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教科書には書いてなかった※
しおりを挟むあのふわふわするエッチぃキスのこともそうだけど、その後改めて二人から教えてもらった恋人同士のあれこれはわたしにとって衝撃的なものばかりだった。
まず「おはよう」「いってらっしゃい」「お帰りなさい」と挨拶のように気軽に交わされるキス。コレはあの日のようなエッチぃキスではなく唇をくっつけるだけのキス。でも、それは周りに人が居ようとお互いにし合いっこするものらしく、それが「恋人同士では普通のこと」らしい。
そう言われてもやっぱり自分からとなると、どうしても恥ずかしくて未だにわたしは頬にしか出来ていない。
二人は唇にしてくれるのに……申し訳ない。
それでも二人は呆れたり怒ったりする事なくいつも「頑張ったなありがとう」って撫でて褒めてくれる。
そして食事中の食べさせ合いっこも、寝る前に抱きしめ合って言葉で気持ちを伝え合うのも「恋人同士では普通のこと」らしい。
毎日ドキドキと羞恥とで、心臓がもたない!でも、それを我慢したら必ずーー
「いつも俺達のお願い聞いてくれてありがとうなコハク」
「本当にコハクはいい子だなぁ」
大好きな二人の笑顔と
「コハクのお願いは?」
「何かして欲しいこととかないか?」
「き、キスして、欲しい。あのふわふわするエッチぃキス」
二人からの愛がいっぱいもらえる。
「ごめんな、俺だけで」
今日はそんな優しい二人に、手料理を振る舞うため、お昼にわたしの部屋に来て欲しいとお願いしてたんだけどーー
クシェル様は急な会議が入ったとかで来られなくなってしまった。
「ううん。ジークお兄ちゃんが来てくれただけでもすっごい嬉しい!」
近衛騎士団団長であるジークお兄ちゃんだって本当はその会議に参加しないといけなかったはずだ。でもジークお兄ちゃんはわたしのために今ここに居てくれている。
先にわたしと約束してたから、前にわたしが「一人だと食欲が湧かない」と言ったから、わたしを悲しませないためにーー
「ありがとうお兄ちゃん」
その後、部屋に来てくれたジークお兄ちゃんの手を引いて、テーブルまで案内すると、準備しておいた料理をそこに並べ、わたしはお兄ちゃんの膝の上に座った。
「ありがとうコハク、どれも美味かった」
昼食も食べ終わり、簡単に片付けを済ませてジークお兄ちゃんの元へ戻る。すると流れるようにわたしを膝の上に乗せ「ありがとう」と頭を撫でてくれるお兄ちゃん。
「喜んでもらえて良かったです」
エヘヘ、お兄ちゃんの撫で撫で好き~
お兄ちゃんのあの大きな暖かい手で撫でられたらポワポワと心まで暖かくなって、幸せな気持ちになれる。
そして、キスはもっと好き。お兄ちゃんの温もりを、愛をもっと強く、深く感じられて、頭の中が幸せでいっぱいになる。
「ん……ぅむ、はぁ。じ、ジークお兄ちゃん」
「んー?」
「これ、お兄ちゃんは楽しいの?」
でも、胸はこそばゆいだけで好きじゃない。
どうせなら手を握ったり、頭を撫でてくれれば良いのにーー
最近お兄ちゃんはキスが深くなってくると背中を支えてくれていた手がいつの間にか前に移動し、サワサワと胸を撫でてくるようになった。
「コハクはこれ、好きじゃないか?」
「んー、正直あまり……でも、お兄ちゃんがしたいならっひゃ!」
「これも?」
いきなり胸を鷲掴みにされて驚いた。
そしてお兄ちゃんは何を思ったかそのまま胸を生地でも捏ねるかのようにモミモミし始めた。
「な、何?や!やだ!」
一瞬で全身に鳥肌が立ち、酷くいけない事をしている気がして思わずジークお兄ちゃんの腕を掴む。
「す、すまない!もうしない!だから泣かないでくれ」
「ふぇ」
お兄ちゃんにそう言われて初めて自分が泣いていることに気づく。
「怖い思いさせて悪かったコハクにはまだ早かったなぁ」
「……こ、コレも、恋人同士なら普通のこと、なの?」
わたしが泣くと、抱き上げて背中をトントンしてくれるお兄ちゃん。おかげで、涙はすぐに引っ込み、心も落ち着きを取り戻す。
すると、お兄ちゃんのする事を拒んでしまった事に申し訳なく感じると共に、恋人として至らない自分の幼稚さを恥ずかしく思う。
「恋人だからこうしないといけないという事はない」
「で、でも」
「人には誰しも向き不向きが、あって……そうか。すまないもう少しだけ頑張ってみてくれないか?」
「え?あ、ぅん」
またあれをするのかと思うと、尻込みしてしまう。でも、お兄ちゃんのため、お兄ちゃんに喜んで貰えるなら頑張る!
「さっきみたいなことはしないから、安心してくれ」
「う、うん」
次触るのは胸じゃないって事?じゃあどこ?他に触ってない所って言ったら、残るはーーま、まさか!
「ま、まま待ーー!」
「マママ?とはどういう」
「待って!待って下さい!これ、これこれはわ、わたしにはまだ早いっていうか心の準備が、というか、絶対入らなっじゃなくて!とにかく待って!」
ま、まさかのまさかだった!
抱き上げられたまま寝室まで運ばれて寝かされたかと思ったら、ワンピースの中に手が入って来た!
「知っているのか?」
「へ?」
「俺が今からしようとしている事に心当たりが?」
「心当たりって、だ、だってその奥は、赤ちゃんを作るための」
大事なアレがーー
「子供の作り方を知っているのか⁈何故!誰に教えられた!ッハ!まさかもうすでに誰かに?だから入るサイズが分かるってか?クソッ許さねぇ殺ろしてやる!って殺したくても殺せねぇのか。クソッ」
「ジーク、お兄ちゃん?」
わたしが子供の作り方を知ってたら何か不都合なことがあるのか頭を抱え何やらブツブツと呟くジークお兄ちゃん。
「待て、でもだったらおかしくないか?何故コハクは胸を揉んだ時あんな反応をした?キスだってそうだ。舌を入れることも知らなかった。まさか!クソ野郎はコハクのことを一方的に」
「ジークお兄ちゃんてば!!」
「す、すまない!コハクに怒ってるわけじゃないぞ!」
やっぱり怒ってた。
ジークお兄ちゃんが饒舌になるときは大抵何か悪い想像をしている。特にわたしに聞こえないようにブツブツと小声で呟いているときは怒ってることが多い。
「じゃあ誰に怒ってるの?」
「それは、その……」
目を逸らされる。
「わたしが子供の作り方を知ってたから?だから、怒ってるの?何で?そんなの小学生でも知ってるよ」
「ショーガクセィ?」
「10歳くらいの子供でも知ってるって事!」
「そんな早くから⁈」
「学校で習うもん。男女の身体の違いとか、赤ちゃんの作り方、とか、生理の事とか」
「学校……」
どうしてもわたしが子供の作り方を知っている事を信じたくないのか、眉間に深い皺を作り、口元を戦慄かせるジークお兄ちゃん。
「まさかお兄ちゃん、わたしが赤ちゃんは鳥さんが運んで来るって信じてるとか思ってた⁈わたしそんな子供じゃないよ!ちゃんと知ってるよ赤ちゃんの作り方くらい!お、男の人のアレを女の人のアソコに入れて中で、アレが出たら」
「わ゛ーー!分かったからやめてくれ!コハクの口からそんなこと聞きたくない」
「むぅ。ジークお兄ちゃんもクシェル様も未だにわたしのこと何も知らない子供だと思ってる節があるよね。経験が無いだけでそういう最低限の知識くらいあるよ!」
恋人同士の愛情表現は知らなかったけど、それは今までそういうことを知る機会がなかったってだけでーーわたしだってそれなりの知識くらいある。無知な子供じゃない!
「そ、そうか。また俺の早とちりか良かった。でも、胸」
「だ!だってあんなこと教科書には書いてなかったんだもん!」
「本の知識か、出来ればこれも俺が教えたかったんだが」
「むぅ。たまにオヤジくさいよね」
「親父?」
「エロいって事!……お兄ちゃんの変態」
そんなジークお兄ちゃんも愛しく思えるのだからわたしも大概だと思うけどーー
「ひゃっ!え、え?続けるの⁈」
「大丈夫、今日は気持ち良くするだけだから」
「気持ち良く?」
「んー?これはキョーカショには書いてなかったのか?」
「わ、分かんない。お互いの気持ちなんて書いてなあっ!」
軽く太腿を撫でられたかと思うと、今度はグッと足を開かされ、閉じれないように間に体を入られる。
「や、やだ!こんな格好恥ずかしい!」
「恥ずかしいだけか?」
「へ?ッハ!や、違、こわっん、ぁん」
咄嗟に怖いと言い直そうとしたらキスで塞がれた。
「嘘はいけないなぁ」
「ご、ごめんなさ」
「いけない子にはお仕置きしないと、なぁ?」
「うぅ~」
「恥ずかしいだけなら、我慢出来るよなぁ」
笑顔で、語尾が優しい。でも知ってるこういう時のジークお兄ちゃんはわたしを羞恥で限界まで追い詰める、いじめっ子モードのお兄ちゃん!
め、目が怖いよー!
「大丈夫今日は撫でるだけ、入れないから」
「撫でる?」
「それもキョーカショには書いてなかったのか?」
「あ!絶対今バカにした!」
「バカになんてしてない」
「嘘!さっきからニヨニヨして!面白がってたんだ!」
「違う。嬉しくて仕方ないんだ」
「嬉しい?」
教科書に書いてないのが?
「本当に俺が初めてなんだなぁって安心した」
「むぅ……変態っんぁ!」
会話の途中だったのにいきなり女の子の大事なアソコに下着を食い込まされた!
「今のはコハクが悪い」
「え?何でわたし何も」
「可愛すぎる!」
ーー理不尽!
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