勇者でも渡り人でもないけど異世界でロリコン魔族に溺愛されてます

サイカ

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【ジーク】なぜここで急な煽り⁈※

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 コハクは撫でられるのとキスが好きだ。
 何でも、ふわふわして幸せな気持ちになれるかららしい。

 それって気持ち良くなってるって事だろ?

 でもそういうことに関する知識も経験もない純真無垢なコハクはそれに気付かない。

 そこがまた可愛い。

 それに、コハクは「いい子」という言葉にも弱い。まぁ、これは俺がそう教えたんだが。

 つまり、コハクは「いい子」と言われて頭を撫でたり、キスをされると、目をとろけさせーー感じ入りながら無意識に次を求めて来る。

 やっとここまで来た!コハクはもともと感じやすい子なはずなのだが、知識と経験がないことで逆にそういうことに対する恐怖感も強く、初めて口の中に舌を入れた時は驚きと恐怖のあまり泣いてしまった。

 これは恋人同士では普通だと教え、何度も繰り返すことで抵抗を無くし、ゆっくり丁寧に優しく舌を動かす事でやっとここまで来た。

 本当はもっと奥まで舌をねじ込み、溺れるほど俺の唾液を飲ませてやりたいがーーそんなことをしたら絶対に泣かれる、というか最悪嫌われて、口も聞いてもらえなくなる。それだけは嫌だ!

 しかし、早く先に進みたいのも事実。

 そこで最近はキスの合間に胸への愛撫を試みているのだがーー正直あまりいい反応はない。

「これ、お兄ちゃんは楽しいの?」
「コハクはこれ、好きじゃないか?」
「んー、正直あまり…」

 やはりか。しかし、嫌がるほどではない。もしかして、弱くし過ぎたのか?もう少し強めに刺激を与えた方が良かったか?

 そう思い、撫でるのはやめて揉んでみることにした。しかし、それは失敗だった。

「な、何?や!やだ!」

 コハクは俺の腕を掴み、強く抵抗した。

「す、すまない!もうしない!だから泣かないでくれ」

 キスの時と一緒、いやそれ以上かもしれない。コハクは体を強張らせ、顔からは血の気が引いている。相当嫌だったのだ。

 早まった。間違えた。怖がらせた。拒絶されたーーどうしようどうすれば!とにかく謝らないと

 俺は慌ててコハクを抱き上げ、あやしただただ謝る。コハクに拒絶されて動揺して焦った俺に出来ることはこれしかなかった。

「……こ、コレも、恋人同士なら普通のこと、なの?」

 どうにか嫌われずに済んだようだ。それにひとまず胸を撫で下ろす。

「恋人だからこうしないといけないという事はない」

 コハクが嫌がる事なんて二度としない!コハクの好きな事だけすれば良い。人には誰しも向き不向きがあって、感じやすい者もいればそうじゃない者もいる。感じる所も皆同じじゃないーーあ、そうか。つまり、コハクは胸では気持ち良くなり難いという事で、それ以外なら!

 俺は段階をいくつか飛ばす事にした。


「すまないもう少しだけ頑張ってみてくれないか?」
「え?あ、ぅん」
「さっきみたいなことはしないから、安心してくれ」
「う、うん」

 不安げに見つめて来るコハクを宥め、ベッドに下ろす。

 しかし、今から俺がしようとしている事なんて知る由もないコハクはキョトンと俺の目を見つめている。

 そんな子に今からあんな事をするなんて、可哀想で可愛い。正直興奮する。

 しかし、俺が服の中に手を滑らせた瞬間

「待って!待って下さい!これ、これこれはわ、わたしにはまだ早いっていうか心の準備が、というか、絶対入らなっじゃなくて!とにかく待って!」

 顔を赤くしながら動揺し、起きあがろうとしてきた。まるで今から自分がされることがわかっているかのような反応だ。

 知っているのか?あの行為の事を、コハクが⁈

「俺が今からしようとしている事に心当たりが?」
「心当たりって、だ、だってその奥は、赤ちゃんを作るための」

 子供の作り方、つまり性行為の事を知っているのか⁈何故!いつどこで誰に教えられた!俺はまだそこまで教えてないぞ!もちろんヘタレ、もとい奥手なクシェルがこんな事コハクにする訳も話題にすらするはずもない。という事は、まさかもうすでに誰かに?だから自分のに入るサイズが分かるってか?クソッ許さねぇコハクにそんなこと教えた奴もした奴も殺ろしてやる!って殺したくてもそいつはあっちの世界のやつだから殺せねぇのか。クソッ!
 いや、待て、でもだったらおかしくないか?何故コハクは胸を揉んだ時あんな反応をした?キスだってそうだ。舌を入れることも知らなかったんだぞ。まさか!クソ野郎はコハクのことを一方的に犯しーー

「ジークお兄ちゃんてば!!」

 コハクに服を引っ張られて、慌てて思考を戻す。

「す、すまない!コハクに怒ってるわけじゃないぞ!」
「じゃあ誰に怒ってるの?」
「それは、その……」

 コハクにそういう事を教えて、酷い扱いをしたであろうクソ野郎、なんて言えるはずもなく。

「わたしが子供の作り方を知ってたから?だから、怒ってるの?何で?そんなのショーガクセィでも知ってるよ」
「ショーガクセィ?」
「10歳くらいの子供でも知ってるって事!」
「そんな早くから⁈」

 10歳にはすでに経験済みだったということか!信じられない。

「学校で習うもん。男女の身体の違いとか、赤ちゃんの作り方、とか、生理の事とか」
「学校……」

 しかも、学校で教えられるのか⁈どれだけ狂った世界なんだ!

「まさかお兄ちゃん、わたしが赤ちゃんは鳥さんが運んで来るって信じてるとか思ってた⁈わたしそんな子供じゃないよ!ちゃんと知ってるよ赤ちゃんの作り方くらい!お、男の人のアレを女の人のアソコに入れて中で、アレが出たら」
「わ゛ーー!分かったからやめてくれ!コハクの口からそんなこと聞きたくない」
「むぅ。ジークお兄ちゃんもクシェル様も未だにわたしのこと何も知らない子供だと思ってる節があるよね。経験が無いだけでそういう最低限の知識くらいあるよ!」

 経験が、ない?確かにそう言った。さっきの鳥がどうのはよく分からなかったが、コハクは確かに経験がないと言った!つまり、コハクは今まで通り純真無垢なまま!

「そ、そうか。また俺の早とちりか良かった。でも、胸」
「だ!だってあんなことキョーカショには書いてなかったんだもん!」
「本の知識か、出来ればこれも俺が教えたかったんだが」
「むぅ。たまにオヤジくさいよね」
「親父?」
「エロいって事!」

 コハクの例えはたまに分からないものがある。これも世界の違い故か、あっちの世界の親父は皆エロい、卑猥な事ばかり考えているのだろうか?だとしたらやはり、狂っている。

「お兄ちゃんの変態」

 な、なぜここで急な煽り⁈ 上目遣いで不敵な笑みからの悪態、完全な煽りだ。しかも、その行為の事を知ってると主張した上での煽り!さっきまで俺がしようとしていたことの意味をちゃんと理解していると主張した上での煽り!これは誘っているとしか思えないのだが⁈

「ひゃっ!え、え?続けるの⁈」

 太ももに乗せたままの手を微かに上に滑らせただけで驚き、声を上げるコハク。

 違ったー無自覚だった。知ってた。分かってたさ、コハクには裏なんてない。駆け引きなんて知らない。そこが可愛い!

「大丈夫、今日は気持ち良くするだけだから」
「気持ち良く?」
「んー?これはキョーカショには書いてなかったのか?」
「わ、分かんない。お互いの気持ちなんて書いてなあっ!」

 足を開かれそこに入られたらどうなるか、これからどうなるのか、考えなくても分かる。知識だけはあるコハクもそれが分かり、顔を真っ赤にして慌てだす。

「や、やだ!こんな格好恥ずかしい!」

 格好が恥ずかしいだけ?逃げれないこの状況に慌ててるわけではなく?そういう行為を想像して恥じらっているわけではなく?
 嗚呼知識だけでは直ぐにはそこまで思い至らないのかーー

 俺が聞き返したのも、いつものやり取りの一つだと思っている。コハクは知っているのだ俺が恥ずかしがるコハクを見るのが大好きな事。だから、咄嗟に怖いと言い直そうとする。

 だからそんな嘘をつく悪い口はキスで塞いで、コハクの考えにわざと乗る。

「いけない子にはお仕置きしないと、なぁ?」
「うぅ~」
「恥ずかしいだけなら、我慢出来るよなぁ」

 いつもの、俺がコハクを可愛がる時の合言葉。

 それだけで、耳まで赤くするコハク。

「大丈夫今日は撫でるだけ、入れないから」
「撫でる?」

 どうやらキョーカショなる本には、行為の詳しい内容までは書かれてなかったようだ。先程コハクの口から説明があった通り、入れて出すだけの、必要最低限の知識のみ。

 それまでに何をされるのかも、きっと入れて終わりじゃないことも知らない。

 嗚呼堪らない。それを今から俺が教える、塗り替える。嗚呼その時コハクはどんな顔でどんな風に反応してくれるのだろう。

「それもキョーカショには書いてなかったのか?」
「あ!絶対今バカにした!」

 ニヤケを抑えきれなかったせいで、流石のコハクも言葉の裏に隠されたものに気づく。

「バカになんてしてない」
「嘘!さっきからニヨニヨして!面白がってたんだ!」

 しかし、少しズレてる。
 俺はコハクが思っているより悪い大人だよ。上辺だけの知識を揶揄うなんて幼稚な事はしない。それを喜び、悪用する。

「違う。嬉しくで仕方ないんだ」
「嬉しい?」
「本当に俺が初めてなんだなぁって安心した」
「むぅ……変態っんぁ!」

 本当コハクは俺を煽るのが上手い。
 口を尖らせてむぅと鳴くのはコハクの怒るに怒れない時の可愛い癖だ。この場合俺が安心したなんて言ったから、知識が足りない事を喜ばれて腹が立ったが、怒れなかったのだろう。でも、せめてもの意趣返しに可愛い悪態をつく。

 これはいきなり襲われても文句は言えない。

「今のはコハクが悪い」
「え?何でわたし何も」
「可愛すぎる!」

 先程は思わず指を突き入れそうになったが、下着のおかげで助かった。今日は撫でるだけだと宣言したにも関わらず、そんな事をしたら信用を無くすどころの話ではない。

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