように、細工してあるのだ」
「なんと芸が細かいことで」
「さあ、どうする? イカれ野郎」
監視映像には、イカれ野郎がズボンを下ろしたまま出てきた。なんという醜悪。一体どうするつもりだ?
「フフフ。イカれ野郎は、本当のイカれクソ野郎になるのだ。この階は重役専用で、まだ殆どが出社していない。それをいいことに、隣の女子トレイに紙を求めて彷徨うのだ。何故なら、イカれクソ野郎は、スマホのアプリで、事前に女子トレイが
全室空いていることを確認するからだ。パニック状態では、冷静な判断が出来ないだろう」
「そこまで想定できるとは、不思議です」
「不思議でもなんでもないことだ。奴の習性を知った上での計画だ。それに、計画はまだ。半分くらいだ」
イカれクソ野郎が、想定通り、女子トイレに侵入。
「フフフ。入ったな、女子トイレに。この不届き者が! 天罰が下るが良い」
「まさか、女子トイレも」
「もちろんだ。どこを探しても、目当ての物など、無い!」
「そろそろ、諦めるんじゃないですか」
「フフフ。これでも喰らえ」
お姉さんはキーボードを速攻で叩き、コマンドを実行する。
「今のは?」
「自動水栓を最大圧力で解放。水浸しになった奴は、足を滑らすだろう。そこには、更なる罠が待っている」
「あれですか?」
「そうだ。あれだ。曲げておいたフックにズボンが引っ掛けるだろう。ズボンは、無残にも破れてしまうのだ!」
「本当に、そんなに上手く行くでしょうか?」
「監視映像を見たまえ。今に、哀れな格好の奴が、出てくる」
別の監視映像には4人の女性が歩いている様子が映っている。
「4人か。1人足りないが、まあ、計画には支障はないだろう」
想定通り、哀れな格好のイカれクソ野郎が出現。そこに、先程の4人が鉢合わせをした。悲鳴をあげる者、逃げて去る者、その場に佇む者。なんという、シュールな光景なんだ。
「まだだ。仕上げはこれからだよ、君。8時30分から、奴の知らない重役会議をセッティングした。その中には会長連中も含まれているのだ」
「最後には、どうなるんですか?」
「当然、気のふれたイカれクソ野郎は更迭。島流だ。極刑だ!。さあ、私達も出社しよう。輝く未来を手に出来たかどうか、この目で確認しようではないか!」
◇
その後、俺達は研究所に行き、朝を迎えた。と言っても俺は、お姉さんに起こされるまで、寝ていたようだ。
お姉さんは、例のタイムマシーンに首ったけだ。
「起きたかね、君。そろそろ始まるよ」
タイムマシーンに映る監視映像は、社長室を写している。午前8時。イカれたケンジ社長の入場だ。入室早々、お茶を啜っている。その湯のみで溺れてしまえと、お姉さんは思うだろう。
「さあ、君。これから、ショーの時間だ。よく見ておきたまえ」
「何が起こるんですか?」
「それは見ての、お楽しみだ。私の計算に狂いが無ければね」
お茶を揉み干した社長は、いそいそと部屋を出て行った。
「イカれ野郎は、これからトイレに行く。その所要時間は、およそ15分」
「よく調べましたね」
「これは君の調査結果だ。よくやった」
「いや~、それほどでも」
「さあ、次は私の番だ」
お姉さんはキーボードをパチパチ叩き、コマンドを実行する。
「今のは、何をしたんですか?」
「トイレの照明を消した。これで今頃、慌てていることだろう」
「電気が消えたくらいで、そこまでは、どうでしょうか」
「フフフ。それだけならね。しかし、奴はもっと深刻な問題を抱えているのだ」
「それは?」
「フフフ。トイレットペーパーが、無い!」
「随分と小技ですね」
「フフフ。君。トイレットペーパーが無かったらどうするかね?」
「そりゃあ、そうですね。誰もいないなら、ちょっと隣からですか?」
「そうだろう。しかしね、君。このトイレには何処にも無いのだよ。フフフ」
「そうなんですか? なんという偶然」
「偶然? 必然だよ、君。トイレットペーパーの在庫が減らないように、細工してあるのだ」
「なんと芸が細かいことで」
「さあ、どうする? イカれ野郎」
監視映像には、イカれ野郎がズボンを下ろしたまま出てきた。なんという醜悪。一体どうするつもりだ?
「フフフ。イカれ野郎は、本当のイカれクソ野郎になるのだ。この階は重役専用で、まだ殆どが出社していない。それをいいことに、隣の女子トレイに紙を求めて彷徨うのだ。何故なら、イカれクソ野郎は、スマホのアプリで、事前に女子トレイが
全室空いていることを確認するからだ。パニック状態では、冷静な判断が出来ないだろう」
「そこまで想定できるとは、不思議です」
「不思議でもなんでもないことだ。奴の習性を知った上での計画だ。それに、計画はまだ。半分くらいだ」
イカれクソ野郎が、想定通り、女子トイレに侵入。
「フフフ。入ったな、女子トイレに。この不届き者が! 天罰が下るが良い」
「まさか、女子トイレも」
「もちろんだ。どこを探しても、目当ての物など、無い!」
「そろそろ、諦めるんじゃないですか」
「フフフ。これでも喰らえ」
お姉さんはキーボードを速攻で叩き、コマンドを実行する。
「今のは?」
「自動水栓を最大圧力で解放。水浸しになった奴は、足を滑らすだろう。そこには、更なる罠が待っている」
「あれですか?」
「そうだ。あれだ。曲げておいたフックにズボンが引っ掛けるだろう。ズボンは、無残にも破れてしまうのだ!」
「本当に、そんなに上手く行くでしょうか?」
「監視映像を見たまえ。今に、哀れな格好の奴が、出てくる」
別の監視映像には4人の女性が歩いている様子が映っている。
「4人か。1人足りないが、まあ、計画には支障はないだろう」
想定通り、哀れな格好のイカれクソ野郎が出現。そこに、先程の4人が鉢合わせをした。悲鳴をあげる者、逃げて去る者、その場に佇む者。なんという、シュールな光景なんだ。
「まだだ。仕上げはこれからだよ、君。8時30分から、奴の知らない重役会議をセッティングした。その中には会長連中も含まれているのだ」
「最後には、どうなるんですか?」
「当然、気のふれたイカれクソ野郎は更迭。島流だ。極刑だ!。さあ、私達も出社しよう。輝く未来を手に出来たかどうか、この目で確認しようではないか!」
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