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撫でられてもないのに※
しおりを挟むジークお兄ちゃんの袖を引っ張り、わたしが入った部屋は勿論、自分の部屋だ。
そして、わたしが奥の寝室のドアを開けようとしたらーー
「っな、何を考えてるんだ!」
袖を掴んでいた手を振り払われた。
「わたしは、話がしたくて……」
「だ、だからって、話ならこの部屋でなくても出来るだろ!」
ジークお兄ちゃんに怒鳴られた。
そして、数歩後ずさり、わたしから遠ざかろうとするジークお兄ちゃん。
ジークお兄ちゃんに、拒絶された?
「何で……っ!」
あぁそうか、あの時のお兄ちゃんもこんな気持ちだったんだ。
わたしに手を払われて、拒絶されて逃げられて、この部屋に一人取り残されてーーだからこの部屋が怖いんだ。トラウマになってしまったんだ、あの日の出来事が。だからこの部屋に入りたくないんだ。
「ごめんなさい。わたしのせい、だよね……でも大丈夫だから、今度は逃げないから、一人にしないから!」
そう言って、あの日払った手を握る。すると、ジークお兄ちゃんはその手を凝視したまま固まってしまった。
「ほ、本当に怖くて逃げたんじゃないの!手だって怖くて避けてたんじゃない。あの時のことを思い出して、恥ずかしくて……本当だよ。ね?」
握った手を引き寄せ、頬擦りして見せる。
「っ!む、無理しなくていい、分かってるからっ、き、気を遣わせて」
「分かってない!わたしはジークお兄ちゃんのこと嫌ってもないし怖がってもいない!無理なんてしてない!」
「っな、何を⁈や、やめ」
頬擦りしてした手を今度は自分の首へと持っていき、握らせるとそれを上から押さえ付けた。
「ね?怖くない」
ジークお兄ちゃんになら、その手で首を掴まれても怖くない。
ジークお兄ちゃんの力なら、容易にこんな首へし折れるだろう。なんせ、わたしが本気で腕を振り解こうとしても微動だにしなかったくらいだ。もしお兄ちゃんが本気でその力をわたしに向けたらーー
わたしの意思なんて意味をなさない。
でも、ジークお兄ちゃんはそんなことしないって信じてるから、わたしを大切に想ってくれているって知ってるから何も怖くない。
「わたし、ジークお兄ちゃんの優しさにずっと甘えてた。ジークお兄ちゃんが怒らないのもわがままを許してくれるのも、わたしに優しくしてくれるのも全部、当たり前のように思ってた」
優しくて良い人だな、好きだなぁって思うだけで、その優しさがどこから来るのかとか、何でそこまでわたしを想ってくれるのかとか、深く考えようとはしなかった。ジークお兄ちゃんのことを知ろうとはしてこなかった。
「でも本当はずっと無理してたんだよね?ずっと自分の気持ち押し殺して、わたしのために……でも、もう我慢しなくて良いの!ちゃんと受け止めるから、今度こそ逃げないから」
「ま、待て!何故急にそんな」
「もう一分一秒もジークお兄ちゃんに我慢して欲しくないの!大丈夫。何をされても絶対嫌ったりしない。逃げない!だから信じて。ね?」
首に添えていた手を持ち上げ、その指先に『チュ』と口付ける。
「わたし知りたいの、ジークお兄ちゃんが何を望んで何をずっと我慢して来たのか。だから教えて、ちゃんと全部、全部受け止めるから」
そして、気持ちを受け止める覚悟を示すためにもう一度その手を頬に持っていこうとしたらーー
「本当に、良いんだな?」
逆に手首を握り返されて、引き寄せられた。
「ん、いいよ。いい、お兄ちゃんの好きにして」
そう言ってわたしが目を閉じれば、『コクリ』というジークお兄ちゃんの息を呑む音が聞こえ、それに次いで『ちゅ』と優しいキスが落とされた。
「んっ、ジークっ、おにぃっん、んむっ」
「コハク可愛い。ほら、もう一回」
ベッドに下ろされてからどれくらい経っただろう、何度も角度を変えて、何度も口を塞がれて、ずっとキスだけが続いている。
「んぁ、ま、待って」
「どうした?キスもダメか?嫌いになったか?」
「ち、違う!けど……」
これはわたしが好きなふわふわな優しいキス。これじゃ前と変わらない。お兄ちゃん、またわたしに遠慮してる。わたしのために我慢してる。
「わたしは、その……もっと、ジークお兄ちゃんがしたいように、して、欲しくて……」
「っ⁈……では、もう少し乱暴にしても良いか?」
「うん、うん!」
ジークお兄ちゃんにわがままを言ってもらえたのが嬉しくて、わたしはジークお兄ちゃんの首に抱きついた。
その後のキスは凄かった。
口の中全部舐め回されて、ジークお兄ちゃんの大きくて厚い舌が喉まで入って来て、舌全体で敏感な上顎を何度も撫でられた。かと思ったら今度は舌を絡め取られ、舐められ吸われ、今までのは全然本気じゃなかったんだと思い知らされた。
そして最後には唾液を流し込まれーー
「コハク、飲んで、全部」
「ぅん、んっ、んあ」
「っ!嫌じゃ、ないのか?」
ジークお兄ちゃんはわたしの口を開けさせて、何も残っていないことを確認すると目を見開き、驚きを露わにする。
「何で?ちょっと苦しかったけど、嫌じゃないよ?唾液だって、別にジークお兄ちゃんのだし……嫌じゃ、ない」
進んで飲みたいとは思わないけど、別に嫌悪感はない。まぁ、凄く恥ずかしくはあるんだけど、それでジークお兄ちゃんが喜んでくれるなら全然大した事じゃない。
「え?ジークお兄ぃっひぁ⁈」
自分の答えに一人頬を熱くしていたら、いきなり首に回していた腕を解かれ、両手をベッドに押さえつけられた。かと思ったらジークお兄ちゃんの左膝が足の間へと入ってきてーー
「もう一度聞くが、本当に良いんだな、逃げなくて、本当にこのまま、俺の好きにして、いいんだな?」
何かを確かめるかのようにゆっくりと、それは付け根の方へ押し上げられてきて、最後には女の子の大事なアソコにグッと押し当てられた。
「っあ!ぃ、いい、ジークお兄ちゃんになら、わたし」
「俺は確認したからな、それでも拒まなかったのはコハクだ。もし逃げたら……容赦しねぇからな」
そう言ってわたしを睨むジークお兄ちゃんの深緑の瞳はまさに獰猛な肉食獣のそれで、わたしは恐怖とは違う何かにゾクリと身を震わせた。
その後ジークお兄ちゃんはわたしの顔を逃げられないように両手で固定すると、再びわたしの口を塞ぎ、無遠慮に舌を動かした。
その激しさを物語るかのように、さっきから互いの唾液が混ざる『ピチャピチャ』という水音と、それに合わせるように「んっ、んぁ、んんっ!」と言った女の艶かしい声が頭の中に大きく響いてる。
それを聞いてたら、だんだん変な気分になってきて、まだ撫でられてないのに何故か、ジークお兄ちゃんの膝が当たってる、そこがやけに気になる。
閉じたい。でも、ジークお兄ちゃんの膝があるせいでそれも出来なくてーーもどかしい。
「んゃっ、や、ぁん、っはず、してぇっ」
最初はその原因が分からなかったけど、今やっと分かった。何で自分から出た音がこんなにも大きく頭の中に響いてくるのか。
それは、ジークお兄ちゃんがわたしの顔を固定するための手でわたしの耳まで塞いでしまってるから。それさえ外せれば、この卑猥な音は止まる!こんな変な気分にもならずにすむ!
「んんっ⁈んん゛ーーっ!!」
そう思い、ジークお兄ちゃんの手を外そうと動いたら、口を塞がれたまま、アソコに膝をグリグリと押し当てられた。と、同時に気付いてしまった。わたしのそこがーー
「濡れてるなぁ」
グチュリと水で布が張り付く感覚、その水が布に浸透してーージークお兄ちゃんの体温が伝わって来る、感覚。言われなくても分かってる。
「あ、あ、言わ、ないで」
恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい。
撫でられてもないのに勝手にそんなとこ濡らして、アソコから出たものでジークお兄ちゃんの膝を汚して、剰えその刺激を一瞬でも気持ち良いと思ってしまうなんてーーわたしはなんてはしたない女なんだろ。
「コハク、コレはどういう意味だったか、覚えてるか?」
「あ、ぅ、ごめんなさい。撫でられてもないのにっ、濡れて、気持ち良くなって、ごめんなさっ、はしたない子でごめ」
「っな、泣かないでくれ!大丈夫だコレは謝るようなことじゃない!それに、俺は嬉しい。触ってないのにココが濡れるってことはそれだけ今のキスが気持ち良かったってことだろ?」
容赦しないって言ったのに、結局はわたしが泣いたら行為をやめて、わたしの涙を拭ってくれる優しいお兄ちゃん。好き。
「う、うん」
「俺はもっとコハクに気持ち良くなってもらいたいんだ。そのために俺は何を、コハクは俺にどうされたい?」
「っあ、アソコ、撫でてほしい」
だって、ソコが濡れるのは気持ち良いからで、撫でてもらいやすくするためでーーつまり、もっと気持ち良くなりたいからもっと撫でてって意味でしょ?
「アソコ?」
ジークお兄ちゃんはアソコと聞いて、本当に分からないのか、目を瞬かせて、首を傾げた。うぅ~元の世界だったら「アソコ」だけで通じるのに!この世界じゃ通じないの⁈
「うぅ、だから、ジークお兄ちゃんの、膝が当たってるそこを、お、女の子の大事な、とこを、撫でて」
「大事な、ねぇ」
「ぅえ?……っあ!」
今日は最初からパンツを脱がされ、直接ソコを撫でられた。
「コハク、俺に大事なとこ撫でられて気持ち良いか?」
「ぅん、気持ち、いいっ!」
「本当に?怖くないか?」
ジークお兄ちゃんの声が沈んでる。あ、まだ不安なんだ。わたしの言葉を信じられずにいるんだ。ちゃんと伝えないと、ジークお兄ちゃんが不安にならないように、悲しまないようにちゃんと!
「あっ、怖く、ない。好き、ジークお兄ちゃんの手ぇ、好きぃっ!」
キスも、ソコを撫でられるのも好き。ふわふわして、頭の中ジークお兄ちゃんの愛でいっぱいになって、気持ち良くて好き。
「じゃあここは?ここは怖くない?」
「っひゃ!こ、怖くない」
ジークお兄ちゃんが「ここ」と言って指で突いたのは、あの、上の方にある小ちゃい粒。クリクリしたら気持ち良いとこ。
「本当に?」
円を書くようにクリクリと撫で回されると、ゾワゾワとあのえも言われぬ感覚が押し寄せてきて、お腹の奥がキュンキュンと泣き始める。
「本当に、怖くっ、ない。気持ち、いいっん、好きっ、ソコ好き」
ジークお兄ちゃんの熱い指でいっぱい撫でてもらって、愛をいっぱい感じて、もっと気持ち良くなりたいってお腹がキュンキュンと泣いてるの。
「だから、んっ、いっぱい撫で撫でして」
「……っとに可愛過ぎだろっ!」
早急に塞がれ、無遠慮で乱暴な噛み付くようなキス。でも、それはそれだけお兄ちゃんがわたしのことを求めてくれてるって、愛してくれてるって事だから、怖くない。むしろ凄く嬉しい!
下もキス同様激しくされるのかな?と思い覚悟をしていたが、全然そんなことはなく、むしろ驚くほど丁寧だった。
ジークお兄ちゃんは一旦上の粒から指を離すと、入り口から滲み出たソレを掬うように撫で取り、敏感なあの粒に何度も塗り付けた。そして充分に滑りを良くした後に、ソコを撫で摩り始めたのだ。
キスは息をするのも難しい程激しく、余裕がなさそうなのに、アソコを撫でるジークお兄ちゃんの指は優しく丁寧で、そこにジークお兄ちゃんの優しさを感じて、胸が高鳴った。
「ほら、コハクの良いとこいっぱい撫で撫でしてやるから、もっといっぱい気持ち良くなろうなぁ」
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